◆非常任理事国日本はどう緊急安保理に臨むか
時事通信によれば北朝鮮の延坪島砲撃事案以来緊張が続く朝鮮半島情勢に対応するべく国連安全保障理事会が緊急会合を開催することが決定したとのことです。
国連安保理が緊急会合へ=朝鮮半島情勢で-ロシア通信社・・・ 【モスクワ時事】タス通信は18日、国連ロシア代表部の話として、国連安保理が同日、朝鮮半島情勢をめぐる緊急会合を開催すると伝えた。 緊急会合開催はロシアが提案したもので、同日午後に開かれる見通しという。(2010/12/19-01:14)http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2010121900009◆
ロシア沿海州は北朝鮮北部と隣接しており、北朝鮮での核による何らかの事故や大気圏内に核実験の影響が生じた場合には影響が生じるという位置にあり、加えて朝鮮半島有事に際しては難民発生や米韓軍の大規模行動も考えられることから、この地域での安全保障情勢については強い関心を持っています。今回、ロシアが強く安保理開催を要求した背景には推測の域を出るものではありませんが、必然性があってのことでしょう。
元来から日本は朝鮮半島情勢については、強い影響を受ける位置にありながらも、有事の際にはアメリカを支援するという立場のみを明確にしているだけで、果たして、状況が悪化したと仮定した場合の準備があまり見えてきません。情報収集を行い、沿岸の警戒態勢を強化する、という事までは行えるのですが、これで不充分な緊張状況が生じた場合はどうするのか。
例えば拉致問題解決を第一に北朝鮮政策を展開してきている日本政府なのですが、有事の際にも拉致問題を第一に掲げて交渉を試みるのか、また、在日米軍基地の防衛や弾道ミサイルとゲリラコマンドー対処をどう行うのか、在外邦人の輸送計画は、かつて自民党政権時代に北朝鮮が弾道ミサイル実験や核実験を強行した場合には防衛面と外交面で充分な対応が出来ましたが、与党が主体的に行動を行った結果であり、言い換えれば今回も主体的な行動を行わなければ結果は伴いません。
2010年12月31日まで、日本は国連安保理の非常任理事国として、オーストリア、トルコ、メキシコ、トルコとともに実質的な権限はありませんが参画することが可能です、言い換えれば来年一月から非常任理事国では無くなり、当事国でもない日本の位置づけはかわってきます。拉致問題により六カ国協議を推進することが難しい立場の日本としては、ロシアに先んじて主導権を求めるべきとも考えたのですが、少なくとも今後国連の場では一貫した意思のもとで交渉を行えるよう、意見集約と議論を行うべきでしょう。
HARUNA
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