昨日の続きです。
7.1.4.Pipe lengths and delivery head
配管長と各部の高さ
When installing the fuel line make sure that it is kept as short as possible.
See Fig. 12.
The pipe must be installed such as to protect it from being damaged.
The fuel line must be installed in cool areas to avoid bubbles being formed by the effect of heat. High fuel temperatures can cause the heater to malfunction.
燃料の配管は出来るだけ短い方が良く、また熱の有る物の近くを避け、場合により遮熱対策をする。
温度が高いと配管内の燃料が沸騰して、ヒーターの不調原因となるので注意。
The fuel lines must be secured using state-of-the-art fastening elements.
Do not damage the fuel line.
燃料配管は最高レベルの物(ベバスト純正なら問題なし)を使用して、漏れが無いようにすること。及び傷を決して付けないこと
Intake side:
D1:Inside diameter of fuel line = 2 mm.
H1:Fuel level (tank above fuel pump) [m]
S1:Fuel level (tank below fuel pump) [m]
l1:Length of fuel line [m]
燃料吸い出し側:(ポンプからタンクへ行く方)
D1: 燃料配管= 2mmの内部直径
H1: 燃料レベル(燃料ポンプより上のタンク)[m]
S1: 燃料レベル(燃料ポンプの下のタンク)[m]
l1: 燃料配管[m]の長さ
Pressure side:
D2:Inside diameter of fuel line = 2 mm.
H2:Height difference between heater and fuel pump
(heater above fuel pump) [m]
S2:Height difference between heater and fuel pump
(heater below fuel pump) [m]
l2:Length of fuel line [m]
加圧側:(ポンプからヒータへ行く方)
D2: 燃料配管= 2mmの内部直径
H2: ヒーターと燃料ポンプの高さ違い
(燃料ポンプより上のヒーター)[m]
S2: ヒーターと燃料ポンプの高さ違い
(燃料ポンプの下のヒーター)[m]
l2: 燃料配管[m]の長さ
Fuel level (tank above fuel
pump), H1 [m]
燃料レベル(燃料ポンプより上にタンクが有る場合)
ポンプ) H1[m]
H1 = 0
0 < H1 <1
1 < H1 <2
Maximum permissible fuel pressure at take-off
point, p1 [bar]
許されている最大燃料圧 p1(バール)
-0.1 < p1 <+0.5
-0.1 < p1 <+0.4
-0.1 < p1 <+0.3
燃料レベル(燃料ポンプより下にタンクが有る場合)
ポンプ) H2[m]
0 < H2<1.3
Maximum permissible fuel pressure at take-off
point, p1 [bar]
許されている最大燃料圧 p1(バール)
-0.1 < p1 <+0.5
Parameter Value
Length of intake pipe l1 [m] max. 5
Length of pressure pipe l2 [m] max. 10
Length of intake pipe l1 + length of pressure pipe l2 [m] max. 12
Height difference between heater and fuel pump
(heater above fuel pump) H2 [m]
max. 3
Height difference between heater and fuel pump
(heater below fuel pump) S2 [m]
max. 1
Fig
以上、タンクと燃料ポンプ、及びヒーター本体の取り付けの位置と高さの関係ですけど、 普通の車両に取りつけるなら、特段気にする必要は無いです。
燃料タンクが車体の屋根の上に有る! という車は有りませんし、 大抵は車体真ん中辺りから後部の、 フレーム真ん中より少し下で、地面にタンクを引きずりながら走っている車は有りませんから(笑)
最近の車は、タンク内の燃料蒸発ガスの発生を出来る限り抑える事と、環境への配慮から、タンク密封性が良くて、内圧がかなり上がります。
給油の時にキャップを開けた瞬間「プシュ~!」と音がするのがそれですが、それに関しては、特段インストールマニュアルには書かれておりません。
余り気にせず、ヒータは基本的に冬場に使う物ですし、普通の車なら問題無いと考える事で良いと思います。
パラメーター
燃料吸い出し側の l1[m]の長さ。 最大で5mまで
加圧側 l2[m]の長さ。 最大で10mまで
全体としての許容長さ。 最大で12mまで
ヒーターと燃料ポンプの高さの違い
(燃料ポンプより上にヒーターが有る場合)H2[m]は最大で 3mまで。
ヒーターと燃料ポンプの高さ違い
(燃料ポンプの下にヒーターが有る場合)S2[m]は最大で 1mまで
かなり長い距離を配管できます、 ただ、12mなんつ~長距離配管をする事などまず無いでしょう。
設置が終わって、実際にヒータをオンにすると判ることですが、内径2mmのチューブ内を、燃料がタンクからヒーターまで上がって来るのにはかなり時間がかかります。
燃料ポンプを出来る限りヒーター近くに設置して、一番初めの始動時にバキューム等をかけて燃料ポンプまで持ってくればいいのですが、そうで無い場合は、燃料がヒーターに届くまで、何度も繰り返しスタートさせることになります。
一応、着火トラブル的なアラームを出しますので慌てますが、それが普通なので大丈夫です。
重故障で無い限り、最後にヒューズを抜いて暫くして戻せば、リセットされ、後の運転には支障はありません。
燃料が来るのが遅い理由ですが、元々が超省エネ型ヒーターで、ポンプの排出量が小さい為です。
尚、全体的な配管時の問題としてベバストが気にしている?のは燃料配管内”残留空気”で、これが残っていると、エアそのものが脈動式ポンプの圧変化を吸収してしまいやすく、それが原因でヒータの運転に支障を来たすことがあるので、配管内のエアには十分な注意が必要です。
燃料が上がってくるのを目で追いながら、各配管接合部を指先でトントンと弾いたりすると、エアは抜けますです、経験的に(笑)。
7.1.5.Pipe material
配管
Only use steel or plastic fuel lines made from light and temperature-resistant material in accordance with DIN 73379 as the fuel pipes.
7.1.6.Connecting 2 fuel lines with a hose
燃料配管は、鉄製もしくは耐熱プラスチックで出来た専用の物を使用して下さい(純正品の配管)。
燃料ラインに傷を付けないこと。
7.1.6.Connecting 2 fuel lines with a hose
Fig. 13 shows the correct connection of fuel lines with a hose.
Make sure there are no leaks!
ホースとホースの接続は下の図を見てください。
ゴム製のホースの中を通したプラ製配管は、双方をできる限り付き合わせること。
曲がり部分は突き合わせ無くても良いが、綺麗に配管すること。
*内部にエアが噛まないように注意。
–Secure the line at regular intervals to prevent sagging. Avoid kinks.
–Keep away from heat sources. Use heat shield if necessary!
– 配管が垂れ下がらないように、適当な間隔を開けて配管を固定して、ネジレは禁物です。
– 熱源に配管を接近させない様に注意。 必要に応じて熱シールドを使ってください!
7.2. Fuel pump
The fuel pump is a combined delivery, metering and a shut-off system and is subject to certain installation criteria (see Fig. 14).
燃料ポンプ
燃料は各配管の良好な連結によって供給されるので、図14の取り付けを厳守してください。
7.2.1.Installation location
設置場所
The fuel pump must be installed in a cool place as close as possible to the fuel tank (see Chapter 7.1.4, "Pipe lengths and delivery head"). For petrol heaters, the ambient temperature must not exceed +20 °C at any time during operation.
The fuel pump and fuel lines must not be installed within the range of radiated heat from hot vehicle parts. A heat shield should be fitted if necessary.
燃料ポンプは、燃料タンク(第7.1.4章参照)を見てください)にできるだけ近くの、涼しい場所に取り付けられなければなりません。
ガソリン仕様のヒーターの場合、作動している間の周囲温度は+20°C以上にならないようにしてください。
燃料ポンプと燃料配管は、加熱された自動車部品から放射される熱範囲の中に設置しないように、また必要に応じた熱シールドを施さねばなりません。
燃料ポンプは、ダンパー付きか?無しか?で、 取り付けに関しての角度等、許容範囲が異なります。
STCのインストールマニュアルでは、文章としてガソリン仕様と軽油仕様の取り付けに関する分け隔てを特に書いておらず、図ではダンパーの付いている方に軽油と書いてあります。
ダンパーが無いタイプ(ガソリン仕様?)の物は、燃料の排出側を真上(90度に近づける)に近づけるか、逆に斜め下45度くらいにする方を勧めているようです、図面からですが・・・、
すいません、上の消し線行ですが、マニュアルの図面が非常に解りずらく、どうにもおかしいのでドイツ本国に直接問い合わせました。
回答では
ダンパーの無しポンプの場合は水平設置が基本で、もし排出口を上に向けての使用は90度が限界、下向きにするには45度限界とのことでした。
ダンパー付ポンプの場合、ダンパー内部にエアが残りやすい関係で、それをスムーズに排出するために、ダンパー側を少し上げて設置するのがベストとの事でした。
取り付け角度ですが、排出側を少し高くして、15度くらいの軽い傾斜角から、直立90度のまでの間の角度で取り付けますが、35度くらいの斜め設置がベストらしいです。
図面見ていると???と思うのは、日本人と向こうの、感覚の違いというところでしょうかね・・・・ (^^;)汗
左右の転がり?に関しては、
ダンパー無しポンプの場合は、転がりに関しての許容範囲が広く、真横になる位置でも使えます。
ダンパーが有るポンプの場合、左右の転がりの許容幅が狭く、ダンパー排出口が出来るだけ真上に来る位置(内部の残留空気を抜くため)がベストとなっています。
参考までに、EVO3500や5000,のマリン仕様でのポンプ取り付けは下の図の通りですから、STCと全く同じと考えて良いかと思います。
それなら 2000STはどうなのか?を、同じくST用インストールマニュアルから見ると(下の図)、ダンパー付きのガソリン用燃料ポンプ(下の図14)は STCの軽油用と同じ取り付け角度です。
ただ、STの軽油用ポンプで(図15)で、ダンパーの付いていない物は、”水平取り付け”と指定していて、この辺が間違いなのかどうか?ですが、どちらもベバストの正規マニュアルに書かれているので、正直どちらが良いのか?という事は、僕には解りません。
ガソリンと軽油が逆で、間違って書かれていると考えれば、つじつま合いますが、
それならSTCではあまり推奨されてない、水平取り付けがSTでは基本というのはよく分りません。
DP2とDP30.2は、対応機種一覧をみるかぎり基本的には同じ(同性能)ポンプと考えてよく、そうなるとSTCとの設置違いは何だろうかと?
左右の転がりは、ダンパーが無いばあい、STでも STCでも、真横にしても使用可能です。
まとめですが、いずれにしても、排出側を15~35度の角度で取り付けてあれば、一番良いと考えるべきだと思います。
参考までにですが、自分の取り付けた、ベバスト同等品(OEM?)の燃料ポンプは、排出側を少し高くした状態(35度がベスト)で取り付けるように指示されていました。
7.2.2.Installation and attachment
取り付けとアタッチメント
The fuel pump must be secured with a vibration-damping mounting (e.g. rubberised clip). The installation position is limited as shown in Fig. 14 to ensure effective automatic bleeding.
Due to the risk of corrosion only genuine Webasto parts must be used for the plug connection between the fuel pump and fuel pump wiring harness. Use the flexible mount to install the fuel pump (reduces the transmission of structure-borne noise/ticking)!
(see Fig. 15).
燃料ポンプは、車両取りつけですから耐振動を考慮して行うと同時に、取り付け角度等、 効果的燃料供給を確実にする為に”図14”の様な制限がありますので守ってください。
車体外部に設置される燃料ポンプは、腐食を防ぐために、プラグとソケットに対して、防水に関する工夫をしています。
なので確実にソケットとプラグの配線を行ってください。
燃料ポンプ(構造の雑音/カチカチいう音)から出るノイズを軽減するために図15の物を推奨しております。
7.3.Fuel filter
燃料フィルター
Only a Webasto strainer is to be fitted if poor-quality fuel is used. Install vertically if possible, maximum deviation not exceeding 90° (ensure correct direction of flow).
燃料フィルターは、出来る限り90°(出口が真上になるように)になるように取り付けてください。
8Combustion air supply
燃焼空気供給
Under no circumstances may the combustion air be taken from areas occupied by persons. The combustion air intake opening must not face in the direction of travel. It must be arranged in such a way that it cannot become clogged with dirt.
燃焼空気の取り入れですが、吸気パイプは、人の居る場所(キャビンなど)に設けてはいけません。
また、パイプの取り入れ口を車の進行方向に向ける事も許されません。
上記理由ですが、 吸気パイプとヒーター燃焼室が、ほこりや、運転中の水や砂、泥などにより、詰まる可能性が生じるからです。
NOTE:
It is recommended to install an intake silencer if the length of the intake hose is less than 0.6 m.
注:
吸気ホースの長さが0.6m未満である場合は、吸気サイレンサーを設置する事をお勧めします。
*騒音は排気より吸気の方が大きいです
NOTE:
Using a combustion air line, the combustion air must be taken from a position that is as cool as possible and protected from splash water.
Only use the supplied and Webasto-approved combustion air lines for this purpose.
The combustion air opening must not be below the fording height permitted for the respective vehicle.
See statutory installation requirements for further regulations.
注:
吸気パイプ入口から、ヒーターの燃焼室を通って排気パイプ出口までは、可能な限り涼しく、雨水や車両のはねる水から保護されていなければなりません。
その為にはWebasto社製の部品を必ず使用してください。
吸気および排気パイプの開口部は冠水した水に浸らない高さにもうけてください。
以上 その2でした