二年間飾っていた掛軸が、ほとんど水墨画だったせいもあり、できれば多少でも色のある物を飾りたい、と一度掲げた長谷川潔のコロタイブの複製を外した。日当たりだけは良いので、どうしても梁より上の壁にかけることになる。あと2点は飾って気分を変えたい。 一休禅師の朱鞘の大太刀は、残された絵画はいずれも正装に椅子に座って傍に太刀である.鞘の中身は竹光である。〝寺中においては偉そうであっても、人々の中にあっては木剣の如く役に立たない”当時の僧侶の現実を風刺している。 当初、半裸の姿で胡座を描いて、と考えていたが、一休は竹竿に骸骨同様、それを持って街中を闊歩した。街角に立つ一休にしようという気がしてきた。一休を一休たらしめたのは、後小松天皇の落胤という出自、乱世という時代背景があるだろう。