女優の不倫騒動が騒がしいが、結婚の何が目出度いのか、心底理解出来ない私は、野坂昭如が週刊誌などで家族と一緒の写真が載るのが恥ずかしい、というのは実にまともな神経だと思ったものである。セックスが抱擁して接吻程度ならば、ラブシーンにロマンチックなメロディも良いだろうが、その実態は猿とやっていることは変わらない訳で、そう思うと涙を誘う悲恋物語もトドのつまりは、と滑稽感が拭えない。いや、その滑稽味こそが、と言われれば、特に反対はしないけれど。
こんな話の後に、念の為改行して続ける。来年は浄土宗の宗祖法然上人の開宗850年だそうだが、浄土宗の寺用に、上人を作る予定なのだが、臨済宗の迫真的な彫像、肖像画を見慣れていると、残される上人の解像度の低い肖像に、乗り切れないものがあった。かと言って私のような不信心者が、そこに、余計なニュアンスを加えるのも、と考えていたが、どうにも我慢が出来ない。私にも人を作るならここまでは、やりたいというラインがある。人間味が出る程度のリアル感を加えた上人像にしよう、と決めた。住職からは「シン法然上人を期待してます。」とメールが。