安倍晋三:従軍慰安婦強制連行否定2007年3月16日閣議決定 「政府が発見した資料の中には、軍や官憲がいわゆる強制連行を 直接示すような記述も見当たらなかった」とする “政府発見資料”とは如何なる資料か、公表すべき |
【謝罪】 2018年4月5日付当ブログ記事―安倍晋三が国有地違法格安売却・森本学園決裁文書改竄を指示したと推理することによって多くの辻褄が合う - 『ニッポン情報解読』by手代木恕之で朝日新聞が森友学園国有地格安売却の疑惑事件を取り上げたのは2017年2月14日、国会で取り上げられたのは2017年2月15日の財務金融委員会だと書きましたが、2017年2月9日付の朝日新聞が最初の報道のようです。間違った情報を流したことを謝罪します。 当該朝日記事がまだネットに載っているため、知らないでいる人のために一応リンクを付けておきます。 「学校法人に大阪の国有地売却 価格非公表、近隣の1割か」(2017年2月9日05時03分) |
財務省理財局長太田充が4月11日(2018年)の衆議予算委で立憲民主党の枝野幸男に対して平気でウソをついている。その要所要所を適宜取り上げてみる。
枝野幸男「昨年(2017年)の2月22日、官房長官の所で佐川局長や中村理財局総務課長と打ち合わせに行かれましたね。
そのとき、そのとき、安倍昭恵さんの名前の挙がっているということで説明に行ったわけです。そのときの説明に何を基にして行ったんですか。何らかの情報を持って説明に行かなければ、説明できないはずです。
因みに佐川局長はこの間の証人喚問で佐古田局長から引き継ぎを受けていない、国会で色々と聞かれるので、勉強したと言っておられます。ま、これ勉強のプロセスの一環だったんだろうと思いますが、太田さんも一緒に説明に行ってるんですから、これを共有していたと思うんですが、その勉強をするときに決裁文書は、太田さん、ご覧ならなかったんですか」
太田充「お答え申し上げます。当時その佐川局長、あるいは付いて行った理財局の総務課長、それは基本的には2月の確か9日だったと思いますけど、新聞報道があってから正直に勉強してたという状況でございました。
その中で基本的には一番早いのはやっぱり現地の職員、あの、状況を聞くことをするんで、それを担当の課の者が聞いて、それを聞いてたという状況だと思っております」
対して枝野幸男は「メモ取りの中堅若手のスタッフ連れて行かなかったのか」と聞き、対して太田充は「連れて行かなかった、誰もメモを取っていなかった」と答弁、枝野幸男は「誰もメモを取らない、メモを取るための人も連れていかないなんてことはあり得ない」などと応じて、誰もメモを取らなかったことの不自然な対応不備を印象づけている。
枝野幸男は「佐川局長はこの間の証人喚問で佐古田局長から引き継ぎを受けていない、国会で色々と聞かれるので、勉強したと言っておられます」と言っている。これは2018年3月27日午前中の参院予算委・証人喚問で佐川宣寿の答弁に基づいた発言であろう。
丸川珠代が決裁文書から安倍昭恵の名前を削除した理由を聞かれて、佐川宣寿は「書き換え前の決裁文書に関わる話全般」についてのことになるからと答弁拒否。丸川珠代が次いで安倍晋三と安倍昭恵の国有地売却貸付け・売却への関わりを質問すると次のように答弁している。
佐川宣寿「私が昨年、勉強して、ずっと一連の書類を読んで、国会で答弁させて頂いた中で言えば、総理も総理夫人の影響もありませんでした」――
この「ずっと一連の書類を読んで」と言っている「一連の書類」とは貸付け・売却の事実経緯を記載した決裁文書以外にない。佐川自身の国会答弁も安倍晋三や麻生太郎の政府国会答弁も対森友学園国有地売却を記した決裁文書をベースにして組み立てられる。
当然、朝日新聞が2017年2月9日に森友疑惑の発端となる報道を行い、その報道の事実関係を尋ねるためと事実関係に対応するためにだろう、同じ2017年2月9日に官房長官の菅義偉から内閣府に当時の佐川理財局長、理財局総務課長と当時理財局官房総括審議官だった太田充が呼びつけられた。
事実経緯を記した決裁文書に少なくとも目を通していなければ説明はできないはずだ。太田充は「基本的には一番早いのはやっぱり現地の職員、あの、状況を聞くことをする」と言っているが、現地の職員にしても決裁文書に目を通していなければ、間違いのない事実経緯を説明できないはずだ。
例えその時点で太田充が決裁文書に目を通していなかったとしても、佐川宣寿は国有地売却に関わる責任者として、現地職員は状況の説明を成り立たせるために目を通していたはずだし、目を通していなければならなかったはずだから、決裁文書に基づいた菅義偉に対する説明という形式を取らなければならないはずだが、太田充はその点に触れていない。決裁文書について隠しているとしか見えない。
内閣府で交わされた会話の事実通りの答弁ではなく、そこに何らかのウソを混じえざるを得ない状況にあるから、枝野幸男に「その勉強をするときに決裁文書は、太田さん、ご覧ならなかったんですか」と聞かれて、「決裁文書」について直接口にすることができなかった疑いが出てくる。
太田充は菅義偉への説明について次のように答弁している。
太田充「あの、基本的に国会で議論が始まって、最初の頃っていうか、まあ、一番であれでしたので、経緯、あるいは、その積算なり、積算は大きい分8.2億円ということですので、それを公共事業の積算基準というような話でございました」
枝野幸男「今8億円の値引きの話を説明したと仰っていましたが、その説明をしていたら、昨年2月22日です。その二日前に2月20日に『トラックがたくさんあって、おカネがかかったんだ』という口裏合わせを申し出をしていたんです。
つまりこの時点で学校建設するのにトラック何十台分、何百台分?何千台分、ものゴミを運び出す必要はなかった、運び出していなかった。だから口裏合わせをしなきゃいけなかった。
つまり8億円値引きするような根拠になるゴミはないと分かってたんですよね」
太田充「お答え申し上げます。8.2億円の積算というのは国土交通省大阪航空局に於いて積算をしたもの。で、8.2億円は土地の価格を評価をするのに地下埋設物がいくらあるかということで評価をして、その地下埋設物の(撤去・処分の)額を計算したものです。
一方で、8.2億円分全部撤去するかどうか、全部撤去すれば、その瞬間にリスクは全てなくなります。ただ、それはその分時間もかかるし、手間もかかる。
一方で残しておけば、その分、時間も手間も節約できるかもしれない。ただ将来的なリスクは残る。あるいは風評被害なことも起こるかもしれない。それは買った側の先方森友学園の判断ということでございますので、それを全部撤去したかどうかということと8.2億円の積算の根拠が適正かどうかということは必ずも結びついていないんですが、当時の答弁、必ずしも正直に申し上げて、そこまで十分に勉強ができていなくて、その十分勉強できてない答弁から、このような事態を引き起こしてしまったということだと反省をしております」
あるいは次のように答弁している。
太田充「土地の評価としてそう評価をしたわけですが、委員の仰れるとおり、それを全部取り出してなければ、それは将来的に建物影響があるかもしれないし、委員が仰るように最大の問題は将来ゴミが地下から、あるいはどっかの形で見えるような状況になったときに親御さん、あるいは児童生徒の方、批判は物凄く大きくなります。
そういう意味で物凄く大きいリスクを抱えることになるんで、学校経営として、それが適切だったかどうかというのは大変問題だと思いますが、少なくとも買った上で遣り方は先方の判断ということだと思っております」
これは明らかにウソそのものの答弁となっている。「全部取り出してなければ、それは将来的に建物影響があるかもしれない」土地であるが事実であるなら、8.2億円分を使って、その分のゴミが最初からあったならの話だが、全面撤去して建物への将来的な影響を除去してから小学校の建設に取り掛かるだろう。
当然、2018年4月4日付「NHK NEWS WEB」記事が報じた、財務省職員が2017年2月に学園側に対して「トラックを何千台も使ってごみを撤去したと言ってほしい」などと、さも見積もりどおりのゴミが存在していたかのように見せかける口裏合わせのメールを送る必要も必然性もなくなる。
対して枝野幸男の反応。
枝野幸男「あの、今日は文科大臣、呼んでいないんですか。『先方の判断』だと、そんな所に設立を認可している?という話ですからね、今度は。政府全体からすれば。
将来ね、校庭からゴミが出てくる?地下9メートルのゴミが。そういう恐れがあるから、だから、安くした?そんな子供騙しみたいな話、やめましょうよ、太田さん。太田さんの折角の高い能力が勿体ないでしょ、こんな話。こんな辻褄合わせに使っているというのは」
枝野幸男は8.2億円の問題はこれで切り上げて、別の質問に移っている。
もし太田充が言うように8.2億円分の地下埋設物(ゴミ)に対してそれをどう処分するかは森友学園側の判断で、このことが正当・適正な契約だとすると、このような契約内容――地下埋設物の撤去・処分は森友学園側の判断になっていますを契約内容とした文言を決裁文書に記載しておかなければならない。
「公文書管理法 第4条」は次のように規定している。文飾は当方。
〈行政機関の職員は、第1条の目的の達成に資するため、当該行政機関における経緯も含めた意思決定に至る過程並びに当該行政機関の事務及び事業の実績を合理的に跡付け、又は検証することができるよう、処理に係る事案が軽微なものである場合を除き、次に掲げる事項その他の事項について、文書を作成しなければならない。〉
要するに〈経緯も含めた意思決定に至る過程並びに事務及び事業の実績を合理的に跡付け、検証できるようにする文書を作成しなければならない。〉
断るまでもなく決裁文書への記載は公文書管理法に則る。
公開された改竄前の決裁文書にこの判断が記載されていたなら、枝野はこのような質問はしないし、決裁文書に書いてある契約内容自体の適・不適を問題にしただろうし、太田充の答弁にしても、このような内容にはならなかっただろう。
要するに枝野幸男は「そのような契約内容を決裁文書に書いたんですか」ということを問題にしなければならなかった。問題にしたら、実際には書いてないのだから、太田充はウソの理由を付けて書かなかったと答弁せざるを得ないだろう。
どうウソの理由を付けようとも、そのウソから書くことができなかった事情を追及しなければならない。
決裁文書に書いてなかった、書かなかった以上、太田充のやれ「風評被害」だ、「全部取り出してなければ、それは将来的に建物影響があるかもしれない」だは虚偽答弁以外の何ものでもない。
これがウソである証拠を挙げる。
2016年に築地市場移転先の豊洲市場で設計図と異なる地下室が設置されていて、そこに地下汚染水が湧いていたことが問題になったときの2016年9月30付「ブログ」に〈建物の支えに何本ものコンクリートパイルを土中に打ち込み、地表近くのパイルの頭を固定するためにその頭を埋め込む形で鉄筋を配した1メートル前後の厚さの基礎コンクリートを打設するだけだから、少なくとも3メートル前後は埋め戻して地固めしていなければ、パイルを打設するたびに地下水が打設の振動で浮き上がってきて、汚染水を周囲に撒き散らすことになる。〉と書いたが、要するに建築物を支えるのは杭とその杭と一体となった建物基礎であって、土そのものではないということである。
また、2018年2月5日の当「ブログ」にも同じようなことを書いている。
森友学園小学校建設用地が、〈例えゴミ混入率が47.1%であったとしても、杭を打ち込むことさえできれば、“撤去・処理”の必要はなく、地中にゴミが残ることになっても、それは放置される。杭が建築物本体を支えるのであって、杭の間に残されることになるゴミは本体を支えるのに何ら障害とはならないからである。〉――
より確実な説明とするためにネット上から探した画像を載せておく。
「基礎」と横文字で大きく書いてある場所がコンクリート打設の建物基礎であって、杭自体は支持層と呼ばれる硬い地盤か、ときには岩盤に届くまで打ち込んで、杭が下がるのを防ぐと当時に杭の頭は建物基礎の中に入れて、それと一体化することによって建物基礎全体で杭の頭が左右に触れることも、あるいは上に突き上げたり沈んだりすることも防ぐ構造となっている。杭の周囲の地盤が弱ければ、建物基礎の厚みを増やして、杭をより強固に固める。
また、地下埋設物が地表近くにまで混入している場合は、1~2メートル敷地全面を掘削してゴミのない土と入れ替え、その土をローラー等の重機で付き固めて、1~2メートル以下に存在する地中のゴミが入れ替えた土の下面から上に出ないように工事を行うのが一般的である。
以上のことから、太田充のやれ「風評被害」だ、「全部取り出してなければ、それは将来的に建物影響があるかもしれない」だ、「最大の問題は将来ゴミが地下から、あるいはどっかの形で見えるような状況になる」だ、そうなったとき、「父兄、児童生徒からの批判は物凄く大きくなる」だは、「トラックを何千台も使ってごみを撤去したと言ってほしい」という内容のメールを財務省職員が森友の弁護士と近畿財務局に対して送ったのは、実際にはなかったゴミの量をあったことに見せかける口裏合わせであるにも関わらず、口裏合わせではないと誤魔化す一世一代のウソ・デタラメに過ぎない。
このようなウソ・デタラメを枝野幸男は完全には見抜くことができなかった。少なくとも太田充がゴミをどう処理するかは森友学園側であると発言したことに対してそれを契約の形に持っていって決裁文書に残したかどうかの問題点があることは見抜かなければならなかった。