安倍晋三は自民党都議の女性都議に対する女性蔑視ヤジで浅尾みんなの党代表に謝罪すれば済む問題か

2014-06-25 09:14:23 | Weblog




      生活の党PR

       《6月20日(金) 鈴木克昌生活の党代表代行・幹事長 定例記者会見要旨》

      『石原環境大臣発言、安倍政権の考え方を如実に表している』

      【質疑要旨】
      ・石原環境大臣不信任決議案提出について
      ・野党再編に向けた動きについて

 今回の都議会での女性蔑視ヤジ騒動の犯人探しは、NHKが誘拐事件や殺人事件、振り込め詐欺事件等の犯人音声の声紋鑑定や音声識別分析などで警察の捜査協力の実績がある民間の研究所だと紹介して、その民間の研究所である「日本音響研究所」にヤジ音声の分析を依頼するというオマケまでついた。

 結果は鈴木章浩自民党都議が追いつめられて自白するに至った 「早く結婚した方がいいんじゃないか」というヤジ以外に別の男性の声で「とりあえず結婚」というヤジが確認され ものの、ヤジ攻撃の餌食となった塩村文夏都議が聞こえたと指摘した「先ずは自分が産めよ」といったヤジは分析からでは出てこなかったという。

 但し鈴木都議以外の声は笑い声やその他の声が重なって、聴き取りにくい状態になっていると書いている記事もある。分析した音声は塩村文夏都議が使っていたマイクが拾って録音されたものだと思うが、塩村文夏都議の耳には聞こえたが、笑い声などと重なってマイクが拾い切れなかったということがあるかも知れない。

 あるいは塩村都議にとって35歳で結婚していない女性として敏感な問題には耳が鋭くなっているということもあり、議場を見渡す位置に立っていたという立ち位置の関係も加わって、彼女には聞こえたということもあるのかもしれない。

 自民党は「ほかのヤジは聞こえなかった」としているそうだが、最初はヤジ自体を否定していた上に、鈴木都議が名乗り出て、「早く結婚した方がいいんじゃないか」とヤジを飛ばしたことを認めたものの、NHKの今回の音声分析で判明した「とりあえず結婚」というヤジは認めていないのだから、仲間意識で庇っているのだろうが、自民党の言うことは信用できない。

 安倍晋三が通常国会閉会を受けた各党への挨拶まわりでみんなの党控室を訪れた際、浅尾慶一郎みんなの党代表に、「都議会の方で、色々とご迷惑をおかけしました」(NHK NEWS WEB)と陳謝したという。

 例えヤジが鈴木都議の「早く結婚した方がいいんじゃないか」と 別の男性都議の「とりあえず結婚」だけであったとしても、妊娠や出産等に関する子育て支援策についての都の取り組みに関する質問中のことである以上、質問テーマの妊娠・出産と、あるいは子育てまで含めて、塩村都議が35歳で結婚していないことを関連付けたヤジであって、彼ら都議にしたら、35歳で結婚適齢期を過ぎていると見ていたからこそできたのだろう、結婚適齢期を過ぎて未婚である女性を社会的存在として(あるいは社会人として)否定する発想がなければできないヤジであったはずだ。

 いわばそのヤジが塩村都議に向けたものであっても、塩村都議一人に向けたものだとすることはできない。女性都議と同じような状況に置かれている世の女性全般を社会的存在として同時に否定していたのであり、女性全般の社会人としての役割を未婚・既婚で価値づけてもいたのである。

 社会人としての価値が未婚・既婚で決まるわけでもないにも関わらず、男の側の女性に対する未婚・既婚を基準とした社会人としての価値づけは明らかに女性差別を意味していて、差別は女性蔑視を必然的に伴う。

 結婚適齢期を過ぎていながら結婚していない女性を蔑む気持がなければ、妊娠や出産に関わる質問中に「早く結婚した方がいいんじゃないか」といったヤジは飛ばすことはできなかったろうし、このヤジを受けて、「とりあえず結婚」といったヤジで以て追随することはできなかったはずだ。

 自民党都議のみんなの党女性都議に対するヤジが女性都議一人にとどまらず、女性都議と同じような状況に置かれている世の女性全般に向けられることになる女性差別・女性蔑視の差別である以上、塩村都議一人に謝罪して済ますことはできない問題であり、あるいは浅尾慶一郎みんなの党代表に謝罪して片付けていい事柄ではない。

 にも関わらず、安倍晋三は通常国会閉会を受けた各党への挨拶まわりのついでに浅尾代表に謝罪したものの、自民党都議のヤジが同じような状況にある女性全般に向けられたヤジでもあるからと世の女性に向けて謝罪はしていない。

 今後謝罪するかもしれないが、国民の信託を受けて国政を担っている立場上、浅尾代表に謝罪する前に謝罪しなければならないはずだ。そうしないということは、自民党都議のヤジの本質を理解していないことになる。

 6月24日、安倍晋三は首相官邸で榊原経団連会長、小林経済同友会副代表幹事、三村日本商工会議所会頭と会談、「女性の活躍」を促進する取り組みについて意見交換したと、《首相 女性登用へ行動計画策定を要請》NHK NEWS WEB/2014年6月24日 17時35分)が伝えていた。

 安倍晋三「最大の潜在力である女性のさらなる活躍の促進に向けて取り組みを強化することは、成長戦略の中核だ」

 記事は、〈2020年までに指導的な地位の3割を女性が占める目標を達成するため、各企業が女性の登用の目標を盛り込んだ行動計画を策定することや、有価証券報告書に女性役員の割合を記載するなど積極的に情報を開示することなどを要請し〉したと解説している。

 要するに女性の活躍の促進と活躍の場の拡大を企業界に訴えた。

 だが、安倍晋三が自民党都議のヤジの本質を理解していないということは、ヤジが女性の人権や人格、さらには女性の尊厳に関わる問題でありながら、そのことを理解していないということでもあり、理解していないままに女性の活躍の促進と活躍の場の拡大を訴えたことになる。

 と言うことは、女性の人権や人格の尊重に立った、あるいは女性の尊厳を尊重する立場からの女性の活躍の促進と活躍の場の拡大ではなく、前々から言っていることだが、単に不足する労働力確保を目的とした、あるいは経済好転を目的とした女性の必要性が実態といった女性の活躍の促進と活躍の場の拡大ということになる。

 安倍晋三の内なる政治上の女性とはこの程度のことなのだろう。果たしてヤジに関して世の女性全般に謝罪せずに済ませてしまうのだろうか。

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