英語道(トラスト英語学院のブログ)

トラスト英語学院(長野県伊那市)塾長。英語指導や自身の英語学習雑感、趣味のランニングと筋トレについて綴ります(^^)

人を動かす人と言葉

2019年05月18日 | 指導現場にて
第一志望の早稲田を目指し、代々木ゼミナール代々木本校で浪人していた1990年の夏、椿本昌夫先生の夏期講習「早大古文ゼミ」を、友人からコピーさせてもらいました。テキストの本文ではなく、“はしがき”のみを・・・。

この文章は、浪人して早稲田を目指していた私の心の支えとなり、その後も私の中で生き続けています。アツかったな、あの頃。


「早稲田の学生証をもらった時、これまでの人生でいちばん欲しかったのはやっぱりこれだったのだ、ということがはっきりわかりました」という手紙をくれた男がいた。

一文に受かって、上智の外国語学部をけった女の子もいた。学費を払ったのだから上智に行けという田舎の父親を、彼女は懸命に説得した。そして、しめ切りの日の夕方、やっと学費のふり込みに成功したのだった。最後の三日間、彼女は泣き通して父親の心を動かしたのだ。

一点足りずに落ちた男もいた。そのことを知った時、彼のお父さんは息子に「もう一年やれ、俺が応援する」といったそうだ。彼は即座に青学をやめて受験勉強に入った。発表の日、彼がまっさきに合格の報告をしたのは、会社にいる父親であった。

「早稲田が俺を呼んでいる」といいづづけていた男もいた。彼は、親をだまし、すべりどめ校も受けずに早稲田だけ受けた。政経学部の試験日の前日に熱を出し、それでも四日連続の入試に耐えた。受かったのは法学部だけであったが、報告にきた彼は、ほんとにいい顔をしていた。

こいつらとは、私はいまでも一緒に酒を飲む。これからの長い人生で、こいつらになにが起こるか、私にはわからないけれども、彼らが、人生のその時々に目標を定めることができる奴らであり、その目標に向かっていく闘争心をもっている奴らであることだけは信じている。

あと七ヶ月。硬派の早大生になってほしい。そして、僕でよければ、一緒に飲みたいと思う。

(引用:1990年 代々木ゼミナール夏期講習会 椿本昌夫先生「早大古文ゼミ」はしがき)

思い返せば、この言葉に勇気づけられたことで自分が変わり、「将来、今度は自分がそのような言葉を発せられる仕事をしよう」と心の奥深いところで思い続けていたからこそ、今の天職にたどり着いたのでしょう。

人を動かすのは、人とその人から発せられる言葉。これからも、生徒一人一人と向き合っていく。

1991年 代々木ゼミナール冬期直前講習会 田村秀行先生「早大現代文」を受講する私(右:政治経済学部合格)と友人M氏(法学部合格)


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする