■訃報:水野晴郎さんが死去
映画評論家として有名な水野晴郎氏が10日、肝不全の為亡くなっていたことが報じられている。享年は76歳。映画評論家の代名詞というべき淀川長治氏の没後十年にあたる本年、素晴しい映画への水先案内人がまた一人。ご冥福をお祈りいたします。
「史上最大の作戦」「007危機一発」などの邦題とともに配給に関わったことでも知られる水野晴郎氏。岡山県に生まれ満州で育った同氏は慶應義塾大学卒業後、20世紀フォックスに入社。日本ユナイト映画に移った後は宣伝総支配人を務め、のちに映画評論家として独立。1972年から1997年までの間、“金曜ロードショー”の映画解説を担当。実に1200回もの解説とともに、最後に語る「いやぁ、映画って本当にいいものですね」は、多くの人を映画の魅力や映画館に誘った名言といえる。
水野晴郎氏は映画評論を超えて映画製作にも進出しており、映画に山下奉文将軍役として出演したことをきっかけに1996年より始まった“シベリア超特急”はシリーズ化、山下奉文将軍が乗り合わせたシベリア鉄道の特急を舞台とした作品において監督、脚本、主役をこなし、低予算ながら多くのファンを獲得した。“シベリア超特急6”の制作予定もあったが、残念ながら本人による実現はかなわなくなった。
HARUNA