防衛省幹部にGPS所持義務づけ/自由・平等の原則から閣僚にも義務づけを

2007-11-02 09:19:51 | Weblog

 そして子どもなのは官僚も政治家も同じ

 防衛省は幹部の休日の行動を把握するために全地球測位システム(GPS)機能付き携帯電話の所持を義務づける方針だという。

 かの石破防衛相のアンパンマン的発案。福田首相が国会で質問を受けて、「安全保障の、その責任ある立場にある者がですね、自分の行動をやはりある程度、そのつまびらかにするということは必要だと思いますよ。しかしながら、それを把握できるかどうかと言うことは本人が申告しないですね、えー、まあ、あっちこっち行っているというようなことになりますとね、そういうことが分かればね、それは十分注意ができますけど、分からないとなれば、注意もできない――」(07.11.1/日テレ24)

 それで石破大臣は監督責任者として行動を十分に把握できて、「十分注意でき」るようにGPSを思いついたということなのだろう。防衛省から第2、第3の守屋武昌的防衛次官を出さないために。休日に無断で都内から離れ、取引業者と業者のカネを当て込んで自分の懐は痛めない卑しいゴルフを心ゆくまで愉しむといった日本の歴史・文化・伝統となっている愛国心溢れる凛とした美しい慣例行事を根絶するために。

 但し事務次官やその他の各本部長といった幹部が業者接待のゴルフ、その他を受けていたのが守屋前事務次官が最初ではないのだから、1番に位置づけるのは妥当ではなく、第30何番目、第40何番目の守屋的幹部を出さないためと言うべきで、そう言うことによって日本の歴史・文化・伝統となっていることが十分に説明可能となる。

 斬り取り強盗は武士の習い。ゴルフ接待・飲食接待だけではなく、天下り・甘い汁獲得も官僚の習い。そして政治資金や政務調査費等の私的利用・私腹化、あるいは口利き・便宜供与は政治家の習い。

 子ども扱いだとか、プライバシー侵害だとか批判があるそうだが、石破防衛相は元々表情なんか持ち合わせているのかと思わせる表情一つ変えない様子で、「危機管理官庁なので居場所を明らかにするのは当たり前。行動が把握されるのが嫌だったら、そんな人は防衛省にいなくていい」(asahi.com)と国会で後に引かない答弁。いつも赤っぽいむくんだ顔をしているが、血圧が高いのではないのか。まずは自分の危機管理から始めた方がよさそうだが、既に取り掛かっている余計なお世話かもしれない。

 05年11月の広島市でのいたずら目的の下校中の小1女児の殺害(ペルー人を逮捕)、05年12月の栃木県今市市での小1女児誘拐殺害(未解決)と子どもに対する性犯罪が続き、その対策としてスクールバスや防犯パトロールといった方法と共に考え出されたのが常に子どもの居場所が確認できるGPSの所持で、かなりの小学校が実行しているらしい。

 大の大人でありながら、GPSを持たせられて休日中の自分の居場所を四六時中把握可能な状態に置かなければならない。いわば休日中の自分を四六時中監視可能な状態に置く。しかも通信衛星といった機械に。

 「子ども扱い」と言う以上に、これは人権問題である。幹部まで登り詰めた者を監視し、監視される。異常ではないか――、そういった声が聞こえそうだ。

 休日にGPSを自宅に置きっ放しにして外出したら、どうなるのだろう。北朝鮮が突然前触れもなしに日本を攻撃したとか、阪神大震災のような巨大地震が発生したとか、緊急に危機管理問題に遭遇する機会は滅多には起きないのだから、起きたときは起きたときだ、運が悪かったと腹をくくる。

 そんな不届きな声も聞こえてきそうだ。

 愛人のマンションにいるところを突き止められたらどうしようと早くも悩み出した幹部もいるかもしれない。

 日本人は上は下を従わせ、下は上に従う権威主義を思考様式・行動様式としているから、どうしても上は下を管理したがる。自由・平等を原則とする民主主義の時代である。上が下を管理することが許されるなら、上も下に管理されるシステムにして、初めて民主主義に合致する自由・平等の原則に従うことができる。

 また、自分を律することができないという点では官僚も政治家も同じ穴のムジナであることから出ない。身体は大人の形はしているが、自律的精神性では双方とも子どもに等しい。かつてマッカーサーが日本の政治は12歳の子どもだとか、13歳の子どもだとか言ったそうだが、政治家も子どもの域を出ないのだから、官僚を子ども扱いするなら、政治家も同じく子ども扱いされて公平性を保てる。国民から見ると、信用できないのは官僚だけではなく、政治家も同じなのだから。

 事実守屋前事務次官と業者とが同席している席に政治家も同席していた疑いが出ている。政官癒着は前々から言われている日本の歴史・伝統・文化としてある慣習制度でもあるのだから、一人官僚だけの問題ではない。愛媛県立宇和島水産高校の実習船「えひめ丸」が01年2月10日に米原潜にハワイ沖で衝突され沈没した際、当時の森「日本は神の国」首相はその連絡を受けながら、プレーを優先してゴルフを続行していた例もある。SPが同行していて、その携帯電話を通じての連絡だと言うことだが、直接GPSを所持させたなら、どう行動すべきかに対する心理的効果も大きいだろう。

 当然の結論として、官僚にGPSを持たせるなら、政治家にも持たせべきということになる。

 GPSに関して、HP「用語解説―戦争」が詳しく解説している。

 ☆GPS(Global Positioning System=全地球無線測位システム)爆弾☆
    
 GPS装置とは、24個の衛星から発射した時刻信号の電波の到達時間などから、地球上の電波受信者の位置を三次元測位するもので、カー-ナビゲーション・システムなどに利用されている。GPS装置を内蔵した爆弾に目標の座標をあらかじめ入力しておくと、爆撃機から投下された後、爆弾は内蔵されたGPS装置で位置を自分で修正しながら、目標に向かってピンポイント(「針の先」の意で、正確な位置制御)で攻撃できることになる。これがGPS爆弾である。
 GPS爆弾は、米国において1998年ごろから実戦配備された最新兵器で、レーザー誘導弾のように母機が誘導する必要がないので、一度に大量に投下できるというメリットがある。ただしその分、精度は若干劣るとの指摘もある。
* * * * * * * *
 韓国では08年の秋から常習性犯罪者に対してGPS「腕輪」の所持を義務付ける方針で、保護観察官が行動を監視し、女児らへの性犯罪を未然に防ぐのが目的だとのこと。

 最後に07.11. 01/23:02のasahi.com記事

 ≪防衛省幹部にGPS携帯所持義務づけへ 石破防衛相≫

 <防衛省は1日、幹部の休日の行動を把握するため、全地球測位システム(GPS)機能付き携帯電話の所持を義務づける方針を固めた。守屋武昌・前事務次官が在任中、休日に無断で都内から離れ、業者とゴルフを繰り返していたことが発覚したため、石破防衛相が対策の検討を指示していた。ただ、勤務時間外の行動を常時監視できるようにすることには、省内から「プライバシーの侵害」との批判があり、議論を呼びそうだ。
 GPS携帯電話は、所有者の現在所在地を別の携帯電話やパソコンの地図上に表示する機能がある。所持を義務づける対象は危機管理に対応する内局(背広組)幹部と各幕僚監部(制服組)の幹部。これまでは、休日の連絡先は自己申告する仕組みだった。
 GPS携帯電話は防犯用に親が子供に持たせるケースが多い。同省幹部からは「子供扱いするな」との反発も出ているが、石破防衛相は1日の衆院テロ対策特別委員会で「危機管理官庁なので(幹部が)居場所を明らかにするのは当たり前。行動が把握されるのが嫌だったら、そんな人は防衛省にいなくていい」と言い切った。>

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