花冷えっていうと
聞こえがいいけど、
日が出てない時間は冬だ。
桜を夜までゆっくり見たいなら、
冬のアウターは必須。
ま、それも今日までみたいだけどね!
河原の桜を見ながら歩いていて、
「耳がキーンとする!」「おれは手が…」
と同じ会話を2度くりかえす。
河原の緑がきらきら。
桜が咲いてからの冷え込みがすごかったので、
桜は少しずつ、ぽつぽつと咲いていた。
長い間、桜を見てられるのは嬉しい。
雨のなか、鎌倉へ。
段葛の桜を見て、
海に出るころ雨が止んだ。
稲村ガ崎で、岩場に降りる。
穏やかな、
ねずみブルーの海と空。
建長寺に行くと、また雨。
沈丁花の残り香。
桜は2、3分咲きで、
たくさんの蕾も美しい。
寒さで色が冴えたのか、
開きかけの花は、
ほんのりピンク色。
咲ききるのをためらっているような、
ほほを染めているような可愛らしさ。
枝によって、角度によって、
無限の美しさを浴びる。
Cが「この枝いいよ」と教えてくれた枝は、
私もいいなと思ってる枝だった。
Cとはいつも、美しいものや海を、
同じように欲し、
同じように感じている。
それに春が嬉しくて、
いつもにも増してトークがはずみ、
何度も本質に迫った気がするけど、
何を話したかさっぱり。
日本は柑橘類の種類が多い、とか。
夜は、目黒川の桜も見に行く。
橋の上から見る枝の連なり。
ちょうちんで、
ピンク色に染まる花の房。
花の枝ごしに、丸い月。
かわいいしだれ桜。
世田谷観音にも寄る。
暗い夜空に伸びる枝の先で、
ほのかな灯りをとらえて
白く光る花が美しい。
幹も元気そうだった。