昨日書いた2018年の『ピクトリアリズムIII』展の段階で『寒山拾得』の構想はすでにあったのを思い出した。寒山と拾得のの師というべき豊干禅師は常に虎に乗っている。その虎を、虎を見たことがなかった日本の絵師の、想像で描いた猫じみた虎を、猫を撮影して作ってみよう、と近所の知り合いのトラ猫を撮影させてもらい、わずかに顔に動物園の虎の模様を貼り付けて作った作品を出品していたのである。寒山拾得への想いなど知るよしもない来廊者の方々は違和感を感じたことだろう。 結局マタタビにもじっとしてくれない猫に愛想を尽かし、本番では上野動物園のアムール虎を使ったが、こいつも落ち着きな歩き回ってばかりで、寒山拾得と豊干と虎が寄り添って眠る『四睡図』では四肢をバラバラにして寝転がしてやった。
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