■久居駐屯地祭訓練展示
観閲行進がすすみます。自衛隊の普通科部隊は120mm迫撃砲を装備していますので比較的火力が高い所なのですけれどもさて。
久居駐屯地祭の訓練展示は、戦車が無ければ、という事を現実という形で展示させることで警鐘を鳴らしているのではないか、という印象でした。第10戦車大隊廃止、そして任務を引き継ぐ偵察戦闘大隊は車両不足なのか16式機動戦闘車さえ来ていません。
16式機動戦闘車は、そう87式偵察警戒車の後継として考えるならば非常に優れた車両だと考えます、25mm機関砲だけの装甲車両では敵に前衛を突破しての偵察は出来ず、実際第7師団では偵察小隊に90式戦車を置くも87式偵察警戒車は斥候小隊にある。
105mm砲を突き出した機動戦闘車、威力偵察には十分な戦力がありますし状況が不利な場合には高速で離脱することも出来るでしょう、けれども、それにしても偵察を行うにはある程度数が必要でして、それが揃っていない。だから訓練展示でもどうしても。
偵察戦闘大隊の人員規模は250名程度なのですから、普通科連隊の普通科中隊は220名、それほど人員規模が違うものではない、すると連隊戦闘団を編成する際に各普通科連隊の隷下に偵察戦闘大隊を置く程度の編成でなければ本来の任務は出来ないのでは。
軽装甲機動車は配備されていますので防御戦闘の主体となる、そうした展示なのですが軽装甲機動車は1990年代に開発が進み2000年代初めの、国際平和維持活動などの増大を背景に設計された小型装甲車です、大規模戦闘への対応を想定しているのか。
小型装甲車として軽装甲機動車が構想されていた時代には小銃班を2両乃至3両に分散配置し、下車戦闘ではなく乗車したままでも下車戦闘のように広い地域を分散して制圧できる運用を考えていた、という。それはもちろん2000年代初頭、普戦協同が前提で。
日本製鋼所によるパトリアAMV装甲車の量産が開始され、一応指揮通信車などの用途もあるようですが普通科連隊にも回る計画だという、即応機動連隊所要には別枠で共通装輪車両の歩兵戦闘車型が配備される計画ですのでもう少し待てば装甲化も進むのか。
三菱重工のハーケイ装輪装甲車と丸紅エアロスペース輸入のイーグルⅣ装輪装甲車が軽装甲機動車後継車両として評価試験と選定作業を進めている最中ですので、装甲車両は普通科連隊にパトリアAMVともう一車種、装備される事で強化されるのでしょうが。
中距離多目的誘導弾くらいは戦車大隊廃止に伴う装備強化の一環として入っているのではないかと期待しましたし、なにより16式機動戦闘車が、豊川駐屯地は遠いといわれるかもしれませんがここ三重県は豊川駐屯地のある愛知県の隣県、来なかったのは、ね。
訓練展示はグレーゾーン事態から非正規部隊の浸透と敵地上部隊の侵攻という展開でしたが、仮設敵は若干規模の装甲車両と、何故か対戦車ヘリコプターに偵察警戒車を加えた陣容でした。ただ十数人規模の攻撃というのは昨今のロシア軍の攻撃と似ているよう。
ロシアウクライナ戦争では、緒戦の大規模な信仰の後にロシア軍は戦力の組み直しを続け、しかし動員によりロシア軍は150万規模にまで膨れ上がるとともに、アウディイフカやバフムト近郊では小隊規模の攻撃を極めて頻繁に繰り返しているという状況なのだが。
しかし普通科連隊、地域配備師団と即応機動師団の区分が国家防衛戦略により廃止され、有事の際には最前線に展開するわけですから、装甲車と対戦車ミサイルに無人機などの装備、また戦車についても代替手段、機動砲など、考えねば、と痛感する展示でした。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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観閲行進がすすみます。自衛隊の普通科部隊は120mm迫撃砲を装備していますので比較的火力が高い所なのですけれどもさて。
久居駐屯地祭の訓練展示は、戦車が無ければ、という事を現実という形で展示させることで警鐘を鳴らしているのではないか、という印象でした。第10戦車大隊廃止、そして任務を引き継ぐ偵察戦闘大隊は車両不足なのか16式機動戦闘車さえ来ていません。
16式機動戦闘車は、そう87式偵察警戒車の後継として考えるならば非常に優れた車両だと考えます、25mm機関砲だけの装甲車両では敵に前衛を突破しての偵察は出来ず、実際第7師団では偵察小隊に90式戦車を置くも87式偵察警戒車は斥候小隊にある。
105mm砲を突き出した機動戦闘車、威力偵察には十分な戦力がありますし状況が不利な場合には高速で離脱することも出来るでしょう、けれども、それにしても偵察を行うにはある程度数が必要でして、それが揃っていない。だから訓練展示でもどうしても。
偵察戦闘大隊の人員規模は250名程度なのですから、普通科連隊の普通科中隊は220名、それほど人員規模が違うものではない、すると連隊戦闘団を編成する際に各普通科連隊の隷下に偵察戦闘大隊を置く程度の編成でなければ本来の任務は出来ないのでは。
軽装甲機動車は配備されていますので防御戦闘の主体となる、そうした展示なのですが軽装甲機動車は1990年代に開発が進み2000年代初めの、国際平和維持活動などの増大を背景に設計された小型装甲車です、大規模戦闘への対応を想定しているのか。
小型装甲車として軽装甲機動車が構想されていた時代には小銃班を2両乃至3両に分散配置し、下車戦闘ではなく乗車したままでも下車戦闘のように広い地域を分散して制圧できる運用を考えていた、という。それはもちろん2000年代初頭、普戦協同が前提で。
日本製鋼所によるパトリアAMV装甲車の量産が開始され、一応指揮通信車などの用途もあるようですが普通科連隊にも回る計画だという、即応機動連隊所要には別枠で共通装輪車両の歩兵戦闘車型が配備される計画ですのでもう少し待てば装甲化も進むのか。
三菱重工のハーケイ装輪装甲車と丸紅エアロスペース輸入のイーグルⅣ装輪装甲車が軽装甲機動車後継車両として評価試験と選定作業を進めている最中ですので、装甲車両は普通科連隊にパトリアAMVともう一車種、装備される事で強化されるのでしょうが。
中距離多目的誘導弾くらいは戦車大隊廃止に伴う装備強化の一環として入っているのではないかと期待しましたし、なにより16式機動戦闘車が、豊川駐屯地は遠いといわれるかもしれませんがここ三重県は豊川駐屯地のある愛知県の隣県、来なかったのは、ね。
訓練展示はグレーゾーン事態から非正規部隊の浸透と敵地上部隊の侵攻という展開でしたが、仮設敵は若干規模の装甲車両と、何故か対戦車ヘリコプターに偵察警戒車を加えた陣容でした。ただ十数人規模の攻撃というのは昨今のロシア軍の攻撃と似ているよう。
ロシアウクライナ戦争では、緒戦の大規模な信仰の後にロシア軍は戦力の組み直しを続け、しかし動員によりロシア軍は150万規模にまで膨れ上がるとともに、アウディイフカやバフムト近郊では小隊規模の攻撃を極めて頻繁に繰り返しているという状況なのだが。
しかし普通科連隊、地域配備師団と即応機動師団の区分が国家防衛戦略により廃止され、有事の際には最前線に展開するわけですから、装甲車と対戦車ミサイルに無人機などの装備、また戦車についても代替手段、機動砲など、考えねば、と痛感する展示でした。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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