北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

【土曜詳報】キャンプ富士日米友好祭二〇一六(2)LAV-25軽装甲車内部公開(2016-05-07)

2020-06-20 20:08:16 | 在日米軍
■日米装甲偵察車輛比較
 gooブログのタグですが何故か”在日米軍”が差別用語なのかエラーが出る為に”駐留米軍”としています、”進駐軍”の方がいいのかな。

 87式偵察警戒車とLAV-25軽装甲車、陸上自衛隊とアメリカ海兵隊の車両で設計は日本製とスイス製、しかし共通点は共に偵察用車両で25mm機関砲を搭載している点です。LAV-25のほうが砲塔が小型で海兵6名が下車戦闘可能、87式には2名の斥候員が下車展開可能だ。

 LAV-25は最も関心ある装備で、アメリカ海兵隊が装備する装備の中でこの他に興味あるものと云えばM-1A1戦車が挙げられるのですが、沖縄の第3海兵師団や第3海兵遠征軍には戦車はなく、アメリカ本土の第1海兵師団や第2海兵師団しか有していません、残念だ。

 LAV-25を見上げる。LAV-25は全長6.39mと全高2.69mに全幅2.50mで重量12.8t、25の名の通りブッシュマスター25mm機関砲を搭載しています、興味深いことに車幅は日本の道路運送車両法車両限界の2.5m以内に、仮に自衛隊が採用しても普通車として用いうる。

 LAV-25を正面左側から。LAV-25は4倍と8倍と12倍の切り替え式照準装置を有していまして、2000mでの正確な対装甲車両射撃が可能です。機動力が高く、湾岸戦争では夜間にT-55戦車の側面に回り込み25mm機関砲の集中射撃で10発以上命中させ破壊したことも。

 LAV-25車内、背中合わせの戦闘室と塞がれた銃眼に後部扉防弾ガラスが。もともとは乗車戦闘を想定して銃眼を有していましたが、防御力強化のために増加装甲を設置した際、銃眼は塞がれてしまいました。車内配置はその名残、89式装甲戦闘車と同じ背中合わせ。

 LAV-25の25mm機関砲塔、機関砲はM242ブッシュマスターで630発の機関砲弾を搭載、米軍ではM-2A3装甲戦闘車やイージス艦艦上の近接火器としても搭載され射程は3000m、M-791-APDS弾やM-792焼夷榴弾を運用、最新の装甲戦闘車正面装甲相手には厳しい。

 LAV-25戦闘室を真後ろから、車体側面には25mm追加防弾板が。LAV-25A2として近代化改修されたもので、原型の砲塔微光暗視装置の熱戦暗視装置への換装や砲塔駆動の油圧式から電気駆動式へ、また車内自動消火装置の追加と増加装甲の装着を行いました。

 LAV-25戦闘室に入り銃眼の塞がれた外側を眺める、狭い、のですが小型だ、アメリカ陸軍はこのLAV-25の原型ピラニアⅠの改良型ピラニアⅢをストライカーとして採用しましたが車幅が増大しC-17輸送機に2両しか搭載できません、LAV-25ならば5両搭載できる。

 LAV-25機関砲塔の照準装置、砲塔はデルコ社製でLAV-25は油圧駆動装置搭載の初期には機関砲は安定化されていませんでしたが、電気式駆動装置へ転換した後には二軸砲安定装置を追加され行進間射撃も可能になった。即応弾は210発、車体に予備弾420発を積む。

 LAV-M自走迫撃砲と上に立つ海兵が車体の大きさを知らしめる。車体形状や前照灯に古さを感じさせるものですがその通りで、原型のピラーニャがスイスモワク社により開発されたのは1972年、1974年に六輪駆動と八輪駆動の基本形が完成しましたが、すぐにⅡ型へ。

 LAV-M自走迫撃砲を同じ角度から。詳しくは後述しますが海兵隊はLAVシリーズにより軽装甲偵察中隊を構成しています。他方で81mm迫撃砲では火力不十分として120mm迫撃砲を無理に搭載したLAV-EFSSの試作も進むが、迫撃砲の費用高騰が問題となりました。

 EFSS120mm迫撃砲を正面から。EFSSとは遠征火力支援システムの略称で緊急展開を旨とする海兵隊は155mm榴弾砲さえ重い、故にMV-22可動翼機でも輸送可能な最高度の火力としてフランストムソン社製120mmRT重迫撃砲をM-327として採用しました。

 グロウラーM-1163重迫撃砲牽引車、グロウラーはMV-22に搭載可能な車両として開発されたもので、グロウラーマニュファクチュアリング社により製造、なにしろMV-22はジープことM-151も搭載出来ず、特注車を調達する事となり、一両10万ドルともなりました。

 グロウラーM-1163と弾薬トレーラ。EFSSはMV-22可動翼機により輸送できる車両に最大の火力を搭載するというものでしたが、MV-22ではM-327とM-1163を搭載すると弾薬を搭載する余裕はなく、もう一機MV-22と一両M-1163を準備し砲弾28発を輸送します。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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令和二年度六月期 陸海空自衛隊主要行事実施詳報(2020.06.20-06.21)

2020-06-19 20:20:43 | 北大路機関 広報
■自衛隊関連行事
 全国緊急事態宣言39県解除から一ヶ月、続いて残る都道府県の緊急事態宣言も解除されまして遂に本日には更なる一歩がありました。

 今週末の自衛隊行事は実施されません。政府による都道府県を越えての不要不急の外出自粛要請、こちらは本日6月19日を以て解除されました。また野外におけるイベント自粛要請も緩和され1000名程度までは可能となりましたので、まだ先の話ですが更に緩和され1万名程度までの自粛であれば駐屯地記念行事等が実施できるようになるのかもしれません。

 都道府県を越えての政府自粛要請解除、これにより岐阜基地や小牧基地に浜松基地や小松基地といった基地への平日訓練飛行撮影の機会がようやく開かれた事となります。休日となりますと対領空侵犯措置任務緊急発進のみとなりますが。小牧基地を一望する県営名古屋空港展望デッキは既に開放されているとの事でして、感染に留意しつつ撮影は出来そう。

 自衛隊行事の再開ですが、早ければ十月の自衛隊記念日行事航空観閲式ならば、実施できるのでしょうか。自衛隊記念日行事は昨年の自衛隊観艦式が台風により中止となっています。自衛隊記念日は国威発揚の国家行事でもある為に二年連続の中止は流石に一考の余地があるようにも。基地周辺からその威容は望見できますが、基本は招待者のみですし、ね。

 募集広報について、艦艇広報は細々と再開されるようです。再開は来月中旬からで、事前応募が必要にてそろそろ締切が迫っているものもあるとの事、条件は高校生と自衛官応募資格を有する33歳未満の年齢で艦艇広報当該都道府県在住者が対象、事前公募により護衛艦一隻当たり数回合計数十名を抽選で護衛艦見学と説明会や懇話会参加させる、とのこと。

 社会人とともに、高校生や大学生を対象とするようですが、厳しいのは今年のCOVID-19長期休校により夏季休暇は相当圧迫されるのは必至でして、どうなるか。限られた期間内に例年実施のサマーフェスタやマリンフェスタと同等の成果を、それこそ見学に応じた高校生が全員試験受験させるくらいの覚悟を以て、自衛隊広報は募集任務に臨むのでしょう。

 海上自衛隊の募集難が深刻を極めている事は周知の通りではありますが、密閉密集密接の職場故にCOVID-19感染の場合はクラスター化の懸念も無視する事が出来ない為、慎重にならざるを得ません。一般公開は行わず、一般見学者が立ち寄れない改正ソーラス条約対象岸壁に入港するとの事で、貴重な機会ですが、出入港くらいは望見できるのでしょうか。

 軍港めぐり遊覧船。佐世保基地軍港めぐり遊覧船は遂に来週から運行再開になるとの事でして、横須賀軍港めぐり遊覧船も来月より遂に運行再開となります。勿論ここは単なるみなと街の観光地ではなく海軍軍港都市として造営された街であり、海上自衛隊基地は列記とした防衛施設である事に留意する必要はあるのですが、兎に角、遊覧船は再開されます。

 海上自衛隊は艦艇広報がこのところ停泊しての艦艇広報も実施できず、そして2014年以来は地方隊展示訓練も行われていません。いわば主権者が海上防衛の様相と現状を知る機会が、部隊の実任務増大が背景にあるとはいえ、その機会が著しく制約されている事は残念ですが、遊覧船にて基地を巡りますと、一目で高い稼働率と良好な整備状態が垣間見える。

 COVID-19,首都東京での静かな感染拡大はなお止まらず、世界最大の感染爆発に見舞われたアメリカでは都市封鎖を徐々に解くと共に明らかな感染爆発が各地で散見されます。欧州は観光業再開を誇示しますが、感染鎮圧とはとても言えず、一時は感染を完全に阻止した中国でも再度の流行懸念が、予断を許さないのですが、日常は大事にしたいものですね。

 さて自衛隊の話題を。先日、もと連隊長で退官後に代議士を務める方が、募集難の現状について“自衛隊ファンは多いが志願まで繋がる方は僅か”という旨の発言がありまして、なかなか考えさせられるものでした。こういいますのも、自衛隊ファンの方、もちろん様々ですが、自衛隊が幹部自衛官を除いて実質非正規公務員制度となった事等、知っています。

 新隊員制度が廃止され自衛官候補生制度となった、昔は事実上の終身雇用制度であった曹候補士制度がありましたが、現在は人件費削減を公言して一定数しか終身雇用としない選抜制とした曹候補生制度への移行等が行われていまして、要するに“人事を大切にする制度から人件費を大切にする制度”へ移行した事を、自衛隊ファンは知識として持っている。

 任期制自衛官の募集難が続く一方で、現時点でも終身雇用制度を維持している幹部自衛官については一般幹部候補生で競争倍率30倍前後、つまり試験会場に100名が入るとして合格するのは3名程度、この状況が続いているのですね。自衛隊は教育中に小銃を落とすだけであれだけ腕立てさせるのですが、少子化時代に人材は武器です、人材も大切にせねば、と考えます。


■駐屯地祭・基地祭・航空祭

・今週末の行事なし

■注意:本情報は私的に情報収集したものであり、北大路機関が実施を保証するものではなく、同時に全行事を網羅したものではない、更に実施や雨天中止情報などについては付記した各基地・駐屯地広報の方に自己責任において確認願いたい。情報には正確を期するが、以上に掲載された情報は天候、及び災害等各種情勢変化により変更される可能性がある。北大路機関
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ながと-むつ,イージスアショア代替に提案するSBX-1海上配備Xバンドレーダ方式海上拠点型

2020-06-18 20:06:32 | 防衛・安全保障
■イージス艦でも陸上型でもなく
 ミサイル防衛の観点からイージスミサイル防衛システムの即応体制は必要です、毎年広島長崎慰霊の日に安寧を祈る分、核の脅威は一番知っているのですから。

 海上配備ミサイル防衛システム"ながと""むつ"。山口県と秋田県へ建設が計画されていたイージスアショアミサイル防衛システムが、発射するスタンダードミサイルSM-3ブースタの落下管制技術目処が立たないとして突如中止となりましたが、アメリカのSBX-1のようなSBX海上配備Xバンドレーダ方式を用いれば、問題は解決するのではないでしょうか。

 イージスアショア、弾道ミサイル防衛の切り札と言うべき装備は複数のイージス艦と連接することにより同時多数の弾道ミサイル攻撃に対応するとともに、将来拡張性としてE-2Dなどとのデータリンクにより広域防空に資する点でした。その最大の問題点は陸上配備型、ということよりも巡航ミサイル飽和攻撃等万一の際も移動できない固定式という点でした。

 ニセコ要塞じゃああるまいし。日本本土に固定式のミサイル防衛システムを構築することは、イージスアショアそのものを敵が先行して撃破しようとした場合にこちらの迎撃ミサイル以上のミサイルを集中する飽和攻撃により無力化する懸念があります。もちろんこれを言い換えれば、それだけ相手に日本攻撃を行う際のハードルを上げる事と同義ですが。

 弾道ミサイル防衛に関してのイージスミサイル防衛システム。しかし冷静にみてゆきますと、イージスシステムそのものをミサイル防衛に転用する技術は、北朝鮮ミサイル実験を受け、日本政府が小泉政権時代から日米共同開発を主導したもの。開発当時は弾丸を弾丸で落とすようなものと技術的困難さを指摘されたものですが、技術は進歩するものでした。

 スタンダードSM-3のキネティック弾頭、宇宙空間で極超音速にて飛来する弾道弾を待ち受け、相手が衝突した運動エネルギーだけで粉々に破壊するという技術は、開発が困難ではありましたが実現しています。蛇足ながら最新のミリ波レーダーと遠隔操作銃塔を応用した場合、今の技術では飛来する弾丸を弾丸で、機銃弾で落とすことも実質は可能、という。

 秋田県と山口県へ建設予定であったが中止されたイージスアショア。しかしイージス艦では難しい、という実状もあります。弾道ミサイル防衛だけを考えるのならば、艦砲や対艦ミサイル、30ノット高速性能や対潜戦闘能力は必要ではなく、言い換えるならば最新鋭のパソコンをWebにつながず文章作成のみに用いるようなオーバースペックが挙げられます。

 まや型イージス艦の増勢という選択肢もありますが、海上自衛隊の人員不足は深刻が指摘され既に十年以上が棚上げされており、いよいよ重大事故発生となりうる懸念さえあります、イージス艦を増勢するにしても基地業務を一部民間委託したうえでさえ、海上自衛官の定員を少なくとも500名、可能であれば800名は増員しなければ現実的ではないのです。

 SBX-1。アメリカのSBX-1のような海上配備Xバンドレーダーを原型とした、洋上石油掘削プラットフォーム上にイージスアショアをおいた場合はどうか。海上に埋め立てるのではなく、半潜水式の洋上構造物として。もちろん日本の技術ではメガフロートのようなものでもよい。こうしたものにイージスアショアを設置すれば、落下など問題はありません。

 洋上石油掘削プラットフォーム。これは環境汚染などが問題となりますが、汚染は掘削により生じるものであり、自動車が動かさなければ温室効果ガスを出さないようにこちらも環境汚染の問題はありません。そして洋上構造物型のものは海上設置型と異なり、それ本体が浮体構造物であるため、万一の際には自力低速航行や曳航での移動が可能なのですね。

 陸上自衛隊が運用するイージスアショア。海上自衛隊の人員不足が問題となっている点は前述しましたが、イージスアショアは陸上自衛隊が引き受ける事となっています。陸上自衛隊にイージスシステム運用実績がないために、今後は海上自衛隊イージス艦での訓練支援などが課題となりそうですが、まだ陸上自衛隊には余裕が僅かにあるという解釈です。

 SM-6。陸上防衛の観点から、イージスアショアは有用です、それはスタンダードSM-6という広域防空ミサイルを運用出来るためで、240kmから目標高度によっては370km以遠の航空目標を迎撃可能です。240kmというと山口県の北長門海岸公園沖に配備した場合、兵庫県姫路市や熊本県天草が防衛圏内に、370kmならば京都府南部まで圏内に入ります。

 石油掘削プラットフォームは、外見に比して非常に頑丈に設計することが可能です。その理由はもっとも需要の大きな地域に北海油田やバレンツ海があり、氷山衝突を想定しているためで、優先順位が航行よりも強靱を第一とするため。問題は件のSBX-1は基部製造がなんとロシア製、日本の造船技術で建造する場合はもう少し違った設計もあり得ましょう。

 陸上防衛の観点からイージスアショアをみた場合は、本土防空要塞というべき、いやSM-6は対艦ミサイルとしても運用でき、本土戦略防衛要塞となり得ます。最大の難点は動けない機動力皆無という点でしたが、SBX-1方式を採るならば、万一の際には回避し、本土直接武力侵攻の際には、むつ湾や瀬戸内海へ退避し、ミサイル防衛継続が可能となるのです。

 ながと、むつ。こうした名称を上掲しましたが、もともとミサイル防衛、特にイージス艦によるイージスミサイル防衛は海上自衛隊の専門分野です、そして艦名ながと、という艦名は前に護衛艦いずも建造に際し政治的理由から採用しなかった名称なのですね。海上自衛隊の任務を陸上自衛隊が担う、この観点からも長門と陸奥の継承は相応しい名称と思う。

 長門国と陸奥国、旧律令制度のこの地域が防衛上最適というのも奇遇、山口県沖にイージスアショアながと、秋田県沖へ配備するものをイージスアショアむつ。SBX-1を例に挙げますと基準排水量は50000tありまして、これは旧海軍の長門型戦艦を上回るもので名前負けはしていません。こうしたものを陸上自衛隊が配備する代替案は検討されて然るべきとおもいます。

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D-Dayの衝撃!ドイツ駐留米軍9500名削減をトランプ大統領表明,東欧防衛の基盤へ衝撃

2020-06-17 20:05:58 | 国際・政治
■米大統領選下に世界揺るがす
 ドイツ駐留米軍削減。アメリカ大統領選が始まる中、再選を目指すトランプ大統領は前の大統領選以来の世界を揺るがす舌戦を始めました。

 在欧米軍、このなかで在独米軍は3万4500名が駐留していますが、この中流部隊について9500名を撤退させる。トランプ大統領の発言が6月6日、世界で一斉に報道されました。6月6日といえば1944年同日に連合軍がノルマンディに上陸したDデイにあたりますが、2020年の同日は、まさに寝耳に水という形で大統領発言がドイツを揺るがした構図です。

 ドイツ連邦軍は冷戦後、縮小に次ぐ縮小を続け、既にドイツ連邦陸軍は6万6000名、陸上自衛隊の半分程度まで削減され、レオパルド2主力戦車も225両まで削減、自衛隊の90式戦車よりも少なくなっています。国防予算の大半はムンゴ空挺装甲車やボクサー重装輪装甲車など、長く続いたアフガニスタンISAF派遣用の各種装備などに費やされ消えました。

 ドイツのシュトゥッツガルドに司令部を置く在欧米軍は欧州全域とロシア及びトルコや北極圏のグリーンランドにおけるアメリカ国益へ資する同盟国との協力や地域安定化を任務とする部隊で、主力は主としてドイツとイギリス及びイタリアに駐留し、オランダやベルギーとトルコへも駐留しています。そして米軍司令官はNATOの重責も同時に担っている。

 欧州連合軍最高司令官SACEUR,在欧米軍司令官は伝統的にアメリカ四軍の大将のポストとなっていますが、同時に在欧米軍司令官はNATO軍事機構における最高司令官である欧州連合軍最高司令官を務めることとなっています。伝統的に副司令官はドイツ軍将官が就き、冷戦時代は西ドイツへ侵攻する蓋然性を持つワルシャワ条約機構軍へ備えていました。

 INF中距離核戦力全廃条約枠組み崩壊。トランプ大統領により不平等条約として破棄された条約もドイツへはアメリカ依存を高めたい事情となります。550kmから4500kmまでの地上発射ミサイルを禁じた枠組みはドイツに天恵でしたが、これによりロシア軍はドイツ中枢部を攻撃できる通常兵器を整備することが可能となり、アメリカ依存度は更に高まる。

 NATO軍事部門の最高司令官を担う米軍、その主力というべきドイツ駐留米軍が突如その三割近くを政治合意なしに撤退を表明する、このことだけでも驚きなのですが、もう一つ、ドイツの駐留米軍編成を考えますと、衝撃はドイツ一国にとどまらず欧州全体の問題であることに気づかされます。それはドイツ駐留のアメリカ戦闘部隊はそれほど多くない為に。

 第5軍団。アメリカ第1機甲師団と第1歩兵師団、共に重師団として各戦車300両近くを装備していた、あの第5軍団は既に欧州にありません、在独アメリカ陸軍の戦闘部隊はフィゼックの第2騎兵連隊とギーベルシュタット第12陸軍航空旅団のみとなっており、このほかにガイザースラウテルンの防空砲兵、残る陸軍部隊は後方支援部隊であるのですね。

 ストライカー旅団戦闘団、第2騎兵連隊は名称こそ連隊ですが編成はストライカー旅団戦闘団となっています、ストライカー装輪装甲車を300両以上持つ。そして防空砲兵部隊は第10ミサイル防衛集団であり、現在ドイツにはペトリオットミサイルやホークミサイル、ローランドミサイルを廃止しており、ドイツ本土防空に非常に重要な部隊となっています。

 在欧空軍司令部もドイツにあります、ドイツのラムシュタイン基地に司令部が置かれており、ドイツ国内にはシュパンダーレム基地へF-16戦闘機を運用する第52戦闘航空団が、ラムシュタイン基地には第86輸送航空団がC-130輸送機などを展開します。在欧空軍はイギリスのレイクンヒース基地にF-15戦闘機やF-15E戦闘爆撃機などが展開していますが。

 ドイツ政府の驚きは、9500名も削るとして、どこを削るのか、ということです。ストライカー旅団戦闘団は3900名ですので、削る単位が不明確です。そして規模でわかる通りドイツ駐留の米軍部隊は後方支援部隊が主力であり、第21戦域支援集団、隷下に戦闘支援旅団や全般支援旅団など6個旅団を持つ、軍団規模の戦闘を支援可能な部隊も含まれています。

 戦闘支援部隊や後方支援部隊は、有事の際にアメリカ本土から欧州へ派遣される大規模な増援部隊の受け皿となる部隊です、この部隊に撤退されてしまっては、ドイツは有事の際にアメリカ軍へどこまで依存できるかが未知数となり、そしてポーランドなど、ほかのアメリカ同盟国にとってもロシアからの防衛へ死活問題となっていることは言うまでもない。

 ポーランドのマテウシュモラウィエツキ首相はアメリカ政府にドイツから撤収させる米軍部隊をポーランド駐留へ振り向ける要請を示しています。ただ、戦闘支援部隊がなければ戦闘部隊を維持できないことは自明ながら、ポーランドにはラムシュタイン基地のような軍団規模の兵站を担える航空基地とその維持費用という受け皿がないことも、また事実だ。

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まや型イージス艦を量産しイージスアショア代替にすべきだ,建設費は最新イージス艦四隻分

2020-06-16 20:01:02 | 防衛・安全保障
■衝撃の秋田山口建設中止
 河野防衛大臣からの突然と云えた衝撃のイージスアショア秋田山口建設中止発言から一晩が経ちました。

 イージスアショア建設突然の中止、昨日の突然の発表には驚きました。NHK報道によれば、自民党は本日合同会議を開いたとのことで、その席上で安全保障調査会長を務める小野寺元防衛大臣は、ブースターはコントロールできるとの説明を防衛省より受けていた事を発言し、驚きを隠せない様子であったようです。しかし、ミサイル防衛、現実問題大丈夫か。

 まや型ミサイル護衛艦、4隻を増強しミサイル防衛に充てるべきではないか。イージスアショアは日本本土への北朝鮮核攻撃を阻止する手段としてイージス艦のイージスミサイル防衛システムが挙げられるのですが、イージス艦には艦隊防空という主任務があり、乗組員の疲労もある為に延々洋上に置く事は出来ず、そのための交替や整備容易な陸上型でした。

 イージスアショアの建設費用。しかし、イージス艦よりも優位とされたイージスアショアは当初、THAAD高高度終末迎撃ミサイルと比較した際に一基当たり650億円という見積が示されていましたが、実際には2基で6000億円を超える費用を要する事が2018年7月23日付報道により示されています。一説には6600億円に達するという見積もある程です。

 はぐろ。まや型護衛艦2番艦として建造が進むイージス艦はぐろ建造費は1730億円です、6000億円以上というイージスアショア建設費は、まや型4隻を建造した場合で6920億円、実際には設計図等まや型2隻の建造に必要な費用を量産効果で差し引く事が出来ますのでもう少し低く抑えられるのですが、明らかに複数イージス艦を建造した方が合理的といえる。

 ミサイル防衛専従部隊として新造イージス艦4隻を第9護衛隊を自衛艦隊直轄として舞鶴基地に配置、現在の護衛隊群護衛隊は8個編成で、シーレーン防衛やプレゼンスオペレーションといった任務がある中からイージス艦をミサイル防衛へ差し引いている事が艦隊に負担を掛けているのです、それならば専従のイージス艦だけの護衛隊を新編すればよい。

 イージス艦で高雄型重巡洋艦の高雄と妙高型重巡洋艦の那智、巡洋戦艦として設計された金剛型戦艦の榛名と比叡、この名前が空席ですので、揃えられる、勿論こんな妙な考えから提案しているものではありません。イージスアショアは建設費用が上記の通り不確定要素が多く、更に建設費が拡大する懸念もある、しかし、まや型ならば建造実績がある、と。

 LMSSR。イージスアショアは海上自衛隊で採用実績のあるSPY-1系統の延長線であるSPY-6ではなく、ロッキードマーティン社製LMSSRを、日本製アンテナ素子を多用しており国内への景気刺激作用等があるとして採用していますが、LMSSRそのものの開発費用に不透明な部分があり、ここが価格高騰を呼ぶ可能性も否定できません。完成していない。

 BADGEシステム。完成していないシステムを安価であり国内へ波及効果がるとして導入しようとし大失敗した事例には1962年の航空自衛隊防空管制システムの事例があります。この際にはヒューズ社の開発中の新システムとアメリカ空軍の戦域用システム延長線上にあったGE社製等が提案されましたが、開発関与する事で費用を抑えられる案を選定します。

 ヒューズ社が提案したTAWCSシステム、アメリカ海軍の艦隊防空システムを陸上防空方に転用する改良型を東芝と三菱電機と共に開発を進めましたが、共同開発の情報共有への齟齬から思うように開発が進まず、結局130億円という見積、これは当時最新のF-104戦闘機30機分に相当、この費用は最終的に253億円に達しGEの完成品より遥かに高額となっています。

 LMSSRが第二のBADGEシステムとなる恐れはないのだろうか、そもそもイージスアショアの導入は海上自衛隊が長年構築し信頼性を高めたイージスミサイル防衛システムの運用にあるのだから、ここに敢えて技術的冒険を行う必要は無く、そもそも当初見積もりは既存イージス艦の建造費からイージスシステム以外を差し引いたもの、LMSSRは想定外だ。

 89式装甲戦闘車を1060両取得できる。イージスアショアは陸上配備型であり、その運用は陸上自衛隊が実施する事となっています、その予算も陸上自衛隊割当でしょうが当初見積もりよりも高騰した金額は実に5300億円に達し、これは89式装甲戦闘車に単純換算するならば1060両分に相当します、96式装輪装甲車ならば5580両という想像できない数である。

 普通科連隊は師団と旅団隷下の総数が38個ですので、イージスアショアの当初見積もりよりも高騰した金額だけでも、89式装甲戦闘車の調達に回したならば、各普通科連隊に28両、2個中隊を装甲戦闘車で充足できる事を示しまして、これならば戦車削減後の機動打撃も万全と云え、安易に“見積もりが甘かった”という表現で許されるものではありません。 

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河野防衛相イージスアショア秋田山口建設中止発表!SM-3ブースタ安全落下技術目処立たず

2020-06-15 20:11:43 | 防衛・安全保障
■ナイキミサイル以来の課題
 イージスアショアミサイル防衛システムの秋田県と山口県への建設を中止する事が先程、河野防衛大臣により発表されました。

 河野防衛大臣は今日1730時過ぎに行われました記者会見において、新型ミサイル迎撃システムイージスアショアの建設計画について、現在進められている秋田県と山口県へのイージスアショア建設を中止し計画の停止という方針へ転換した事を表明しました。イージスアショアは2基の建設が防衛計画の大綱に明示され、その建設計画が進められてきました。

 秋田県と山口県へのイージスアショア建設中止、この背景には両県に所在する臨海部の陸上自衛隊演習場へ建設する計画でしたが、発射するスタンダードSM-3は1300kmという長射程の迎撃が可能である一方、ブースターを有する多段式の迎撃ミサイルであり、有事の際に実際に迎撃を行う際、分離したブースターを自衛隊敷地内へ落とす事が求められる。

 防衛大臣による建設中止表明は、現在のミサイル迎撃システムではプログラムを書き換えた場合でも正確にブースターを特定地域に落下させることはできません、この為、システムではなくミサイル本体の再設計が必要となり、当面はイージス艦とブースターを持たないペトリオットミサイルPAC-3により脅威へ対応する事とし中止を決定した、とのこと。

 陸上配備型イージスシステム、イージス艦の陸上版です。北朝鮮弾道ミサイル実験の異常な増加と共に、北朝鮮による水爆実験の成功と弾道ミサイルへの核弾頭小型化、要するに日本の都市部へ水爆を内尾む事が可能となりイージスアショアは日本本土が広島長崎以来の核攻撃の脅威に曝されるという現実的な脅威を受け、迎撃手段として選定されています。

 イージスミサイル防衛システムについては、日本側が大きな信頼性を置いています、何故ならばブッシュ政権時代にイージスミサイル防衛システムが本格的に動き始めた際、その主導権の一端を担ったのはほかならぬ日本で、1998年の北朝鮮ミサイル実験にて東北地方上空をミサイルが通過、日本が最初から開発に関与し必要としたシステムであるためです。

 THAAD高高度終末段階迎撃システム。イージスアショアと共に政府は弾道ミサイル迎撃システムにアメリカ陸軍が開発したTHAADを検討しました、既存のペトリオットミサイルでは准中距離弾道弾の落下速度を迎撃できない為に新しいシステムが求められたわけですが、THAADは射程250km、命中直前の最終段階で迎撃できるシステムという候補でした。

 スタンダードSM-3,実はこのTHAADと比較した場合、イージスアショアは放物線を描いて飛来する弾道弾の頂点段階で迎撃するミッドコース防衛システムであり、サッカーで例えるならばTHAADはゴールキーパーに当りますが、イージスアショアから発射するSM-3はミッドフィールダーでしかない事が、つまり最後の段階を護れない事が一大課題でした。

 スタンダードSM-6,しかし技術というものは進歩するものでして政府がTHAADを退けイージスアショアを選定した後に、終末段階を迎撃するスタンダードSM-6改良型が開発されます、これは射程370kmの対航空機対巡航ミサイル迎撃用の艦隊防空ミサイルですが、空母などを狙う対艦弾道弾脅威等を受け、終末段階防衛が求められ、改良し開発されたもの。

 しかし、イージスアショアはTHAADと比較し優位性が指摘されたのは、システム構成費用がイージスアショアは650億円であるのに対しTHAADは1250億円に達し、そしてSM-3は射程が大きく2システムで本土を防衛できますが、THAADは射程の関係から7システムの取得が必要であり、最終的にTHAADは費用対効果の低さ故に落選したという理由も。

 ただ、イージスアショアの650億円という見積は遥かに低い事が判明します、もともと費用概算はイージス艦からイージスシステムを除く艦砲やエンジンや船体建造費を省いたものです。しかし、まさか電力を民間電力に頼れず、また土地造成費用も必要であり、その総合建設費は倍以上に上る事が判明しています。そして建設用地選定にも問題が生じます。

 秋田県と山口県への建設は、二基で日本全土を防空するという前提で転用可能な自衛隊用地を探すとして選定された場所ですが、用地選定がずさんで、特に周辺への住宅地の存在や高出力のレーダーによる電磁波人体影響等もあまり考えられていませんでした。この為に再精査を求める声が自治体にあり、一旦建設したらば移動できない為に深刻な問題です。

 中止となったブースター問題、もっともこれはナイキミサイルでもあった問題なのですね。現在のペトリオットミサイルにより解消こそされましたが、あのミサイルもブースターで上昇し弾頭を切り離し航空機等を迎撃しました。当然切り離されるブースターは落下していたのですが、過去ナイキミサイルの配備に対し、ブースターで問題とはなっていません。

 ナイキミサイルで問題とはならなかったブースターではありますが、しかしスタンダードSM-3は中間段階を迎撃する為、弾道ミサイルが真上を飛翔した場合は発射施設周辺に落下するのではないか、という危惧もある意味、全くないとは言えません、ただ、核攻撃による大量の人命の脅威とブースター落下で怪我や事故の懸念を秤に掛けられなかっただけ。

 しかし、どうしても核攻撃から多数の人命を守るという視点からは、ブースターの問題はなかなか考え及ばなかったという事もあるのかもしれません。個人的には上掲の建設費高騰も含め、例えばイージス艦をイージスアショア建設費を転用する形で3隻増強し、自衛艦隊直轄のミサイル護衛艦のみの第9護衛隊として運用してはどうか、とも考えるのです。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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【日曜特集】第33普通科連隊-久居駐屯地創設61周年祭(1)33普連記念式典(2013-04-21)

2020-06-14 20:01:26 | 陸上自衛隊 駐屯地祭
■三重県の第33普通科連隊
 三重県久居には"三"繋がりか、かつて旧陸軍歩兵第三三連隊本営が置かれていました。そして同じ場所には現在第10師団隷下の第33普通科連隊が駐屯しています。

 入場する普通科隊員とUH-1HおよびV-107、V-107は流石に全てCH-47に置き換えられています。この二機も用途廃止航空機を展示しているものでして、これは近傍の陸上自衛隊航空学校本校の置かれる明野駐屯地が所在している故でしょう、なにか、自衛隊らしさ。

 入場する自衛官候補生と背景にはUH-1H多用途ヘリコプターにV-107輸送ヘリコプター。現在は既にUH-1Hは全て除籍され、強力なエンジンを積むなど改良したUH-1Jとエンジンを双発とする等したUH-2の評価試験が進んでいますが、この頃まだUH-1Hは現役です。

 朝日を浴びて整列する96WAPCと74TK、ここは三重県津市にある陸上自衛隊久居駐屯地、京都大阪名古屋から伊勢神宮へと至る近鉄久居駅、その駅前に整然と並ぶ建物群に大書された久居自衛隊、この建物が三重県を防衛警備管区として受け持つ部隊の駐屯地です。

 74式戦車の浮かぶ勇壮な輪郭。これから行われる記念式典へ待機する戦車を見上げる構図から。この久居駐屯地には第10師団の隷下部隊である第33普通科連隊が駐屯しています。普通科部隊は旧軍で言う歩兵、記念式典の支援へ遠く滋賀県から戦車部隊が展開している。

 82式指揮通信車の入場と待機車両の長い車列が続く。久居駐屯地は隣接して久居訓練場が配置され、訓練場は演習場のような射撃訓練などは行えませんが、三重県都市部は津市の近鉄電車駅前にある駐屯地、というには想像できないような広さを有している駐屯地です。

 式典開始時刻となり駐屯地から行進して久居訓練場へ入場してまいりました、自衛官候補生の入場を正面から撮影します。候補生というのは昔の新隊員、いまは昔のようにすんなりと入れてくれない、曹候補学生という制度があり、終身雇用時代は終わりを告げている。

 64式小銃を自衛官候補生たちは抱える。この64式小銃も陸上自衛隊では全廃され久しいですが、当時はまだ予備役部隊などにも残っていました、重量が4.4kgもありまして一眼レフに巨大な単焦点超望遠レンズを装着した重さがあります、毎日担ぐのは大変だろうなあ。

 第33普通科連隊の隊員も入場を開始、普通科隊員を正面から。89式小銃を携行している。この重量3.5kgで一眼レフに超望遠ズームレンズを装着したようなもの。64式がEOS-5Dに400mmF2.8ISを装着の重さ、89式小銃はEOS-7Dに100-400mmIS2とG3Xの重さ。

 第1中隊と第2中隊と車列や航空機を背景に入場が進む。V-107が背景に有りますと、もともと自衛隊は高度経済成長期に装甲車やミサイルよりもV-107を600機導入する案が、航空科に有りV-107も全日空が新幹線に対抗し新時代の基本交通手段を目指していました。

 連隊旗を奉じて副連隊長が入場する。指揮官の入場、普通科連隊というのは1200名の師団普通科連隊と650名の旅団普通科連隊というように区分されています。第33普通科連隊は師団普通科連隊であるのは前述の通りでして副連隊長とともに多数の中隊長や幕僚が並ぶ。

 連隊旗の到着と指揮官の敬礼、本部管理中隊長、第1中隊長、第2中隊長、第3中隊長、第4中隊長、対戦車中隊長、重迫撃砲中隊長、教育隊長、連隊人事幹部、連隊情報幹部、連隊訓練運用幹部、連隊補給整備幹部、中隊長や連隊幕僚だけでもこれだけ揃うのですね。

 中隊旗が旗の敬礼動作を行う、背景に並ぶのは軽装甲機動車。軽装甲機動車、陸上自衛隊を中心に広く配備されている小型装甲車で2000両以上が導入された小松製作所製装甲車です。そして2002年に中部方面隊で最初に慶応高機動者を受領したのが、この連隊なのです。

 連隊幹部の整列、後方支援連隊の指揮官も一人並ぶ。2000年代は変革の時代で、上記の軽装甲機動車など普通科の機械化が一挙に進み、結果、後方支援連隊整備大隊から普通科直接支援中隊を各連隊駐屯地へ分遣し、車両整備の支援を実施するようになっています。

 国旗へ敬礼、捧げ銃。整列を完了した部隊とともにいよいよ式典開始です。日章旗が式典会場へ到着しまして、われわれ観覧の一同も起立して国旗を迎えます。平和主義と国民主権を掲げた憲法と国家が有ってこそ、憲法と主権を守る 防衛力として自衛隊はあり得る。

 日章旗が登壇する。そして第33普通科連隊長、兼ねて久居駐屯地司令の古屋浩司連隊長も車両にて観閲台へ。古屋連隊長はこの久居駐屯地での連隊長を経て、しばらくののちに上級部隊である第10師団の師団司令部幕僚長、そして現在は宮城地方協力本部長にあたる。

 巡閲をおこなう古屋連隊長。詳しい方のお話によれば、古屋1佐は普通科幹部として一本、初の中隊長は山岳連隊として名高い第12師団第13普通科連隊、現在は旅団へ縮小されてしまいましたが険しい日本アルプスで部下を引っ張れる歩兵を地でゆく指揮官なのだとか。

 巡閲、会場は比較的広い。久居駐屯地、いやここは訓練場ですが式典会場は千僧の第3師団祭や守山の第10師団祭、練馬の第1師団祭よりも広い会場となっています、実際ここでは火炎放射器さえ実際に放射できるほどの面積がありますので、展示が行われるか楽しみ。

 連隊長の巡閲とともに敬礼する普通科隊員、そして並ぶ軽装甲機動車、さらに引退した航空機、と。自衛隊は機械化が遅れていた、識者など何気なく表現しますが有る意味的外れで、長らく空中機動を重視し航空打撃力と輸送能力を装甲車よりも重点的に整備しました。

 巡閲続く、重迫撃砲に対舟艇対戦車誘導弾が並ぶ。79式対舟艇対戦車誘導弾は通称重MAT,もともとは師団対戦車隊に配備されていたものですが、2002年の師団改編で第10師団が乙師団から戦略機動師団へ改編された際に全ての普通科連隊に対戦車中隊が置かれている。

 自衛官候補生も敬礼を行う。自衛官候補生、昔は曹候補士で入隊したらばほぼ定年まで奉職できましたが、人件費節減観点から七年以内に陸曹選抜に合格できなければ強制退職という曹候補学生という制度となった。彼らは候補生となってまだ数週間、様になっている。

 日章旗と整列した隊員たち。スタンド席にて撮影できた故の良い撮影環境です。この2013年当時の行事はまだ牧歌的で、地方の駐屯地祭ならば開門後に到着しても一般用スタンド席上段がまだ開いていたのですよね。いまは開門三時間前に並んでも最上段は厳しい。

 連隊長訓辞。この2013年行事というのは、3.11東日本大震災の記憶もまだ鮮明であるとともに南海トラフ巨大地震の危険性が大きく認識され、三重県を防衛警備管区とする第33普通科連隊には熊灘にめんした長大な海岸線をどう対応するか、防衛とならび課題だった。

 鈴木英敬知事の訓辞、2013年の様子です。西宮生まれで灘中灘高と東大へて通産官僚、2011年に36歳という史上最年少で県知事となった鈴木知事です。学歴経歴は凄い方ですが2020年代の鈴木県政を見ますと、逆に三重県民は若い知事を良く育てたなあ、と何か感心する。

 式典会場を18mm広角で写し込む、空が広い。式典会場の奥には、見えませんが伊勢湾が広がり、背後には直ぐ近鉄線、そして壮大な鈴鹿山脈が広がり、その奥に隣接して京都府が、という立地です。祝辞と祝電披露も終わりいよいよ、観閲行進準備の号令が掛かる。

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【土曜詳報】オタワHMCS-OTTAWA舞鶴親善訪問(4)カナダ艦の艦内旅行記(2019-08-24)

2020-06-13 20:00:56 | 世界の艦艇
■カナダ艦の艦橋を拝見
 カナダ艦の艦内旅行は艦橋までいよいよむかってゆきます。カナダ軍艦の艦橋というものはどうなっているのでしょうかと興味は尽きません。

 艦橋の周りを歩きますと、また艦橋左右にはSLQ-25対魚雷欺瞞装置が搭載されていまして、本型が対潜戦闘を重視していることを思い出させました。知人がこれは魚雷発射装置かと問うと、短魚雷発射管Mk32,自衛隊もライセンス生産するものが後部にあるとのこと。
 ハリファクス級は近代改修により僚艦防空能力を付与されましたが、これは射程50kmのESSM搭載だけでは厳しかったでしょう、対空レーダーが旧型の二次元レーダーから新しい三次元レーダーへ置き換えられ、火器管制システム全体が近代化された事が大きい。

 SMART-2は三次元レーダー、SPS-49を換装し搭載されています。SMART-2はオランダのタレス社製という。メーカーによれば最大探知距離250kmという、条件がそろった場合の数字のようでそんなに長くはないとは第一線の声です。営業上の表現は世界共通なのだ。

 SMART-2は欧州版イージスシステムをめざし、つまり自衛隊のFCS-3にあたるAPARのレーダーアンテナ技術が応用された多機能レーダーです、僚艦防空用には充分な性能と言える、そして艦砲とESSMの射撃管制用にはスウェーデンのサーブ社製CEROS200が。

 CEROS200は、何故か横を向いて艦橋上に搭載されていました、造船所といいますかその向こうにある北朝鮮の方向を向いているようにも。CEROS200はXバンドレーダーと熱線暗視装置とが一体化した方位盤だ。レーダーに映らずともカメラに映れば照準可能です。

 艦橋構造物の電子装置は興味の山だ。扇状の不思議なセンサーはTKWA-MASS電子攪乱装置、当初これはスピーカーの一種か、と思っていたのですが聞けば電子的なフラッシュを行うものという、要するにチャフディスペンサーです、ドイツラインメタル社製とのこと。

 カナダ海軍、なにしろ自衛隊の護衛艦とは補給系統も整備系統も根本から、それこそ外国艦艇ですので、見ていますと本当に興味深い、そして違い一つ一つには設計哲学とシーマンシップの違いが、つまり文化の違いが花開くのだから、外国艦見物はやめられません。

 シーマンシップ、海上自衛隊では様々な解釈とともに海の心意気とか船乗りの共通道徳とか数多解釈がありつつ、おもしろいな、とおもったのは護衛艦ではその艦の気風が海図台に現れる、といわれていまして、整理できているのか一応さり気なく見る事にしています。

 海図、その整理手法にも検索性や実用性と解釈は数多いのですが、その艦の雰囲気を俯瞰するには海図台を、といわれています。そこでオタワの海図台を、と探してみるのですが海図台がない。知人友人も若干驚いたのですが、聞けば電子コンソールへ案内されました。

 電子コンソールに若狭湾の海図、驚いた。いやもちろん自衛隊でも電子コンソールは活用されているのですが、我々もPCがあっても辞書は別、同じ図面を艦橋で共有する為にも海図台は重宝されていまして、電子コンソールだけで完結するのか、と驚いていましたらば。

 チャート無しは驚きだ、内心を察したのか士官さんは折り畳み式の海図台を示してくれました、電子コンソールが損傷を受けた場合には即座に紙のチャートを展開して航行する、とのこと。意外だったのは見張り員の双眼鏡で、艦橋ダビットに装着されていた点です。

 見張り員の双眼鏡、いや護衛艦や米艦では普通の配置なのですが、北欧を中心に気象の厳しい地域の艦船では見張り員が暖かい艦橋内部から見張る事が近年増えているためです。しかし、例えばイギリス海軍等は第二次世界大戦初期まで屋根なし露天艦橋が普通でした。

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令和二年度六月期 陸海空自衛隊主要行事実施詳報(2020.06.13-06.14)

2020-06-12 20:19:59 | 北大路機関 広報
■自衛隊関連行事
 美保航空祭が例年ならば今頃か。COVID-19対策は自粛から自衛へが呼び掛けられる最中ですが、自衛の本場たる自衛隊でも感染対策の観点から今週末も行事は行われません。

 今週末に自衛隊行事無し、しかも日程の関係から実施されないのではなく新型コロナウィルス感染症が理由というものですから、どうしようもない状況です。そしてこの季節ですと美保航空祭などが実施されていた頃合いなのですね。さて、流石に模型飛行機などで航空祭を再現、ということはできませんが、航空祭周りの気分を味わう方法があるのですね。

 航空祭をデリバリーで。いや流石に難しい、と思いつついわゆる基地周辺住民の方々はテレワークで爆音を聞きつつ仕事一分中座し500mmF4レンズなんかを片手に、という羨ましい、航空祭デリバリーもあるものですが、そういう話題ではなく、遠出したさいのご当地名物の美味しい地物を通販で購入する、という。後は過去の写真でも眺めつつ愉しんだ。

 美保基地といえば境港駅から僅か5kmという指呼の距離にありまして、境港といえばカニ水揚げ日本一という立地です。1990年代こそ北朝鮮からの覚醒剤密輸日本一という1998年武装工作船浸透事案に際しては危機感募る報道もありましたが、もともとはカニ水揚げの街です。航空祭は行けないが境港はいく、という訳ではなく、ここは一つ通販で頂く。

 境港のカニ、先日美保基地航空祭中止となりました折りに遂に境港のカニ通販に挑戦してみまして、大きなものではなく500g前後のしかも脚のとれたものも含まれるカニをごっそり浜茹でしたものをキロ単位通販で注文したのですが、久々に食べ放題的な気分を味わえるほどに満喫できました。気になる値段も高速バス交通費を考えればぜんぜん安いという。

 日本の観光業が危機に曝されている、昨今は感染拡大の一段落からこの報道に重点が移ってきました。いや日本のというと世界で観光業順風満帆な地域があるような誤解を与えてしまいますが、世界中で当てはまるところです。日本は感染を世界でもかなり最小限に抑えられた故に物流崩壊までは至っていないところでして、通販で応援したいものですね。

 自粛から自衛へ。東京都の小池知事が昨日呼びかけました文言にありましたが、感染規模は抑えられている我が国内の状況ではありつつ、しかし感染を完全に遮断できたニュージーランドほどの状況でもなく、中国の未発症者問題ではありませんが、ワクチン乃至治療法確立までは野火のようにくすぶり続けます。まだまだ感染防止は油断はできないのです。

■駐屯地祭・基地祭・航空祭

・今週末の行事なし

■注意:本情報は私的に情報収集したものであり、北大路機関が実施を保証するものではなく、同時に全行事を網羅したものではない、更に実施や雨天中止情報などについては付記した各基地・駐屯地広報の方に自己責任において確認願いたい。情報には正確を期するが、以上に掲載された情報は天候、及び災害等各種情勢変化により変更される可能性がある。北大路機関
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のとじま除籍(MSC-682),広島三原沖瀬戸内海貨物船ジェイケイⅢ衝突事故を経て早期除籍

2020-06-11 20:02:13 | 防衛・安全保障
■ASH高速13号以来の事故除籍
 掃海艇のとじま明日早期除籍となります。のとじま、といえば舞鶴地方隊第44掃海隊所属で舞鶴市役所裏の掃海艇桟橋にいつも佇んでいました。

 のとじま除籍。海上自衛隊すがしま型掃海艇のとじま、が12日に除籍されることとなります。すがしま型掃海艇の除籍は初であり、前型である掃海艇うわじま型の2隻がまだ掃海管制艇として現役運用されている中において異例の除籍といえるでしょう。のとじま、は衝突事故を受けて船体が破損、残念ながら修理費用事業評価を経て早期除籍となりました。

 事故は一年前の2019年6月26日に広島県三原沖の瀬戸内海を航行中、貨物船ジェイケイⅢが掃海艇船体右舷後方に激突し、のとじま船体は大きく破損、浸水は乗員のダメージコントロールにより鎮圧されましたが機関部が大きく破損し自力航行不能に陥り、多用途支援艦えんしゅう曳航により最寄造船所、広島県尾道のJMU因島造船所へ緊急入港しました。

 くらまカリナスター衝突事故、艦艇の衝突事故は希有ではありますが皆無ではありません、2009年10月27日に観艦式を終えて佐世保への帰途にあった護衛艦が関門海峡の幅550m最狭部において対向するカリナスターが航路帯を大きく外れて接近し、くらま艦首に激突する事故がありました。ただ、この時には長崎にて13億円で修理が成っているのですね。

 あけぼの、いなづま衝突事故、共に先代ですが、護衛艦同士の衝突事故で艦橋破損と乗員殉職者が出た事例もありました。1960年6月4日に津軽海峡東方海域にて夜間訓練中であった二隻の護衛艦、あけぼの、いなづま、が衝突し就寝中の乗員2名が圧死、あけぼの艦橋が破損する重大事故も発生しています。しかし共に修理を受け1980年代まで現役です。

 事故で除籍となりますと海上自衛隊では1966年10月18日の特務艇高速13号沈没事故以来であるようにも。特務艇とはASHという種別でヘリコプターの性能が過渡期であった時代に航空救難に備え各地に自衛隊が航空救難船を展開しており、事故の際には35ノットで現場に駆けつけるものでしたが、揮発性の高いガソリンエンジンを採用し、一隻が停泊中にエンジンガソリン爆発事故で失われました。

 のとじま除籍。この判断は修理費用の費用対効果や修理期間と船体寿命の面から判断された、防衛省はこう発表しています。JMUによる被害検証の結果、船体修理に18ヶ月を要し、その費用は11億円と算定されました。のとじま建造費は157億円ですが、竣工は1999年となっており、掃海艇寿命は20年から24年程度であるため、この老朽化が問題という。

 うわじま型掃海艇、これは今回除籍の掃海艇のとじま前型ですが、ゆげしま、ながしま、が掃海管制艇として現役です、こちらは1995年と1996年に竣工していまして、しかし1995年に竣工した掃海艇とびしま、は掃海管制艇変更を経て2014年、6年も前に除籍されているのですね。一番艇うわじま、などは1990年に竣工し2010年に早々と除籍されている。

 はるな、海上自衛隊初のヘリコプター搭載護衛艦は1973年に竣工しつつ2009年まで現役でしたので、掃海艇の寿命は短いように思われるかもしれません、しかしこれは掃海艇の設計が影響しています。海中の機雷を処分し掃討する掃海艇は自らが磁気感応機雷などに破壊されないよう、船体を木造船体としています。故に鋼より木材は海水で腐食しやすい。

 ひらしま型掃海艇まで海上自衛隊は木造船体の掃海艇を重視してきました、木造は船体寿命こそ短いのですが、万一機雷が爆発した際に衝撃を吸収しやすいですし、爆発し船体が破損した場合でも木製船体には浮力があり、沈没だけは回避できる。ただ、海上自衛隊はもう一つの理由から2012年竣工の、えのしま型掃海艇よりFRP船体へと移行しました。

 うわじま型掃海艇まで掃海艇の建造費用は55億円程度でした。しかし機雷の高性能化により機雷掃海器具を曳航しての従来型掃海では、潜水艦から敷設し高付加価値目標だけをコンピュータで選別し攻撃するストーンフィッシュ機雷や大型地雷程度の大きさしかない非磁性のマンタ機雷、魚雷を抱き攻撃するキャプチャー機雷のようなものを掃海できません。

 すがしま型掃海艇以降は機雷探知ソナーで海底の疑わしい物体一つ一つを捕捉し水中ロボットこと機雷処分器具や対機雷用魚雷というべき機雷処分弾薬により一発一発機雷を葬る機雷掃討という運用が主流となりました。いわば掃海艇から機雷掃討艇への発展ですが、結果、建造費が150億円と三倍近く高騰し、掃海艇を量産できなくなった事情があります。

 掃海艇建造費高騰、こうして従来は20年程度で木造船体老朽化を受け除籍していた掃海艇を長期運用することとなりまして、しかしもう少し長期間を運用するべき掃海艇のとじま除籍が速まった形となりました。勿体ないようで、そして事故が原因という残念ではありますが、搭載のPAP-104など掃討装備はなんとか別の哨戒艦艇等に継承してほしいですね。

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