沖縄米軍飛行事故・運行停止・再開・事故の繰返し常態化の根本的解決法は普天間の県外・国外移転とその理由

2018-01-15 09:22:56 | 政治

 2017年12月7日、米軍普天間飛行場所属の大型輸送ヘリコプターCH53がアメリカ軍機の飛行ルートになっている沖縄県宜野湾市保育園屋根に高さ9.5センチ、直径7.5センチ、厚さ8ミリ、重さ213グラムの筒状のプラスチック製、「U・S」名入りの「回転翼の損傷を検知する装置を保護するカバー」を落下させたと思ったら、たった6日後の12月13日、同じく普天間所属の大型輸送ヘリコプターCH53が飛び立ったばかりの距離にある 沖縄県宜野湾市の普天間第二小学校の校庭に約90センチ四方のアルミ製の窓枠を落下させ、校庭で体育の授業を受けていた男児1人が落下時に撥ねた石が飛んできて手に軽い怪我をした。

 窓枠自体が児童の誰かに直撃しなかったことは偶然に過ぎない。直撃するのも偶然、直撃しないのも偶然と言うことは防ぎようがない、いわば前以っての危機管理が無効ということになって、これ程不安なことはない。

 前者の保護カバーの場合は米軍側は離陸前に全て取り外して全数保管しているから、米軍の物ではないと報告、ネット上では保育園側の自作自演のデマではないかと疑う情報が飛び交った。

 後者の窓枠落下事故の場合は、「機体の構造上の問題は確認されず、パイロットが決められた手順を守らなかったことによる人為的なミスが原因。乗員や整備員らに対して教育を行うなど再発防止策が取られた」として落下から6日後の12月19日午後に訓練を再開した。

 ところが窓枠落下事故から1カ月も経たない翌年1月6日、普天間基地所属のUH1ヘリコプターが沖縄県うるま市伊計島の砂浜に不時着した。沖縄防衛局は「テールローター(後部回転翼)のギアボックスで微少な電気的事象をセンサーが検知、警告灯が点灯したために予防着陸を行った」と説明したとマスコミは伝えている。

 要するに人家不在の着陸場所を選ぶだけの時間的余裕はあった。だが、米軍は不時着ヘリを不時着から2日後の1月8日にCH53大型輸送ヘリで吊り上げて現場から撤去している。

 つまり自力飛行できない状態となっていた。と言うことは、人家不在の着陸場所を選ぶだけの時間的余裕にしても、たまたま見つけたといった偶然の可能性は否定できない。人家密集地帯でエンジンや計器等に不調を来たして長時間の飛行不可能の判断のもと、人家不在の着陸場所を探したとしても、そこまで辿り着くことができない偶然も可能性としてはあり得ることになる。

 伊計島では昨年の1月も普天間飛行場所属のAH1攻撃ヘリが農道に不時着するトラブルがあった。農道は人の往来場所である。但しその往来は激しくないから、人的被害を出さない偶然を生み出す確率が高かったと言うことであって、人的被害回避の絶対的保証とはならない。

 いずれにしても特に沖縄では米軍が戦闘機やヘリの飛行事故を起こしては調査のための飛行停止、機体のトラブルではなく人為的ミスだとして程なくして飛行再開、再び事故、飛行停止、短い日数を置いて飛行再開の繰返しが常態化している。

 繰返しの常態化は事故の終わらない状況を示す。政府は普天間基地を辺野古に移設すれば、海上を飛行することになって集落上空は飛行しなくなると辺野古移設の安全性を言っているが、繰返しの常態化解消の絶対的手立てとなるわけではない。単に海上に不時着したり、海上に墜落してもいいとするだけのことになる。

 あるいは海上に機体の付属品を落下させても安全だとするだけのことになる。

 このような考え方は沖縄の陸地上空を飛行せず、陸地周囲の海上のみを飛行することを絶対的ルールとした場合は成り立つが、陸地上空を飛行する場合は繰返しの常態化によって成り立たないことになる。

 なぜこうも沖縄の米軍は飛行事故が多いのだろうか。飛行事故ばかりではない。飲酒運転や自動車事故、性犯罪が終わりのない様相で繰返されている。全てが繰返しの常態化にある。

 面積が日本全体の0.6%に過ぎない沖縄に於ける米軍専用施設は本土は全体の26.1%に対して沖縄は全体の73.9%も占めている。この過密さが事故や犯罪の原因だとしたら、特に普天間基地に集中していることの理由は見い出し不可能となる。

 日本政府は中国や北朝鮮の脅威に対する日本の安全保障に於ける地理的優位性を沖縄に置いている。いわば日本防衛の重要性を沖縄に担わせ、そのために米軍専用施設の70%以上を沖縄に集中させているのだろう。

 当然、日本防衛の主翼を担っているのは沖縄米軍ということになる。そして沖縄米軍の中でも訓練が過酷を極めて常に最前線に投入されてきた最大兵力である海兵隊が日本防衛の矢面に位置しているという誇りを強く持っているはずだ。

 但し沖縄に於ける2大基地、普天間飛行場と嘉手納飛行場の内、海兵隊が所属するのは普天間飛行場のみで、在日米軍基地の中でも岩国飛行場(山口県)と並ぶ有数の海兵隊航空基地と言われている。

 普天間飛行場海兵隊のこのような特殊な地位が彼らの誇りを過剰に自意識させて一種の尊大さに変質させ、そこに隙きが出て事故や犯罪の繰返しの常態化を許すことになっているとしたらどうだろうか。

 このように解釈しなければ、普天間基地所属の飛行機事故や所属兵士の度重なる飲酒事故、性犯罪が集中していることの理由付けは難しい。

 海兵隊が従来は最前線に投入されてきた最も危険で、それゆえに勇猛果敢でなければならない傑出した部隊だとしても、初期の戦術はミサイル攻撃や航空機攻撃に変わっていて、航空母艦群やミサイル艦隊群を敵国近くに如何に短時間で派遣できるかが最重要課題となっていて、海兵隊の最前線への投入はそれらの攻撃後である。

 当然、米海兵隊の沖縄駐留の絶対的理由はもはや見つからない。特に普天間所属の航空機、ヘリの事故や所属海兵隊の犯罪や飲酒事故が多発、繰返しの常態化している実際の原因が彼らの歪んだ自尊心ではなくても、海兵隊の沖縄駐留の理由がもはやないことを考えると、事故や犯罪の芽を摘むためにも普天間基地は辺野古にではなく、県外か国外に移転させるべきだろう。
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