■日米両政府の声は届かず
日韓関係は韓国による二国間合意の破棄連続と軍事挑発とも取れる非礼を背景に悪化の一途をたどっていますが、更に懸念が。
日韓軍事情報包括保護協定GSOMIAが韓国側の要望により破棄される事となりました。これにより日韓の新しい防衛協力の試みは2016年から2019年までという短期間で終了する事となりました。北朝鮮弾道ミサイル実験などの情報は2016年以降韓国側からの情報通知を受けていましたが、今後は在韓米軍司令部から横田基地日米調整所経由で得る事になる。
アメリカ政府と日本政府は日韓軍事情報包括保護協定GSOMIAの継続を希望していました。これは得られる情報の価値というよりも、日本と韓国はアメリカにとり北東アジア地域における数少ない同盟国であり、特に北東アジア地域は北朝鮮の核戦力増強と中国の海洋進出、ロシアと西太平洋地域の安定という点で協調協力を強化せねばならない関係です。
韓国政府は日本政府とアメリカ政府との要望を受け、GSOMIAの破棄ではなくGSOMIA履行停止を検討していたとの報道もありましたが、韓国国内世論の高まりを受けGSOMIA破棄という結論に至った、報道を見る限りではこうした構図です。三権分立の構造が韓国と日本を含む世界では若干異なる様で、一歩進んだ関係悪化は何処まで進むのでしょうか。
GSOMIA破棄、韓国政府は日韓関係の悪化を受け本日臨時の国家戦略会議を招集し破棄を決定しました。日韓間には、自衛隊哨戒機への射撃管制レーダー照射や韓国国際観艦式自衛艦参加拒否、戦時徴用工問題日本民間企業資産売却司法判断や慰安婦日韓合意破棄、半導体原材料輸出管理特別優遇停止、日韓航空協定違反国際線路線閉鎖等の問題があります。
日韓防衛協力、その具体化は1998年に実施された日韓共同救難訓練まで遡るのですが、言い換えれば日本は憲法上の制約から同盟国アメリカ以外との二国間防衛協力に大きな制約があり、韓国側からも日本の憲法を越えてまでの防衛協力を要請する必然性は低く、韓国軍の平時指揮権は当時在韓米軍司令部に在り、防衛上は近くて遠い隣国という関係でした。
しかし朝鮮半島有事の可能性が顕在化すると共に我が国では1993年頃、周辺事態への自衛隊対処という部分から邦人救出や難民流入と損傷艦艇や航空機の飛来に浮流機雷といった現実的影響が認識され、この検討は橋本内閣時代の日米新ガイドライン、周辺事態法整備により韓国との防衛協力が必要となり協力が模索、日韓共同救難訓練に漕ぎ付いた歴史が。
GSOMIA破棄は防衛上の影響は無い、と分析する事は出来るでしょう、しかし政治的影響は大きい。弾道ミサイルに関する情報は在韓米軍司令部が有しており、前述の通り横田基地の航空自衛隊航空総隊司令部に日米調整所がありまして、ミサイル情報は共有する枠組みが存在します。北朝鮮と日本は地続きではなくミサイルと工作員以外脅威はありません。
政治的影響としては、一旦破棄した軍事情報包括保護協定を再締結する端緒となる日韓関係の良好化が必要ですが自衛隊哨戒機への射撃管制レーダー照射や韓国国際観艦式自衛艦参加拒否、戦時徴用工問題日本民間企業資産売却司法判断や慰安婦日韓合意破棄、半導体原材料輸出管理特別優遇停止、日韓航空協定違反国際線路線閉鎖等、何れも打開策が無い。
自衛隊哨戒機への射撃管制レーダー照射は、韓国海軍水上戦闘艦艇から海上自衛隊P-1哨戒機へのミサイル照準が行われた点で、韓国側は事実関係を否認し、我が国の画像情報始め多くの証拠提示を行った後には自衛隊機による低空飛行をCGにより発表し、このCGを証拠として批判、現在も韓国側は火器管制装置使用を認めず使用を正当化する矛盾が続く。
韓国国際観艦式自衛艦参加拒否問題は、国際観艦式へ海上自衛隊護衛艦に自衛艦旗を下して参加を求めた事で、自衛艦旗を掲揚しない限り国際法上軍艦として視なされません。同じ要求を各国へ要求しましたが、各国は半旗や戦闘旗掲揚で韓国側を批判、韓国も軍旗を掲揚し関係が悪化すると共にこの影響で自衛隊観艦式へ韓国海軍は招待されていません。
戦時徴用工問題日本民間企業資産売却司法判断や慰安婦日韓合意破棄については、日韓政府合意が行われた後ですので、日本の東京大空襲訴訟のように韓国政府が自国民へ賠償措置を行うように、日韓合意により漸く補償が完了した問題を更に日本側から再度補償を要求する判断は理解に苦しみ、韓国政府側が自国内で完結させない限り進展は無理でしょう。
軍事情報包括保護協定、しかし実は日韓関係は冷戦時代においては細い、しかし確実な友好関係が維持されていました、それは共に陸軍士官学校出身という同期関係の繋がりです。日韓は政府間以外に懇話会や表敬訪問という形での防衛協力が陸士同期という強い絆が存在、一之会ハナフェという軍人OB団体との民間交流という定義での関係が存在していた。
日韓の非公式の連携と友好関係、人と人との関係は有形無形を越えた大きな価値と意味合いを有します。しかし、自衛隊には既に陸士出身者は昭和の内に全て退官しており、韓国軍にも帝国陸軍士官学校や満州軍官学校といった戦前戦中の絆は存在しません、軍事情報包括保護協定はこの民間関係を二国間関係へ昇華させた点で大きな意味がありましたが。
防衛大学校や幹部候補生学校、富士学校等への留学生受け入れは継続されており、韓国軍からの留学生も在籍しています。日韓の防衛協力はGSOMIA破棄という、ここで絶無となった訳ではなく継続されるのですが。正直日韓関係に良好な要素がありません。冷却期間の必要はありますが、冷却期間が政権交代までか、どれ程長くなるのかも想像できません。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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日韓関係は韓国による二国間合意の破棄連続と軍事挑発とも取れる非礼を背景に悪化の一途をたどっていますが、更に懸念が。
日韓軍事情報包括保護協定GSOMIAが韓国側の要望により破棄される事となりました。これにより日韓の新しい防衛協力の試みは2016年から2019年までという短期間で終了する事となりました。北朝鮮弾道ミサイル実験などの情報は2016年以降韓国側からの情報通知を受けていましたが、今後は在韓米軍司令部から横田基地日米調整所経由で得る事になる。
アメリカ政府と日本政府は日韓軍事情報包括保護協定GSOMIAの継続を希望していました。これは得られる情報の価値というよりも、日本と韓国はアメリカにとり北東アジア地域における数少ない同盟国であり、特に北東アジア地域は北朝鮮の核戦力増強と中国の海洋進出、ロシアと西太平洋地域の安定という点で協調協力を強化せねばならない関係です。
韓国政府は日本政府とアメリカ政府との要望を受け、GSOMIAの破棄ではなくGSOMIA履行停止を検討していたとの報道もありましたが、韓国国内世論の高まりを受けGSOMIA破棄という結論に至った、報道を見る限りではこうした構図です。三権分立の構造が韓国と日本を含む世界では若干異なる様で、一歩進んだ関係悪化は何処まで進むのでしょうか。
GSOMIA破棄、韓国政府は日韓関係の悪化を受け本日臨時の国家戦略会議を招集し破棄を決定しました。日韓間には、自衛隊哨戒機への射撃管制レーダー照射や韓国国際観艦式自衛艦参加拒否、戦時徴用工問題日本民間企業資産売却司法判断や慰安婦日韓合意破棄、半導体原材料輸出管理特別優遇停止、日韓航空協定違反国際線路線閉鎖等の問題があります。
日韓防衛協力、その具体化は1998年に実施された日韓共同救難訓練まで遡るのですが、言い換えれば日本は憲法上の制約から同盟国アメリカ以外との二国間防衛協力に大きな制約があり、韓国側からも日本の憲法を越えてまでの防衛協力を要請する必然性は低く、韓国軍の平時指揮権は当時在韓米軍司令部に在り、防衛上は近くて遠い隣国という関係でした。
しかし朝鮮半島有事の可能性が顕在化すると共に我が国では1993年頃、周辺事態への自衛隊対処という部分から邦人救出や難民流入と損傷艦艇や航空機の飛来に浮流機雷といった現実的影響が認識され、この検討は橋本内閣時代の日米新ガイドライン、周辺事態法整備により韓国との防衛協力が必要となり協力が模索、日韓共同救難訓練に漕ぎ付いた歴史が。
GSOMIA破棄は防衛上の影響は無い、と分析する事は出来るでしょう、しかし政治的影響は大きい。弾道ミサイルに関する情報は在韓米軍司令部が有しており、前述の通り横田基地の航空自衛隊航空総隊司令部に日米調整所がありまして、ミサイル情報は共有する枠組みが存在します。北朝鮮と日本は地続きではなくミサイルと工作員以外脅威はありません。
政治的影響としては、一旦破棄した軍事情報包括保護協定を再締結する端緒となる日韓関係の良好化が必要ですが自衛隊哨戒機への射撃管制レーダー照射や韓国国際観艦式自衛艦参加拒否、戦時徴用工問題日本民間企業資産売却司法判断や慰安婦日韓合意破棄、半導体原材料輸出管理特別優遇停止、日韓航空協定違反国際線路線閉鎖等、何れも打開策が無い。
自衛隊哨戒機への射撃管制レーダー照射は、韓国海軍水上戦闘艦艇から海上自衛隊P-1哨戒機へのミサイル照準が行われた点で、韓国側は事実関係を否認し、我が国の画像情報始め多くの証拠提示を行った後には自衛隊機による低空飛行をCGにより発表し、このCGを証拠として批判、現在も韓国側は火器管制装置使用を認めず使用を正当化する矛盾が続く。
韓国国際観艦式自衛艦参加拒否問題は、国際観艦式へ海上自衛隊護衛艦に自衛艦旗を下して参加を求めた事で、自衛艦旗を掲揚しない限り国際法上軍艦として視なされません。同じ要求を各国へ要求しましたが、各国は半旗や戦闘旗掲揚で韓国側を批判、韓国も軍旗を掲揚し関係が悪化すると共にこの影響で自衛隊観艦式へ韓国海軍は招待されていません。
戦時徴用工問題日本民間企業資産売却司法判断や慰安婦日韓合意破棄については、日韓政府合意が行われた後ですので、日本の東京大空襲訴訟のように韓国政府が自国民へ賠償措置を行うように、日韓合意により漸く補償が完了した問題を更に日本側から再度補償を要求する判断は理解に苦しみ、韓国政府側が自国内で完結させない限り進展は無理でしょう。
軍事情報包括保護協定、しかし実は日韓関係は冷戦時代においては細い、しかし確実な友好関係が維持されていました、それは共に陸軍士官学校出身という同期関係の繋がりです。日韓は政府間以外に懇話会や表敬訪問という形での防衛協力が陸士同期という強い絆が存在、一之会ハナフェという軍人OB団体との民間交流という定義での関係が存在していた。
日韓の非公式の連携と友好関係、人と人との関係は有形無形を越えた大きな価値と意味合いを有します。しかし、自衛隊には既に陸士出身者は昭和の内に全て退官しており、韓国軍にも帝国陸軍士官学校や満州軍官学校といった戦前戦中の絆は存在しません、軍事情報包括保護協定はこの民間関係を二国間関係へ昇華させた点で大きな意味がありましたが。
防衛大学校や幹部候補生学校、富士学校等への留学生受け入れは継続されており、韓国軍からの留学生も在籍しています。日韓の防衛協力はGSOMIA破棄という、ここで絶無となった訳ではなく継続されるのですが。正直日韓関係に良好な要素がありません。冷却期間の必要はありますが、冷却期間が政権交代までか、どれ程長くなるのかも想像できません。
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