いい天気で、空気は甘い香り。
高尾山に行ったら平日でもすごい人!
紅葉の高尾山は、桜の目黒川と同じ状況に。
駐車場も満車で高尾山はあきらめて、
いったん高速に乗って相模湖に行った。
高速を下りるとき、ちょうどビートルズの
ストロベリーフィールズがかかってて、
一緒に歌ってる途中で、湖が見えてきて、
なぜか急に感動がこみあげた。
2年前に一度来ただけの場所なのに、いとしい場所になっていた。
そこに来る途中も、皇帝ダリアをいろんなところで見ていて、
どこも花付きがよくてきれいだったけど、
相模湖には皇帝ダリアが何本もあって、
たぶん前きた時よりたくさんあって、花もたっくさん咲いて、
蕾もまだたっくさんあって、それはもうきれい。
睡蓮に通じる、透明感のある美しさ。
ミツバチがたくさん花にいて、ベンチに乗って
なんとかして匂いを嗅いだら、蜜が強かった。
手漕ぎのボートを借りて、船出。
感じのいい美人のおばちゃんがサービスしてくれた。
「二人とも美人ねえ」
C「おねーさんも!」
ほかにボートやスワンは広い湖に数えるほどしかいなくて、
やみくもに漕いでもぶつかるようなこともない。
調子に乗ってこぎまくり、船着き場からどんどん離れた。
遊覧船のスワンやくじらも、人はまばら。
湖から眺める紅葉はほんとにきれい。
山に入っちゃうとよく見えないから、
高尾山より紅葉を満喫できる気がする。
淵にボートを寄せれば、木々を近くで見られるし。
高尾山はもんのすごい人なのに、
相模湖は全然人がいなくて、もうちょっとばらければいいのに、
ほんとに今の若い人って、イベントとか人ごみが好きだよね。
で、湖を囲む山の木々は大きくて、赤や黄色に紅葉して、
はちみつ色の夕暮れの陽射しが当たってそりゃもうきれい。
高いところから、風もないのに散る木の葉が、
キラキラ、金色にきらめいて、夢のよう。
さらに行くと、カワウが、竹の上の方を折る感じで居場所をつくって、
マンションみたいにしていた。すごい数。
湖は山の気を凝縮したような場所で、
前の日に海で軽くした体に新鮮で濃厚な気が、
漕げば漕ぐほど体に入った。
日がかげってきて戻るときは、
二人とも腕と手のひらが疲れててけっこう大変だった。
水鳥の群もいた。水は澄んで緑色。
上下の揺れだけなので、海とは違う揺れ方。
オールをこぐのは肩・腕・胸筋だけでなく、
腹筋や腰も使うので全身の運動で、泳ぐのに似てる気がする。
疲れてくると左右均等に力が入らなくて、
あらぬ方向に進むのを修正するのでさらに疲れた、
でもすごい楽しかった。
帰りにちょっと高尾によって、暗くなった6号路を少しだけ上った。
雨が降ったみたいで、湿っていた。
「寒めの7月みたいだよね」
「今年は冷夏かー、みたいなね」
と、夏はしっかりここにいた。