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日常よく使われる英語表現を毎日紹介します。毎日日本時間の午前9時までに更新します。英文執筆・翻訳・構成・管理:上杉隼人

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毎日更新! GetUpEnglish Updates Every Day! Since April 1, 2006 (c) 2006-2024 Uesugi Hayato(上杉隼人)

『ディズニーヴィランズ タロット』、石井ゆかりさんにご紹介いただきました!

2022-10-12 23:49:51 | Disney Villains Tarot Deck and Guidebook

『ディズニーヴィランズ タロット』、河出書房新社より、11月4日発売予定です。

ディズニーヴィランズ タロット

ミネルヴァ・シーゲル 著

鏡 リュウジ 監訳

上杉 隼人 訳

単行本 B6変形 ● 128ページ

ISBN:978-4-309-23117-4 ● Cコード:0076

発売日:2022.11.04(予定)

https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309231174/

あの石井ゆかりさんもインスタでご紹介くださいました!

https://www.instagram.com/p/CjjejWwvsEW/?hl=ja

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河出書房新社さんからお送り頂きました!

「ヴィラン」は敵役、悪役という意味で、ディズニー映画にはたいてい、主人公とワンセットみたいな感じで登場しますね(最近の作品はどうか解らないのですが、、、)。

一般に、主人公、ヒーロー、ヒロインは、ストーリーの上で外部から目的を与えられることが多いように思います。話の序盤、自分自身が辛い目に遭っていたり、辛い目に遭っている人に同情したりするところから話が始まります。一方のヴィラン、悪役や敵役は、自分の内側に、あらかじめ目的をちゃんと抱いています。その目的は欲望だったり恨み妬みだったり、愛だったり、いろいろですが、とにかく自分の目的や望み、いやなことなどがはっきりしているのです。

ゆえに私には、悪役の方が「人としてちゃんとしている」ように感じられることがよくあります。主人公はたいてい、状況に翻弄されたり、ある種の刺激でカッとなったりして行動するのですが、悪役はけっこう、自分の中に確固たるものがちゃんとあるのです…それが悪いことであっても(!)。

もとい、物語の最初の段階ではストーリーに翻弄されるだけの主人公も、悪役との対決を重ねるうちにだんだんと、「確固たるもの」を獲得していきます。主人公の成長とストーリーの展開がうまく噛み合っている作品は非常に面白く、強いカタルシスを促します。良くも悪くも確固たるものを持った者と対決することによって、未熟な主人公がだんだん確固たるものを得てゆく。主人公が魅力的な、面白いお話ほど、ヴィランが強くなければならないのだなと思います。

新しいデッキを手にすると、まず一枚引きしてみたくなるものですが、今回私は、世界の正位置でした! このデッキは解説ブックレットがとてもわかりやすく、また、なんだかとても優しい気がします。ディズニーファンならずとも、オススメです!

#ディズニーヴィランズタロット

#タロット

#河出書房新社

#鏡リュウジ 先生監訳

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「このデッキは解説ブックレットがとてもわかりやすく、また、なんだかとても優しい気がします」

すっごくうれしいです

石井ゆかりさま、ありがとうございます!

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MONKEY Volume 3: Crossings(1)

2022-10-12 08:42:34 | 本と雑誌

 MONKEY New Writing from Japan Vol. 3が発売になったのだが、これはすごい!

 https://monkeymagazine.org/monkey-vol-3

MONKEY Volume 3: Crossings

Vol. 3 of MONKEY is 176 pages of full color, featuring the best of contemporary Japanese literature, from Hiromi Kawakami and Aoko Matsuda to Hideo Furukawa and Haruki Murakami, a graphic story by Satoshi Kitamura inspired by the Lascaux caves, and new work by American writers Stuart Dybek and Matthew Sharpe—all friends of MONKEY. Transitioning out of the pandemic, we are inspired by stories of transformation and the joyful play between Japanese and Western literatures.

とある通り、最良の現代日本を英語で紹介しているのだが、翻訳も最高だ。

 GetUpEnglishでは、MONKEY Volume 3: Crossingsの翻訳のすばらしさを(不定期になってしまうが)継続して紹介してみたい。

 柴崎友香の『百年と一日』はすばらしい短篇集であるが、ご存知のとおり各短篇のタイトルがどれも長いので翻訳はまず不可能ですねと勝手に思っていたが、Polly Bartonさんがそのうちの一篇をMONKEY Volume 3で見事に翻訳している。

 https://pollybarton.net/

 その短篇のタイトルはこんな感じだ。

 一年一組一番と二組一番は、長雨の夏に渡り廊下のそばの植え込みできのこを発見し、卒業して二年後に再会したあと、十年経って、二十年経って、まだ会えていない話

 日本の学校教育に根差した言い方があるが、柴崎友香ならではの不思議な、ある意味不気味な感じがうかがえるこの短篇のタイトル(しつこいようだが、短篇のタイトルで有って、短篇のなかの描写ではない)をどんな英語にするのか?

 One summer during a long rainy spell, student number one from class one and student number one from class two discover mushrooms growing in a flower bed next to a covered walkway at their school; two years after leaving school they bump into each other, but after that, ten years pass, twenty years pass, and they don’t meet again

  ここでぜひ注目したいのは、

 student number one from class one and student number one from class two

という表現だ。studentとclassの前には定冠詞theも不定冠詞aもない。

 theが付けば特定のクラスの特定の生徒と特定されるし、aが付けば特定でないクラスの特定でない生徒(場合によってはどこにでもあるクラスのどこにでもいる児童)ということが示されるわけであるが、どちらも付いていないことで、そもそも存在するかどうかもわからないクラスの、まったくどこから出てきた変わらない生徒たちということになる……。

 これは時に無骨と思えるほど形式を重んじる英語では普通ありえないことで、ひょっとすると翻訳だからできたこともかもしれないし、Monkeyの編者柴田元幸は時々「翻訳によって日本語の可能性を広げることを目指したい」と言っているが、ここでは「日英翻訳によって、英語の可能性を広げている」のかもしれない。

 MONKEY Volume 3: Crossings, 英語のネイティブスピーカーと英語がよくできる人たちが読んだらもちろん面白いだろうが、わたしのように英語学習中の英語オタクにも思い切り突き刺さる1冊で、大変ありがたい。

 でも、しっかり勉強してやるぞというよりはとにかく手に取ってしっかり楽しみたいと思えるのがうれしい。

 https://monkeymagazine.org/monkey-vol-3

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