◆四輪駆動軽装甲車案の傍論
信頼される装備が開発され、普及しますと、それを後継として置き換える装備の開発というものは非常に難しいようです。

高機動車とUH-1多用途ヘリコプター、自衛隊の方と話をしてみますと、この二つの装備への絶大な信頼に驚かされるところです。北大路機関では昨年度末から高機動車を置き換える装甲高機動車というべき四輪駆動装甲車というものを提唱していますが、これは聞けば聞くほどに難しい。

高機動車、10名を野戦機動できる汎用車両ですが、これは装甲防御力を欠いてはいるものの、普通科隊員の長距離移動を楽にした立役者として、この移動をどの程度低い疲労度にて行えるかは戦闘加入の際の能力とも直結するものですが、この点を強調するところ。

軽装甲機動車も続いて配備されていますが、やはり装甲車両の四輪式は転覆限界や整備性の問題などで一考の余地はあるようで、加えて96式装輪装甲車に至っては、整備が現実的ではなく、手に負えないというひょうげんが、実態、ということ。

しかし、高機動車は機械化部隊として戦車に随伴する場合は不整地突破能力に限界があり、基本的に降車戦闘を競合地域において想定、地形防御を重視する伝統的な歩兵戦争を行うための車両で、機動戦を念頭に置いた装備ではありません。

近年は従来の航空機からのナパーム攻撃を先進化させ携帯火器などからの運用が可能なサーモバリック弾や、我が国が廃止したものの周辺国のすべてが運用するクラスター弾薬など徒歩歩兵への脅威は非常に高く、装甲化しなければ生き残ることはできないのですが、なかなか高機動車にかわる装備、というものが開発されません。

特に防衛計画の大綱は従来の地形防御に依拠した基盤的防衛力から統合機動防衛力への転換を提唱していますので、陸上戦闘は機械化が求められています。そして、第一線火力の増大と多様化は、生存に装甲車両が必要であると共に、地形防御に依拠する場合でも脅威対象が運動戦を指向する以上、装備体系がこれに対応できる防御力、掩体に秘匿した装甲車を防塁や火力拠点として、塹壕の交通壕にあたる機動力を徒歩機動から装甲車両による機動への転換を行うなど、施策は必要になるでしょう。

すると、必要な装甲車両は相応の高い整備性と軽量で安価ながら十分な防御力と機動力が求められるわけで、これら装備についても信頼性を得るには相応の時間と実際の実用性が必要となります。今年度末も昨年度末同様の特集を予定していますが、傍論として高機動車の後継は高機動車の使いやすさの後継とならなければならない、という視点、重要ですね。
北大路機関:はるな
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
信頼される装備が開発され、普及しますと、それを後継として置き換える装備の開発というものは非常に難しいようです。

高機動車とUH-1多用途ヘリコプター、自衛隊の方と話をしてみますと、この二つの装備への絶大な信頼に驚かされるところです。北大路機関では昨年度末から高機動車を置き換える装甲高機動車というべき四輪駆動装甲車というものを提唱していますが、これは聞けば聞くほどに難しい。

高機動車、10名を野戦機動できる汎用車両ですが、これは装甲防御力を欠いてはいるものの、普通科隊員の長距離移動を楽にした立役者として、この移動をどの程度低い疲労度にて行えるかは戦闘加入の際の能力とも直結するものですが、この点を強調するところ。

軽装甲機動車も続いて配備されていますが、やはり装甲車両の四輪式は転覆限界や整備性の問題などで一考の余地はあるようで、加えて96式装輪装甲車に至っては、整備が現実的ではなく、手に負えないというひょうげんが、実態、ということ。

しかし、高機動車は機械化部隊として戦車に随伴する場合は不整地突破能力に限界があり、基本的に降車戦闘を競合地域において想定、地形防御を重視する伝統的な歩兵戦争を行うための車両で、機動戦を念頭に置いた装備ではありません。

近年は従来の航空機からのナパーム攻撃を先進化させ携帯火器などからの運用が可能なサーモバリック弾や、我が国が廃止したものの周辺国のすべてが運用するクラスター弾薬など徒歩歩兵への脅威は非常に高く、装甲化しなければ生き残ることはできないのですが、なかなか高機動車にかわる装備、というものが開発されません。

特に防衛計画の大綱は従来の地形防御に依拠した基盤的防衛力から統合機動防衛力への転換を提唱していますので、陸上戦闘は機械化が求められています。そして、第一線火力の増大と多様化は、生存に装甲車両が必要であると共に、地形防御に依拠する場合でも脅威対象が運動戦を指向する以上、装備体系がこれに対応できる防御力、掩体に秘匿した装甲車を防塁や火力拠点として、塹壕の交通壕にあたる機動力を徒歩機動から装甲車両による機動への転換を行うなど、施策は必要になるでしょう。

すると、必要な装甲車両は相応の高い整備性と軽量で安価ながら十分な防御力と機動力が求められるわけで、これら装備についても信頼性を得るには相応の時間と実際の実用性が必要となります。今年度末も昨年度末同様の特集を予定していますが、傍論として高機動車の後継は高機動車の使いやすさの後継とならなければならない、という視点、重要ですね。
北大路機関:はるな
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