明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



立体化をほぼ完成させた臨済宗開祖臨済義玄だが、元々穏やかに描かれ続けた肖像を中国のある僧が画工に険しい表情の絵を描かせ、それが日本に伝わり、また描き継がれたそうである。長谷川等伯が描いた、曽我蛇足作と出どころが同一の肖像画を見た。私は研究者ではないし、私がその気になったということが大事であり、年代を比べてどちらが先だったか、などにはもはやか気もない。作る私がそうなので、読者の方々が関心があるとは思えず。    取り敢えず確かなのは、誰も本人に会ったことはなく、出どころ一つの肖像をどう扱うかである。私は絵師の皆さんと違って立体化し、さらに大口を開けさせ”喝”を強調し、頸動脈とこめかみ、額の血管を浮き立たせた。こめかみの血管は緊迫感の演出のため、ジャズシリーズにしばしば用いた。効果のほどは、赤塚不二夫の漫画で子供の頃から良く知っている。



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