今年はこの草がやたらと繁茂している。この草の存在は前々から知ってはいたが、こんなに繁茂することはなかった。草取りで切ると一本の細い根から細かい枝が分かれ、それがさらにわかれ、繁茂しているのだ。地面一杯に生い茂る雑草。写真を撮って、 知恵袋で名前を聞くと「ヤエムグラ」だと教えてくれた。
「ヤエムグラ?百人一首に歌われているあのヤエムグラ?」イメージが違う。
八重葎茂れる宿の寂しきに人こそ見えね秋は来にけり
やえむぐらがあたり一面茂っている荒れ果てた屋敷に、人影はなないが、秋は確実にやって来ているよ、くらいの意味だろう。さらにストーリーをつければ、昔、馴染みのあった人の荒れ果てた屋敷に立って、その人の面影を想って、秋を感じて感傷に浸っているよ、とでも付け加えたくなるような寂しい感じ。ふ~ん、この草の秋の様子は覚えがないが、この緑緑した草に寂しさは感じられない。
そこでヤエムグラを調べると、百人一首の「ヤエムグラ」は「カナムグラ」であると書いてあった。カナムグラはとげが痛い、つる性の植物。見つけると、目の敵のように切っていた。色もこんな鮮やかな緑ではない。なら、うなづける。広辞苑を引くと、「葎」とは荒れ地や野原に茂る雑草の総称、とも。な~るほどね、これならイメージはつながる。
動物たちは、「えぐい」ので食べないらしい。漢方には使われているそうだ。この草も「引っつき虫」の仲間。やだね~、でもこんなに繁茂したら次は絶滅かなぁ。放っておくほうがいいのかなぁ。でも草刈りは頼むから絶滅は無理だろうな。
満開のソメイヨシノがはらはらと散っていく。桜吹雪。地面は真っ白。
日曜日、いつものようにシフォンをやろうと窓を開けると、飛んでくるはずのヒヨの姿がない。あれ?帰っちゃったのかな?しばらく様子をみ見ていたが来るのはスズメばかり。居残り組のヒヨが2羽、シフォンを拾っていった。
毎年のことだけど、「挨拶ぐらいして行け!」と怒鳴っている。シフォン焼いたばかりだけど。