北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

【日曜特集】観艦式2009-守る!この海と未来-【02】東京湾を浦賀水道へ(2009.10.23)

2019-08-18 20:15:22 | 海上自衛隊 催事
■くらま,艦隊進路は太平洋へ
 自衛隊観艦式、第二回は横須賀基地を出航した艦隊が横浜港と東京湾一円の集結地よりの艦隊出航と湾内を太平洋へ向かう様子から。

 くらま、先導する護衛艦いなづま。長浦湾を東京湾へそして浦賀水道へと進みます。観艦式は相模湾で挙行されますが、観艦式参加艦艇は横須賀基地だけでは入りきらず、横浜港と木更津港にも入り、その艦艇が航行する東京湾の情景も観艦式の一部といえましょう。

 平成21年度自衛隊観艦式、天皇陛下御即位20周年奉祝行事としても実施されました。ただ、自民公明連立政権がこの年の衆議院総選挙により民主党連立政権へ後退し、財政再建重視の新政権は防衛費縮小を強く政権公約に掲げた為、観艦式は小規模となりました。

 海上自衛隊創設50周年記念国際観艦式として平成14年度に小泉総理時代に行われた東京湾停泊式観艦式は艦船65隻と航空機11機という規模、森喜朗総理時代の平成12年度自衛隊観艦式では艦船63隻、航空機65機という規模で挙行されています。半分強、という。

 ヘリコプター搭載護衛艦くらま。十年前の観艦式ではありますが、この年は海上自衛隊が初の全通飛行甲板型のヘリコプター搭載護衛艦ひゅうが、を就役させました。そしてそれから十年、海上自衛隊は全通飛行甲板型護衛艦へ全て世代交代を完了、十年の長さは凄い。

 平成18年自衛隊観艦式、安倍晋三内閣総理大臣を護衛艦くらま艦上に観閲官として行った際の規模は艦艇48隻と航空機50機、対して平成21年自衛隊観艦式は艦艇40隻と航空機31機でした。小泉内閣総理大臣時代の平成15年度観艦式は艦艇52隻と航空機53機です。

 くらま。北大路機関は、はるなさん、くらまさん、と創設しましたので護衛艦くらま、には親近感があります。そしてこの年の観艦式、その半年と少し前の2009年3月19日に初のヘリコプター搭載護衛艦はるな、舞鶴基地にて自衛艦旗を返納し退役しているのですね。

 東京湾を往く護衛艦くらま。遠景にはイージス艦ちょうかい、試験艦あすか、の艦影が浮かんで見えます。2009年、考えてみれば東京タワーはあっても東京スカイツリーはまだ完成していません、そして撮影機材もEOS-7DとEOS-50Dの混成で臨んでいる時代です。

 三浦半島を背景に護衛艦くらま雄姿、観艦式は2006年と2009年に2012年と2015年、御縁が在ったのですが驚くなかれ、この四度とも内閣総理大臣座乗の観閲艦は、くらま、が務めています。佐世保基地を母港とする護衛艦ですが海上自衛隊の象徴の様な存在という。

 いなづま。むらさめ型護衛艦5番艦です、むらさめ型はステルス性を備えたシステム艦で9隻が建造、拡大改良型たかなみ型5隻、防空型あきづき型4隻、拡大改良型あさひ2隻と20隻が建造、設計に余裕が在った事から新任務の長期航海と新装備搭載に対応出来ました。

 うらが、掃海母艦が追い越してゆきます。友人が本番の日のこの艦上で荒天下大変な事になる。この観艦式、正確には写真は予行ですが本番の観閲官には首相代理として菅直人副総理がヘリコプター搭載護衛艦くらま、に乗艦艦艇40隻と航空機31機が参加しています。

 自衛艦旗と試験艦あすか。あすか、はこの観艦式に観閲付属部隊として参加しています。そして当方一行が乗艦しています潜水艦救難艦ちはや、も観閲付属部隊に所属していまして、別に競争をしているのではなく観閲付属部隊としての陣形を組もうとしているのです。

 部隊は護衛艦まきなみ(DD-112第3護衛隊群-第3護衛隊),掃海母艦うらが(MST-463掃海隊群直轄艦),潜水艦救難艦ちはや(ASR-403第1潜水隊群直轄)艦),試験艦あすか(ASE-6102開発隊群直轄艦),訓練支援艦てんりゅう(ATS-4203護衛艦隊直轄-第1海上訓練支援隊)という。

 護衛艦いなづま、を海上保安庁巡視船するが、が超越しようとしています。最大速力は巡視船よりも護衛艦の方が早いのですが、するが、は観艦式への参加艦船ではなく実任務への移動中である為、先行しています。いなづま、は観閲部隊の中でも先導艦を務めている。

 観閲部隊編成は先導艦-護衛艦いなづま(DD-105第4護衛隊群第8護衛隊),観閲艦-護衛艦くらま(DDH-144第2護衛隊群第2護衛隊),随伴艦-護衛艦こんごう(DDG-173第1護衛隊群第5護衛隊),随伴艦-護衛艦あぶくま(DE-229護衛艦隊直轄第14護衛隊),という陣容です。

 くらま、上空をSH-60J/K哨戒ヘリコプターが四機編隊で進んでいます。内閣総理大臣が観閲官を務める観艦式、当時は民主党連立政権へ政権交代した為、防衛政策に熱心ではない民主党の鳩山内閣総理大臣は出席せず、菅直人副総理が代行で出席する事となっていた。

 いなづま上空をSH-60J/K哨戒ヘリコプター四機編隊が飛行します。実は観閲官は横須賀基地出航の時点ではまだ乗艦していません、観閲官は観艦式観閲部隊が相模湾に陣形を整えた段階で、ヘリコプターにより観閲艦くらま、へ着艦するのですね。上空を警戒へ当る。

 いなづま、と旅客船や遊漁船とが重なり合う情景、牧歌的な情景ではあるのですが東京湾の海上交通総量の多さを示しています、日本でもというよりも世界でも最も混雑する海域故の情景です。万が一にも衝突事故が起きてはなりませんし、陣形も乱さないように進む。

 あぶくま、先導艦-護衛艦いなづま(DD-105第4護衛隊群第8護衛隊),観閲艦-護衛艦くらま(DDH-144第2護衛隊群第2護衛隊),随伴艦-護衛艦こんごう(DDG-173第1護衛隊群第5護衛隊),随伴艦-護衛艦あぶくま(DE-229護衛艦隊直轄第14護衛隊),この陣形完結へと急ぐ。

 護衛艦まきなみ(DD-112第3護衛隊群-第3護衛隊),掃海母艦うらが(MST-463掃海隊群直轄艦),潜水艦救難艦ちはや(ASR-403第1潜水隊群直轄)艦),試験艦あすか(ASE-6102開発隊群直轄艦),訓練支援艦てんりゅう(ATS-4203護衛艦隊直轄-第1海上訓練支援隊)部隊の通り。

 SH-60J/K哨戒ヘリコプターの二機編隊とヘリコプター搭載護衛艦くらま。ここで富士山でも背景に収める事が出来れば良かったのですが、くらま、は観閲部隊、ちはや、は観閲付属部隊です。総理大臣代理の部隊に対し観閲部隊付属部隊は並行し航行、撮影位置はここ。

 受閲艦艇部隊は旗艦、受閲艦艇部隊第1群の護衛艦部隊、受閲艦艇部隊第2群が護衛艦部隊、受閲艦艇部隊第3群に護衛艦部隊、受閲艦艇部隊第4群が潜水艦部隊、受閲艦艇部隊第5群で掃海艇部隊、受閲艦艇部隊第6群の支援部隊、受閲艦艇部隊第7群の哨戒部隊と。

 ちはや上空をSH-60J/K哨戒ヘリコプターの四機編隊が航過してゆきます。航空祭等では編隊飛行の航過飛行は一回か二回、編隊を組みなおしても三回程度ですが、部外船舶への機動巡察も兼ねている為、繰り返し上空を飛行します。ここぞとばかりに撮影しておこう。

 くらま。観閲官は三浦半島の南端、剣崎近くでヘリコプターが着艦軌道を開始し、そのまま三浦半島南端の小島である城ケ島で着艦します。ですから理論上、三浦半島の観音崎や剣崎の標高が比較的高い場所から、視程が良ければ艦隊を一望する事もできるでしょう。

 受閲艦艇部隊の旗艦-護衛艦あしがら(DDG-178第2護衛隊群-第2護衛隊)を先頭に受閲艦艇部隊第1群護衛艦はたかぜ(DDG-171第4護衛隊群-第4護衛隊)と護衛艦さわかぜ(DDG-170護衛艦隊直轄艦)始め多数の艦艇が見えてきました、観艦式がいよいよはじまる。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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