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【防衛情報】F-2戦闘機後継機共同開発サウジアラビア参加可能性とフィリピン政府タイフォンシステム国内配備で合意

2025-03-04 20:01:32 | インポート
■防衛フォーラム
今週も簡易版です。

陸上自衛隊においてチャカⅢ無人標的機の運用が終了しました。チャカⅢは海上自衛隊においても訓練支援艦などから発射され、艦対空ミサイルの標的として機能してきました。同じように長らく陸上自衛隊の高射特科部隊において標的機として活躍してきましたが、今後は後継装備としてバンシー無人標的機の運用が開始されています。

チャカⅢ無人標的機は冷戦時代には第101無人偵察機隊として運用された時代があり、それはカメラを搭載して敵対勢力上空をプログラミングされた経路に従い撮影するというものでしたが、東西冷戦時代に強大なソ連軍部隊の北海道上陸を警戒していた陸上自衛隊にあって、航空優勢を失った場合でも情報優位を維持するための苦肉の策でした。


ポーランド軍は韓国よりK-151レイコルト高機動車の受領を開始しました。K-151レイコルトはキア自動車が2016年より量産していて、コリアンハンヴィーとも愛称されるもので、軽量ながら装甲防御力を有しており、今回納入されたものについては防弾ガラスや装甲ドアとともに発煙弾発射装置と銃座などが配置されていました。

K-151レイコルトには派生型としてK-152兵員輸送型が有り、K-151は車体後部に荷物室を有する輸送型、重量は5.7tで、また車両停止時にも通信を確保できるよう10kw発電装置を搭載していることから電力を必要とする防空システムや対戦車ミサイルシステム等の搭載にも対応しています。ポーランドは近年、韓国製装備を大量取得している。


フィリピン政府はアメリカ軍のタイフォンシステム国内配備で合意しました。タイフォンシステムは水上戦闘艦に搭載しているMk41VLS垂直発射装置を倒立式として陸上運用可能としたもの、このシステムには射程480kmのミサイルが搭載されており、フィリピンから沿岸200海里にわたって海上へ抑止力を発揮できるというもの。

タイフォンシステムについて、アメリカ軍は2024年4月にフィリピンへ訓練の一環として持ち込んだものですが、演習終了後も一向に撤収する見通しがなく、フィリピンとの間で離島の係争状態にある中国政府はフィリピン政府へアメリカの退去を要求するよう圧力を掛けていましたが、この恒久配備が2024年12月に決定したということ。


フィリピン軍からAH-1Sコブラが退役しました。これはヨルダン政府から寄贈されていた2機の中古機であり、フィリピンではマラウィ騒擾などISイスラミックステイトの浸透事案を受け航空打撃力強化が求められていたなかで2機が無償譲渡されていたものです。AH-1Sコブラはフィリピンの高温多湿環境下でも充分に機能したという。

AH-1Sコブラは2機ではありますが、フィリピン軍は新しくトルコよりT-129ヘリコプター6機の導入と戦力化を進めている最中であり、T-129要員への戦術教育や運用研究には2機とはいえAH-1Sは大きく寄与したといわれています。日本では陳腐化した装備という位置づけのヘリコプター打撃力はいま世界で徐々に運用国を増やしています。


F-2戦闘機の後継機となる次期戦闘機共同開発へサウジアラビアのさんかの可能性が現実味を帯びてきました。この開発は日本とイギリスが国際共同開発を実施しており、此処に途中からイタリアが加わる三カ国共同開発となっていましたが、次世代戦闘機の必要性からサウジアラビア政府が開発計画への参加を希望してきていました。

日英伊共同開発は当初日本政府が、サウジアラビアさんかに対して実戦使用される可能せいが高くなるとして難色を示していましたが、11月末となり一転して日本国内においてサウジアラビア参加を認める可能性と、関係者の話をNHKなどが報じました。この背景には、巨額の開発費負担の問題があり、サウジアラビアの資金力に期待した構図だ。

サウジアラビアの参画について、懸念されているのはサウジアラビアは航空産業が今後の育成段階にあり、航空技術者も育成段階、参加している三カ国との間での技術格差が大きく、また戦闘機運用の基本戦略も現段階では仕様に反映しにくいという実情があります。ただ、トーネードやユーロファイターなど欧州機採用実績は多数あります。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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