Douglas Wolk, All of the Marvels: An Amazing Voyage into Marvel’s Universe and 27,000 Superhero Comics(2022)がどうにか訳了しつつある。
今月おそくとも来月には作品社の田中元貴さんに訳稿を提出し、出版に向けて作業を一緒に進めたい。
なお、大好きな作家乙川優三郎の最新長篇『クニオ・バンプルーセン』に、
「飯田橋の大通りに面したビルの3階にある社長を含めて7人しかいない、翻訳書や人文書を出す出版社」が出てくるが、これは作品社のことではないだろうか?
話が逸れた。
この『マーベル・コミック大全』に、以下の描写がある。
2. Did it involve characters owned by Marvel?
This actually ruled out a lot of stuff. The “ownership” rule set Conan the Barbarian and its related series, for instance, outside the scope of this project— at least until after 2017— so I washed my hands of them. Ditto for Star Wars and G.I. Joe, whose licensed series never crossed over with the Marvel Universe*....
2. マーベルが「所有する」キャラクターは含まれているか?
これを基準にすることで、多くのマーベル・コミックを排除できた。マーベルの「所有権」に鑑みると、たとえば『コナン・ザ・バーバリアン』とその関連シリーズもマーベル・コミックから刊行されているが、少なくとも2017年まではマーベルが「所有する」キャラクターは出てこないので、外した。『スター・ウォーズ』や『G・I・ジョー』のマーベル・コミックも同じ理由で外した*。どちらのシリーズにもマーベルが所有するキャラクターが出てこないから、マーベル・ユニバースと交差しないのだ……。
Ditto for Star Wars and G.I. Joeとあるが、ditto forは「同上」。次のように使われる。
○Practical Example
"I love Italian food, and ditto for French cuisine."
「私はイタリア料理が大好きですし、フランス料理も好きです」
"She's a great singer, and ditto for her sister."
「彼女は素晴らしい歌手ですし、彼女の妹も歌がうまい」
"The movie Guardians of Galaxy Vol. 3 was fantastic, and ditto for the soundtrack."
「『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3』の映画はすばらしかったし、サウンドトラックもすばらしい」
ところで、「『スター・ウォーズ』や『G・I・ジョー』のマーベル・コミックも同じ理由で外した」とある。興味深いことであるが、『スター・ウォーズ』はコミック版がマーベルから刊行されていたのだ。よって、以下のような注をつける。
* 驚くべきことかもしれないが、マーベル・コミックは『スター・ウォーズ』の第1作が1977年に封切られたあと、その年に『スター・ウォーズ』のコミック版6冊の刊行を皮切りに、107冊刊行している。『G・I・ジョー』も1982から1994年までマーベルからコミック版が発刊された。