■初詣は大豊神社で
今年の干支は鼠。神社などでは初詣の参拝者へ、鼠の置物や絵馬などを用意しているとの事だがもう少し一歩進んだ干支の初詣がしたい、という方のための今回の掲載。
ここ京都には、今年の干支である鼠が狛犬ならぬ狛鼠として参拝者を迎える神社がある。
名を大豊神社といい、創建は9世紀までさかのぼり、御旅所もある立派な神社である。鼠の石造ではなく、ちゃんと、狛鼠として置かれており、お稲荷さんの御狐様ならぬ、御鼠様、といった印象であろうか。
大豊神社は、少彦名命、応神天皇、菅原道真を祀っており、887年に宇多天皇の病気平癒のために建立された勅願社である。
朝廷の信仰を集めた大豊神社であったが、応仁の乱や建武の乱により本殿、拝殿、絵馬堂などが消失し、後世再建されて今日に至る。
大豊神社は、銀閣寺や法全院に程近く、今日では、鹿ケ谷や南禅寺一体の土産神としての信仰を集めている。
上の写真の道標は、哲学の道に立てられており、歴史街道というべき哲学の道に沿って、大豊神社の他様々な史跡名勝が点在している。
大豊神社。冒頭に掲載した写真は御旅所の近くの鳥居で、こちらが大豊神社の本殿にいたる鳥居である。ここら辺、普通の狛犬も置かれており興味深い。
大豊神社では神花として、椿や枝垂れ梅、紫陽花などが境内に植えられている。広くはないが、山の麓に佇む神社という印象。
大豊神社の狛鼠。日吉神社の狛猿、愛宕神社の狛鳶はそれぞれ、神の使いとして有名であるが、大豊神社の狛鼠も神の使いである。
対になった狛鼠は、珠を抱いた姿と巻物を手にした姿、どころなくユーモラスな表情に心が和む。
創建の由来からもわかるように、無病息災、そして学問成就、さらに縁結びなどのご利益があるといわれている。
今回の写真を撮影したのは11月、したがって、紅葉などは完全に終わってしまっているが、最も今年らしい初詣先として、京都大豊神社へ、皆さんも足を運ばれてみては如何だろうか。
HARUNA
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