北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

米主催 バーレーン第二回国際掃海訓練、海上自衛隊より6名派遣へ

2013-04-24 22:09:56 | 防衛・安全保障

◆掃海及び潜水技術向上と多国間交流

 海上幕僚監部によれば海上自衛隊は、5月にバーレーンにて行われる第二回国際掃海訓練へ隊員を派遣するとのこと。

Kuramaimg_8552 この国際掃海訓練は米海軍が主催するもので、原油シーレーンの重要な航路であるホルムズ海峡へのイラン軍による封鎖示唆等を受けて開始されたもの。特に我が国では原子力発電が東日本大震災福島第一原発事故に伴い停止していることから、化石燃料への依存度が増大しており、シーレーンの安全確保の重要性は言うまでもありません。

Mimg_6702 派遣される人員は6名で、掃海艇や航空機の派遣は行われないようです。訓練目的は、掃海及び潜水に関する技術の向上、そして、参加各国との信頼関係の増進で、実施海域はバーレーン及びその周辺海域、海上自衛隊はここでの掃海訓練と潜水訓練に参加すると発表されています。

Aimg_4332 元々この訓練はイギリスとアメリカがバーレーン沖において定期的に実施されていたもので、2011年9月に多国間訓練として海上自衛隊が招かれ、派遣されています。海上自衛隊は1991年の湾岸戦争終戦後におけるイラク敷設機雷掃海国際任務、ガルフドーン作戦へ掃海艇を派遣しましたが、この際、日本製の掃海器具が所要の性能を発揮できなかった、ということがありました。

Img_9246 国産装備の不備、海上自衛隊は第二次大戦中に敷設された大量の機雷処理の実績があったのですが、機雷は第二次大戦後年々進歩を続けており、最新型の機雷に対して、その対処をそもそも想定していなかった国産装備が対応できなかった、こういう構図となっていた、ということ。

Gimg_6772 このため海上自衛隊は急遽フランス製の掃海器具を緊急調達すると共に国産装備の緊急刷新を図り、これにより日本が次の想定脅威に曝されるまでに、幸いにしてこうしたことは生じませんでしたが、新しい時代の機雷に対し対応できる装備を整備するに至りました。そしてその後は、最大限最新装備への情報を収集する枠組みや予算体制が構築されたことは言うまでもありません。

Img_6148_1 また多国間訓練で形成される人的な交流の意義というものも有事や平時、分野の祭を含めても非常に大きく、海上自衛隊の派遣人員規模はそこまで大きくは無い今回の国際掃海訓練ですが、重要な訓練であり、第一回に続いて第二回も派遣している、訓練への派遣です。

北大路機関:はるな 

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