北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

ウクライナ情勢-ロシア軍ヴェリカノヴォシルカ集落中心部侵攻,2025年春季攻勢の攻撃軸か?

2025-02-04 07:00:09 | 防衛・安全保障
■防衛情報-ウクライナ戦争
 結局膨大な歩兵を制圧する為の技術を自衛隊も構築しておかないと損害を度外視して侵攻する権威主義国家に囲まれた現状に対応出来ません。

 ロシア軍はヴェリカノヴォシルカ集落中心部へ侵攻した、これはISWアメリカ戦争研究所1月26日付ウクライナ戦況報告によるもので、ロシア軍はこのほか、トヴェルドフリヴォエを占領し、クラホヴェ近郊において侵攻しているとのこと。一方、ウクライナ軍はスジャ北方と北東、トレツク北西で前進した。

 ヴェリカノヴォシルカではロシア軍がウクライナ軍残存戦力を掃討している段階とされ、ロシア軍がこの地域へ部隊を再配置した場合には、2025年春季攻勢の攻撃軸がこのヴェリカノヴォシルカを起点に展開される可能性が在る一方、ISWはロシア軍が六ヶ月間に渡り戦力を疲弊させたとも指摘しています。

 ロシア国防省はヴェリカノヴォシルカの占領を大きく喧伝していますが、いっぽうでこの地域から大きく前進した場合には一気にウクライナ戦線における形勢を塗り替える可能性が在る一方、従来重視されていた地域から離れていることも事実で、ISWはロシア国防省の別の意図を推測しています。

 喧伝、つまりウクライナ軍に対してロシア側が有利であるという世論形成を、ロシア国内は勿論、ウクライナを支援する友好国に対しても示すことでウクライナ援助への姿勢を低下させることが目的ではないか、ISWが分析している視点です。ともあれ、これは今後の状況で判明することでしょう。

 トレツクへの圧力を強化する一環とみられるヴェリカノヴォシルカの占領ですが、この意味するところはウクライナの要塞線において南端に当たるコスチャーンチニフカへの接近経路を確保したことになり、特にトレツク西方には地形障害がないことから、ロシア軍が一気に前進する可能性がでてきました。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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