◆偵察中隊の戦闘能力
偵察中隊について、その編成から今位置に参考となる点を今回も見てゆきましょう。

偵察中隊は中隊本部に三個偵察小隊を隷下に置く編制で、詳細は前回までに記載しましたが、当時の陸上自衛隊普通科部隊は徒歩機動が前提、トラックにより競合地域、つまり的が少数でも存在する地域に隣接する地域まで起動し、其処からトラックを降車、徒歩機動していた時代です。

偵察小隊はその時代に機械化していた点だけでも有力視するに十分なものですが、加えて装備はかなり充実しているものでして、現在の装備に偵察小隊を置き換えますと、軽装甲機動車8両と96式装輪装甲車1両に10式戦車/機動戦闘車2両、偵察中隊の中隊本部は現用装備に置き換えますと、輸送支援用に3t半/73式大型トラックと高機動車を充てる、というところでしょうか。

この編成をみますと、偵察小隊は映画“レマゲン鉄橋”の第27機甲偵察中隊、ジョージシーガル演じるハートマン中尉とベンギャザラ演じる小隊軍曹のエンジェロ軍曹が指揮する先遣小隊の部隊が、装備面から非常によく描かれていることが分かります。物凄い俊敏な印象を見せつけるM-24軽戦車は直協せず、M-8装甲偵察車が出ていましたが、ね。

偵察中隊の装備定数は、ジープ28両・中型トラック2両・2t半トラック3両・M-3半装軌装甲車4両・M-24軽戦車7両・81mm迫撃砲4門、これを現用装備に置き換えた場合、偵察中隊を見ますと、軽装甲機動車/半tトラック28両・高機動車/1t班トラック5両・96式装輪装甲車4両・10式戦車/機動戦闘車戦車7両・81mm迫撃砲4門、となる。

偵察部隊は機甲科に属する、という部分、実は戦車部隊の射撃競技会などでは自衛隊において偵察隊員が機甲科職種である関係上、審判などの公正を期する分野では戦車部隊の参加が多く、他戦車部隊の支援を受けられない方面隊競技会の場合偵察隊員が行う事もあるのですが、偵察隊が機甲科隊員、その背景に元々戦車を偵察小隊が装備していた、ということが挙げられるでしょう。

この編成について、注目すべき点は幾つかありますが、参考点として大きなものは、偵察中隊は人員156名の機械化混成部隊ですが、この小規模な部隊でも火力が大きく、一定程度の戦闘を独力で行える、言い換えれば火力が大きければ人員の規模が少なくとも独立した戦闘を行える、というもの。

偵察は敵勢力の概要を知るもの、敵勢力の有無を知るのは斥候、と用語は分かれています。つまり、斥候の上で発見した敵勢力に対し実際に戦闘を展開する、ということが偵察小隊の任務であり、この為に偵察小隊にその先頭を行き敵勢力の有無を確かめる斥候班を隷下に置いている、ということが分かるところ。

そして偵察中隊は管区隊や混成団の先遣として先頭に立ち、敵勢力との間にて一定の交戦を行い、師団にあたる管区隊及び混成団主力を以ての火力戦闘を行う場合まで、小規模な敵前衛や前哨陣地程度ならば突破する能力を、この156名が装備する火力と車両に含めていた、ということ。
北大路機関:はるな
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偵察中隊について、その編成から今位置に参考となる点を今回も見てゆきましょう。

偵察中隊は中隊本部に三個偵察小隊を隷下に置く編制で、詳細は前回までに記載しましたが、当時の陸上自衛隊普通科部隊は徒歩機動が前提、トラックにより競合地域、つまり的が少数でも存在する地域に隣接する地域まで起動し、其処からトラックを降車、徒歩機動していた時代です。

偵察小隊はその時代に機械化していた点だけでも有力視するに十分なものですが、加えて装備はかなり充実しているものでして、現在の装備に偵察小隊を置き換えますと、軽装甲機動車8両と96式装輪装甲車1両に10式戦車/機動戦闘車2両、偵察中隊の中隊本部は現用装備に置き換えますと、輸送支援用に3t半/73式大型トラックと高機動車を充てる、というところでしょうか。

この編成をみますと、偵察小隊は映画“レマゲン鉄橋”の第27機甲偵察中隊、ジョージシーガル演じるハートマン中尉とベンギャザラ演じる小隊軍曹のエンジェロ軍曹が指揮する先遣小隊の部隊が、装備面から非常によく描かれていることが分かります。物凄い俊敏な印象を見せつけるM-24軽戦車は直協せず、M-8装甲偵察車が出ていましたが、ね。

偵察中隊の装備定数は、ジープ28両・中型トラック2両・2t半トラック3両・M-3半装軌装甲車4両・M-24軽戦車7両・81mm迫撃砲4門、これを現用装備に置き換えた場合、偵察中隊を見ますと、軽装甲機動車/半tトラック28両・高機動車/1t班トラック5両・96式装輪装甲車4両・10式戦車/機動戦闘車戦車7両・81mm迫撃砲4門、となる。

偵察部隊は機甲科に属する、という部分、実は戦車部隊の射撃競技会などでは自衛隊において偵察隊員が機甲科職種である関係上、審判などの公正を期する分野では戦車部隊の参加が多く、他戦車部隊の支援を受けられない方面隊競技会の場合偵察隊員が行う事もあるのですが、偵察隊が機甲科隊員、その背景に元々戦車を偵察小隊が装備していた、ということが挙げられるでしょう。

この編成について、注目すべき点は幾つかありますが、参考点として大きなものは、偵察中隊は人員156名の機械化混成部隊ですが、この小規模な部隊でも火力が大きく、一定程度の戦闘を独力で行える、言い換えれば火力が大きければ人員の規模が少なくとも独立した戦闘を行える、というもの。

偵察は敵勢力の概要を知るもの、敵勢力の有無を知るのは斥候、と用語は分かれています。つまり、斥候の上で発見した敵勢力に対し実際に戦闘を展開する、ということが偵察小隊の任務であり、この為に偵察小隊にその先頭を行き敵勢力の有無を確かめる斥候班を隷下に置いている、ということが分かるところ。

そして偵察中隊は管区隊や混成団の先遣として先頭に立ち、敵勢力との間にて一定の交戦を行い、師団にあたる管区隊及び混成団主力を以ての火力戦闘を行う場合まで、小規模な敵前衛や前哨陣地程度ならば突破する能力を、この156名が装備する火力と車両に含めていた、ということ。
北大路機関:はるな
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