■防衛フォーラム
今回は海軍関連の話題を集めました、欧州ではハイブリッド戦争というべき平時における海底通信ケーブルを狙う攻撃が起こる仲での最新情報です。
オランダ海軍は新型のMO多機能支援艦計画を発表しました。MO多機能支援艦は2隻建造される計画で、TRIFIC 急速増強火力として2022年に計画されたものをMultifunctionele ondersteuningsvaartuigenという方式で具現化したものが今回の計画で、オランダ海軍は極めて少ない乗員と費用により第一線火力を付与させるのが狙い。
MO多機能支援艦は、具体的には数名で操船できる外洋型曳船の後部に兵装モジュールを搭載、フリゲイトなどが有事の際に大量消費するミサイルなどをコンテナ式発射装置に搭載し、対艦ミサイルや対空ミサイル6発装填コンテナであれば4基、必要であれば物資輸送などにも対応するというもの。現代海洋戦闘では弾薬大量消費が課題となっている。
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イタリア海軍次世代OPV外洋哨戒艦起工式がフィンカンティエリ社のリヴァトリゴゾ造船所において挙行されました。これはイタリア海軍が4隻を建造し必要に応じ更に2隻を追加建造する哨戒艦建造計画で、フィンカンティエリ社とレオナルド社の特定合弁会社であるオリゾンテシステミナヴァリ社が12億ユーロで建造する計画です。
次世代OPV外洋哨戒艦は全長95m、満載排水量2400tで、フィンカンティエリネクステック社とレオナルド社が新しく開発した統合海軍操舵区画を搭載した最初の艦艇となるもの。乗員は最大97名を計画していますが、統合海軍操舵区画は操艦から一部戦闘任務までを2名の操舵者と副操舵者により対応させる、高度に自動化された艦となります。
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海上自衛隊向け新潜水艦ちょうげい進水式が10月4日に三菱重工業神戸造船所にて挙行されました。ちょうげい、たいげい型潜水艦の5番艦となっていまして、艦名としては旧海軍の迅鯨型潜水母艦2番艦長鯨の名を継ぐ艦となります。令和3年度計画3000トン型潜水艦8132号艦として684億円で建造が決定、2022年に起工式を迎えていました。
たいげい型潜水艦は水中排水量4400tの通常動力潜水艦としては大型の潜水艦であり、前型に当たる潜水艦そうりゅう型がスターリング機関を搭載したAIP潜水艦であったのに対し、リチウムイオン電池を大胆に採用した潜水艦となっています。ちょうげい、今後艤装工事を進めるとともに2026年3月に竣工する計画となっています。
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アイルランド軍はアイルランド沖対潜警戒強化などに13億5000万ユーロを投入します。イギリス本土に隣接し、まず軍事脅威はないとされたアイルランド海軍は主任務として水産資源保護と漁業監視や密輸監視任務を挙げています、しかし2022年のロシアウクライナ戦争勃発以降、アイルランド沖にロシア潜水艦進出が度々確認されている。
アイルランドは中立政策を掲げるものの、中立政策とは第三国に海洋を悪用させない中立国としての義務も履行しなければならず、同時にアイルランドの防衛脆弱性がイギリスの安全保障上の脆弱店としてロシア潜水艦の行動が強化されている可能性も指摘され、アイルランド海軍は水産資源保護に加え、対潜哨戒をその任務に加えようとしています。
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ギリシャ海軍向けフリゲイトネアルコスが進水式を迎えました。ネアルコスはフランスのナーバルグループのロリアン造船所において建造されていたもので、フランス海軍が自国向けに建造するアミラルロナルク級フリゲイトの拡大改良型となっています。艦首形状が独特の凌波形状を採用している点が特色で、識別点となっている。
ネアルコスの満載排水量は4500t、76mm艦砲とエクゾセMM40-B3Cミサイルとアスター艦対空ミサイル、MU-90対潜魚雷を搭載するとともにヘリコプターの運用能力も付与されています。ネアルコスは多機能フリゲイトとしても設計されており、特殊部隊員収容区画を持つほか、艤装工事に際してPSIMインテリジェンスモジュールも搭載します。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
今回は海軍関連の話題を集めました、欧州ではハイブリッド戦争というべき平時における海底通信ケーブルを狙う攻撃が起こる仲での最新情報です。
オランダ海軍は新型のMO多機能支援艦計画を発表しました。MO多機能支援艦は2隻建造される計画で、TRIFIC 急速増強火力として2022年に計画されたものをMultifunctionele ondersteuningsvaartuigenという方式で具現化したものが今回の計画で、オランダ海軍は極めて少ない乗員と費用により第一線火力を付与させるのが狙い。
MO多機能支援艦は、具体的には数名で操船できる外洋型曳船の後部に兵装モジュールを搭載、フリゲイトなどが有事の際に大量消費するミサイルなどをコンテナ式発射装置に搭載し、対艦ミサイルや対空ミサイル6発装填コンテナであれば4基、必要であれば物資輸送などにも対応するというもの。現代海洋戦闘では弾薬大量消費が課題となっている。
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イタリア海軍次世代OPV外洋哨戒艦起工式がフィンカンティエリ社のリヴァトリゴゾ造船所において挙行されました。これはイタリア海軍が4隻を建造し必要に応じ更に2隻を追加建造する哨戒艦建造計画で、フィンカンティエリ社とレオナルド社の特定合弁会社であるオリゾンテシステミナヴァリ社が12億ユーロで建造する計画です。
次世代OPV外洋哨戒艦は全長95m、満載排水量2400tで、フィンカンティエリネクステック社とレオナルド社が新しく開発した統合海軍操舵区画を搭載した最初の艦艇となるもの。乗員は最大97名を計画していますが、統合海軍操舵区画は操艦から一部戦闘任務までを2名の操舵者と副操舵者により対応させる、高度に自動化された艦となります。
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海上自衛隊向け新潜水艦ちょうげい進水式が10月4日に三菱重工業神戸造船所にて挙行されました。ちょうげい、たいげい型潜水艦の5番艦となっていまして、艦名としては旧海軍の迅鯨型潜水母艦2番艦長鯨の名を継ぐ艦となります。令和3年度計画3000トン型潜水艦8132号艦として684億円で建造が決定、2022年に起工式を迎えていました。
たいげい型潜水艦は水中排水量4400tの通常動力潜水艦としては大型の潜水艦であり、前型に当たる潜水艦そうりゅう型がスターリング機関を搭載したAIP潜水艦であったのに対し、リチウムイオン電池を大胆に採用した潜水艦となっています。ちょうげい、今後艤装工事を進めるとともに2026年3月に竣工する計画となっています。
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アイルランド軍はアイルランド沖対潜警戒強化などに13億5000万ユーロを投入します。イギリス本土に隣接し、まず軍事脅威はないとされたアイルランド海軍は主任務として水産資源保護と漁業監視や密輸監視任務を挙げています、しかし2022年のロシアウクライナ戦争勃発以降、アイルランド沖にロシア潜水艦進出が度々確認されている。
アイルランドは中立政策を掲げるものの、中立政策とは第三国に海洋を悪用させない中立国としての義務も履行しなければならず、同時にアイルランドの防衛脆弱性がイギリスの安全保障上の脆弱店としてロシア潜水艦の行動が強化されている可能性も指摘され、アイルランド海軍は水産資源保護に加え、対潜哨戒をその任務に加えようとしています。
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ギリシャ海軍向けフリゲイトネアルコスが進水式を迎えました。ネアルコスはフランスのナーバルグループのロリアン造船所において建造されていたもので、フランス海軍が自国向けに建造するアミラルロナルク級フリゲイトの拡大改良型となっています。艦首形状が独特の凌波形状を採用している点が特色で、識別点となっている。
ネアルコスの満載排水量は4500t、76mm艦砲とエクゾセMM40-B3Cミサイルとアスター艦対空ミサイル、MU-90対潜魚雷を搭載するとともにヘリコプターの運用能力も付与されています。ネアルコスは多機能フリゲイトとしても設計されており、特殊部隊員収容区画を持つほか、艤装工事に際してPSIMインテリジェンスモジュールも搭載します。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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