◆日米共同統合演習広報写真より
海上自衛隊の護衛艦ひゅうが、昨日には某映画の宣伝を兼ねた番組に登場し、ブルーインパルスに続くDDHブーム来るか!?、という活況でした。
さて、同じく昨日Weblog北大路機関では日米共同統合演習が開始された、という内容の記事を紹介しましたが十二月三日付の海上自衛隊HP更新に日米共同統合演習に関する写真広報の特設頁がニュース・イベント情報としてUPされていました。http://www.mod.go.jp/msdf/formal/operation/22ftx.html
このなかに“出番を待つヘリコプター”として艦内の格納庫を写した一枚があるのですが、格納庫を俯瞰できる位置より撮影したもので手前にSH-60J,SH-60KそしてSH-60Jと三機並んでいて、奥の方にもSH-60J/Kが三機並んでいる合計六機が格納されているという一枚がありました。艦内格納庫には整備スペースがあり、全体ではもう少し搭載できるという事になります。
ひゅうが型護衛艦の格納庫には一体何機のヘリコプターを収容できるのか、という事は様々な事が言われていまして、当方が知らないだけで既に6機が収容されている写真も公開されていたのかもしれませんが、公開されている図表ではMH-53が一機後部に配置され、前部にSH-60Kが二機配置されているというものでしたので、建造当初は4機搭載といわれ、現在では11機が搭載可能といわれているとの話もあります。
全ての航空機を格納庫に搭載する方式で旧日本海軍は航空母艦を運用していましたが、米海軍を始めフランス海軍の空母やイギリス海軍やスペイン海軍の軽空母は甲板上にも航空機を係留して運用しています。すると、甲板上を含めて最大何機程度の航空機を運用できるのか、という事は一つの大きな関心事となり得たのですが、格納庫部分だけで6機、という数字が今回出された訳です。
このほかに整備区画がありまして、ここではSH60J/Kがローターを広げての整備作業が行えるとされています。多少の無理を込めばここにも2機の収容は可能となりますので、少なくとも8機のヘリコプターを艦内に収容できる、ということになるわけですね。すると、11機、という数はかなり現実的に考えられる訳です。
飛行甲板に係留できる機数は不明で、少なくとも後部には艦対空ミサイルを収めたVLSが配置されていますから、火気厳禁の航空機を配置することは、例えば経空脅威を想定しなくてよい災害派遣などを除けば考えられないのですが、前部の艦橋前部分には配置する余地があります。
搭載機数は、話が飛躍、と言われるかもしれませんが仮に海上自衛隊がF-35Bのような航空機を導入した際に、ひゅうが型で充分運用可能なのか、という話にも繋がります。イギリス海軍の軽空母は平時のAV-8搭載機数を5機、としていましたので、海上自衛隊が一個護衛隊当たりに必要なヘリコプター定数をもって余裕のある機数が5機を超えていれば、能力的に、ひゅうが型はF-35Bの潜在運用能力を、という話も可能となってきますから、そうした視点で6機、という数字を見てみますと、この重要性が理解できるようにも、と思った次第。
HARUNA
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