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【G3X撮影速報】富士学校開校70周年富士駐屯地祭(8)本州で戦車を視られる例外的な場所(2024-07-21)

2025-02-15 20:24:32 | 陸海空自衛隊関連行事詳報
■富校70周年祭
 富士学校開校70周年も今回でいよいよ最終回です。

 富士学校記念行事はこうして訓練展示まで終了しました。機動戦闘車が戦車を置き換える流れが加速するとともに、今後更に自衛隊の戦車を見ることは、九州の例外的な駐屯地と北海道以外では難しく、こと本州では、更に難しく。

 本州で戦車を見られるのは、富士学校と、駒門と、あとは滝ヶ原は来るのでしょうか、武器学校でもみられるかもしれませんが、あちらは教材としてですので戦車をみようとすると、本州では非常に難しくなるということ。

 機動戦闘車、装輪式ではなく装軌式の機動戦闘車、戦闘重量をアメリカのM-10ブッカー機動砲の40t程度に抑えた装備を開発してくれるならば、戦車の代わりになるのはもしれないとは思う。増加装甲をつけると45tくらいで。

 戦車というものの重要性を考えるのは、この装備が全くの専守防衛用の、つまり上陸してきた敵を踏み潰すという、上陸されなければ使わないという、日本の憲法と合致する専守防衛に適合した装備であるためなのですが。

 反撃能力整備というもので代替できるのかと云えば、もちろん、日本が国民の支持を受けて通常兵器以上のものを持つ覚悟があれば、軍事合理性には合致するかもしれないと、理解は示すのですが、実際にはこの措置は理外だ。

 限定戦争と全面戦争というものがあり、キタチョウセンのように意気軒昂に、わが領土をイチミリでも侵すならば全面的で無慈悲かつ非情な全面戦争に云々、となるのでしょう、それは全面戦争の口実を探すかブラフでしかない。

 島嶼部防衛など、日本が想定するのは東京の国家指揮中枢が蒸発するか否かという全面戦争では無く、領土の末端で生じる地域紛争です。反撃能力は、北海道や沖縄の方には悪いですが、離島攻撃の反撃に北京やモスクワを叩くのは。

 全面戦争の口実を探すならば、つまり先に相手国の首都を叩くための平和以上にブッシュ政権のような自衛権の先制公使という論理ならばあり得るのかもしれませんが、まさかそんなアイクの大量報復戦略を今行えるわけも無い。

 戦車はそういった意味で、限定戦争に対しての抑止力であり、また、戦争の本質である、ひとの服従の強要、という概念を理解するならば、有事に際して民心を安定させるために、陸上の防衛の頑強盤石を具現化する手段ともいえる。

 海軍を持たない国家はあっても陸軍を持たない国家はない点がこの現実を端的に示している。また、日本は人口増加が大きく人命を潤沢に消費できる、現実などは異世界の話で、少子高齢化という現実をみなければなりません。

 戦車部隊というものは、専守防衛という国情と、少子高齢化という現実と、限定戦争への抑止力という概念と、こうした諸々のものに適合する装備体系であるという点から、減らしすぎている現状には、危機感を覚えるのですね。

 戦車、こうした装備品と共に陸上防衛というものを間近に感じられる、また今や多くの情報が行きかっていますので、こうしたなかで我が国陸上防衛力の位置づけをもう少し考えられる場所が増えれば、と思うのです。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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