■C-130R輸送機後継機
C-130H後継機ではなくC-130R輸送機の後継機という変則的な視点になるのですが今回はこの話題を。
航空自衛隊のC-2輸送機を補完する輸送機が必要ではないか、具体的には海上自衛隊のC-130R輸送機の後継機として使いやすい規模の輸送機があれば、例えば邦人救出における救出対象者が数百名ではなく十数名から数十名程度の場合や、海外派遣などの部隊に対する交代要員の輸送と物資輸送など、大型の輸送機を使う必要が無い状況で用いるもの。
U-4多用途機を増強するとか、あまり難しいことは考えずC-2輸送機を派遣してしまう選択肢、もちろんKC-46A空中給油機など今後人員輸送機としても運用可能である空中給油機が増強されるのだから、そうした選択肢そのものを必要と考えることがナンセンス、と思われるかもしれません。ただ、輸送機が現状足りているのかという疑問符はあります。
政府はレバノン情勢を受けヨルダンへ前方展開させていたC-2輸送機の撤収を決定、11月26日に撤収しました。たった1機ですが、情勢が急変した場合には即応できる、という意味で重要な選択肢でした。しかし、交代機の準備などを考えれば、レバノンに常駐させるだけでも現在の航空自衛隊輸送機定数を考えれば大きな負担だったことは想像に難くない。
P-1哨戒機の派生型として人員輸送機を開発できないか。これはP-1哨戒機として計画だけ提示され実現しなかった人員輸送型のようなものではなく、P-1哨戒機の特性を考えて、です。基本運用重量は79.7t、C-2輸送機の基本運用重量が120tですので、C-2とP-1は共通部品を用いた姉妹機とはいわれるものの、機体規模はP-1がかなり小型となっている。
P-1哨戒機の輸送機型、C-1輸送機といってしまうとなにか別の機体を、メーカーは同じだけれども勘違いさせてしまいそうで、P-1Cとでもいうべきでしょうか、P-3Cと似ている感じになってしまうのはさておき、P-1哨戒機は兵装搭載量が9tとC-1輸送機の間持つ輸送量よりも大きなものがありますし、なにより胴体構造が通常の旅客機とは違う。
ソノブイベイ、P-1哨戒機の胴体下部にはソノブイベイが配置され、ここはもともと機内の与圧区画と連接しているのですね、ここにエアステア型タラップ、ボーイング727旅客機に採用されていた引き込み式の搭乗用タラップを組み込めば、戦術輸送機のように装甲車を載せるわけにはいきませんが、人員輸送は勿論、貨物輸送などに利便性が高まります。
C-130R輸送機、海上自衛隊が導入に際して最小限度の予算で導入したために、維持運用に難渋しているという輸送機ですが、その後継機に、このP-1Cというべき機体は使えるのではないか、なによりP-1哨戒機の整備治具がそのまま使えますし、操縦資格も同じ。またタラップは特別な設計変更が不要ですし、既存の生産ラインをそのまま応用できる。
P-3C哨戒機がP-1ともども下総航空基地では練習機として用いられていますが、今後のP-3C哨戒機の運用を考えれば、P-1Cというものを開発しておくならば輸送機のほかに練習機として使える、機体に実物のレーダ装置を組み込まずともASWシミュレータを搭載することで戦術航法士の訓練に応用できます。航続距離8000㎞、巡航速度マッハ0.75、性能はまずまず。
ジブチ航空拠点を維持している海上自衛隊には日常的に物資輸送を行う必要があり、航続距離に余裕がある輸送機には一定の需要があるはずで、まずなによりP-1哨戒機の製造が継続されているのですから。そして防衛省は電子情報収集機などにP-1の派生型を開発する方針です、するとP-1Cという派生型が一つ増えてもいいのでは、と思うのですね。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
C-130H後継機ではなくC-130R輸送機の後継機という変則的な視点になるのですが今回はこの話題を。
航空自衛隊のC-2輸送機を補完する輸送機が必要ではないか、具体的には海上自衛隊のC-130R輸送機の後継機として使いやすい規模の輸送機があれば、例えば邦人救出における救出対象者が数百名ではなく十数名から数十名程度の場合や、海外派遣などの部隊に対する交代要員の輸送と物資輸送など、大型の輸送機を使う必要が無い状況で用いるもの。
U-4多用途機を増強するとか、あまり難しいことは考えずC-2輸送機を派遣してしまう選択肢、もちろんKC-46A空中給油機など今後人員輸送機としても運用可能である空中給油機が増強されるのだから、そうした選択肢そのものを必要と考えることがナンセンス、と思われるかもしれません。ただ、輸送機が現状足りているのかという疑問符はあります。
政府はレバノン情勢を受けヨルダンへ前方展開させていたC-2輸送機の撤収を決定、11月26日に撤収しました。たった1機ですが、情勢が急変した場合には即応できる、という意味で重要な選択肢でした。しかし、交代機の準備などを考えれば、レバノンに常駐させるだけでも現在の航空自衛隊輸送機定数を考えれば大きな負担だったことは想像に難くない。
P-1哨戒機の派生型として人員輸送機を開発できないか。これはP-1哨戒機として計画だけ提示され実現しなかった人員輸送型のようなものではなく、P-1哨戒機の特性を考えて、です。基本運用重量は79.7t、C-2輸送機の基本運用重量が120tですので、C-2とP-1は共通部品を用いた姉妹機とはいわれるものの、機体規模はP-1がかなり小型となっている。
P-1哨戒機の輸送機型、C-1輸送機といってしまうとなにか別の機体を、メーカーは同じだけれども勘違いさせてしまいそうで、P-1Cとでもいうべきでしょうか、P-3Cと似ている感じになってしまうのはさておき、P-1哨戒機は兵装搭載量が9tとC-1輸送機の間持つ輸送量よりも大きなものがありますし、なにより胴体構造が通常の旅客機とは違う。
ソノブイベイ、P-1哨戒機の胴体下部にはソノブイベイが配置され、ここはもともと機内の与圧区画と連接しているのですね、ここにエアステア型タラップ、ボーイング727旅客機に採用されていた引き込み式の搭乗用タラップを組み込めば、戦術輸送機のように装甲車を載せるわけにはいきませんが、人員輸送は勿論、貨物輸送などに利便性が高まります。
C-130R輸送機、海上自衛隊が導入に際して最小限度の予算で導入したために、維持運用に難渋しているという輸送機ですが、その後継機に、このP-1Cというべき機体は使えるのではないか、なによりP-1哨戒機の整備治具がそのまま使えますし、操縦資格も同じ。またタラップは特別な設計変更が不要ですし、既存の生産ラインをそのまま応用できる。
P-3C哨戒機がP-1ともども下総航空基地では練習機として用いられていますが、今後のP-3C哨戒機の運用を考えれば、P-1Cというものを開発しておくならば輸送機のほかに練習機として使える、機体に実物のレーダ装置を組み込まずともASWシミュレータを搭載することで戦術航法士の訓練に応用できます。航続距離8000㎞、巡航速度マッハ0.75、性能はまずまず。
ジブチ航空拠点を維持している海上自衛隊には日常的に物資輸送を行う必要があり、航続距離に余裕がある輸送機には一定の需要があるはずで、まずなによりP-1哨戒機の製造が継続されているのですから。そして防衛省は電子情報収集機などにP-1の派生型を開発する方針です、するとP-1Cという派生型が一つ増えてもいいのでは、と思うのですね。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)