大津駐屯地創設記念行事、この他、大久保とか厚木とか、金沢とかいろいろ掲載予定、でも下志津駐屯地祭の訓練展示、載せたっけ?03式中SAMの装備品展示はまだ載せてないような、で、舞鶴と呉の展示訓練に、小松と岐阜と浜松の航空祭、横須賀の空母・・・。
さて、本日も昨日に引き続き、大津駐屯地祭。訓練展示は模擬戦が仮設敵陣地に我が普通科部隊が突入して掃討、奪還して状況終了となった。一仕事終えた精悍な顔つきの隊員が重火器を手に完全装備で戻ってくる。身に着けているのは小銃弾も防ぐというプレートが内蔵された戦闘防弾チョッキ2型。遠からず腕や下腹部も覆う型が出るのではなかろうか。
訓練展示に参加した姫路のFH-70榴弾砲が自走してグラウンドを走る。これは装備品展示の位置に移動する為の移動である。大津駐屯地祭は新隊員の父母が多く観覧するとあって、陸上自衛隊の駐屯地祭は初めて!というか、大砲を見るのも初めて、という方も多いようで、訓練展示の空包発射には相当驚かれるようだ。
装備品展示への車両移動と同時に、小生と、このとき大津で初めて知り合った金沢の三日月猫氏、桂や先日の府警視閲式でお世話になったH氏とともに琵琶湖体験航海受付、なるものに走っていった。救命胴衣の説明を受け、一行は施設科装備である軽徒橋の上を渡河ボートへ向かった。この軽徒橋は、河川に敷設し迅速に徒歩部隊を渡河させる装備である。駐屯地祭では中々見れない装備の一つといえる。
渡河ボート上にて琵琶湖から眺める大津市。考えてみれば、渡河ボートも師団や施設科部隊の駐屯地ではトラックに積まれ観閲行進に参加するが、実際に乗ることが出来るのは、大久保駐屯地など渡河訓練用の池がある駐屯地くらいであり、この琵琶湖クルーズというのは貴重な体験である。部隊でも、一般の人を体験試乗させることで災害派遣における運用のノウハウを、という狙いがあったりするのだろうか。
渡河ボート体験試乗の様子を駐屯地から撮影。ちなみに、昨年度の大津駐屯地祭では、渡河ボート数隻を導板で繋ぎ、艀のようにして高機動車を琵琶湖上に待機、訓練展示において仮設敵陣地の後方に強襲上陸し普通科部隊を展開させるという展示が為されていた。一般席、招待席双方から死角だったので、気付いた方は少なかったようだが今年度は、渡河ボートをこういった方法で公開していた訳だ。
琵琶湖畔の装備品展示。そもそも大津駐屯地は海軍航空隊の水上機部隊の基地として運用されていた歴史があり、琵琶湖に面している。そういう理由から、装備品展示会場のすぐ隣が琵琶湖ということもあって、一種、不思議な情景を醸しだしている。写真は信太山駐屯地の第37普通科連隊から式典に参加した82式指揮通信車。
大津駐屯地は、琵琶湖と比叡の峰々に囲まれた風光明媚な駐屯地である。長い砲身のFH-70榴弾砲は先ほど、訓練展示後に移動していた砲である。一般公開となると子供たちがよじ登り、ジャングルジムのようなほのぼのとした印象。ちなみに空包を発射したので、このあと砲身内の錆の原因となる火薬の残滓を除去する清掃作業を行わねばならない。
手前の小型の砲のようなものが120㍉重迫撃砲RT,そして軽装甲機動車、第3戦車大隊の部隊マークである紅い獅子のマークが描かれた車両が96式装輪装甲車。その向こうで天に向けられている箱型のランチャーが、湖北の饗庭野分屯基地から参加した航空自衛隊第12高射隊の地対空誘導弾、ペトリオットミサイル発射機である。
グラウンドには、観閲行進における祝賀飛行に飛来した第5対戦車ヘリコプター隊の対戦車ヘリコプターAH-1S.三重県の明野駐屯地から参加した中部方面隊唯一の空中打撃部隊である。暗視装置により昼夜問わず低空から戦車部隊や後方陣地に襲い掛かり、機関砲、対戦車ミサイル、ロケット弾を駆使して目標を無力化するヘリコプターである。
コックピットも撮影してよいとのことだったのでみてみると、1㍍以下という細身の機体に戦闘に必要な機材が盛り込まれているといった印象。現在、新型のAH-64Dに機種転換中だが、高価過ぎるのと運用上、生産設備の理由から調達打ち切りの話が出ており、AH-1Sの後継機がどうなるのかについて関心を集めている。
大津駐屯地の保存地区。手前から74式戦車、F-1支援戦闘機、F-86D夜間戦闘機、その向こうに砲身だけ覗かせている61式戦車、そして一番奥の建物が資料館である。何故、ここにF-1支援戦闘機が展示されているか、驚いてしまったが、ここが旧海軍航空隊の施設であったことと関係があるのだろうか。
装備品展示番外編。国連平和維持活動仕様(?)のリヤカー。よくみるとこの駐屯地に駐屯している共通教育中隊の部隊名が書かれている。しかし、UN,とも。これも国際化の表れに他なるまい、と余り深く考えず理解した。でも、なんでだろ。
さて、以上が大津駐屯地祭の顛末である。駐屯地祭は毎年五月の中旬から下旬、JR京都駅から湖西線の乗り換えて西大津駅からシャトルバス利用。中部方面隊最大規模の徒歩観閲行進と日本最大の湖、琵琶湖を活かした展示が名物である。
HARUNA
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