■三菱電機サイバー攻撃事件
新しい防衛計画の大綱に基づき自衛隊へ島嶼防衛用高速滑空弾を二個大隊編成するべく新装備の開発が進められています。
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島嶼防衛用高速滑空弾、先日、三菱電機への大規模サイバー攻撃の際に漏洩したとされる情報のなかに自衛隊へ開発中の新装備に関する情報が含まれているとの報道があり、この聞き慣れない新装備の開発に関して話題となりました。現在陸上自衛隊には沿岸防衛用に地対艦誘導弾が配備されていますが島嶼防衛用高速滑空弾はこれを補完するものです。
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地対空ミサイルの技術は日進月歩で発達しています。例えばペトリオットミサイルPAC-3であれば准中距離弾道弾のような落下速度マッハ10規模のミサイルであっても迎撃が可能です。そしてこの種の技術は相互的であり、相手にも相応の迎撃手段があると考えるべきでしょう。こうした迎撃手段を伴い、敵が我が国土へ侵攻した場合を想定せねばならない。
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三菱電機へのサイバー攻撃、まず、重要なことですが今回漏洩した情報について、先ず三菱電機はこの島嶼防衛用高速滑空弾の主契約企業ではなく、また防衛省も今回漏洩した情報は秘密保護法にもとづく特定秘密ではなく、注意情報であるとされています。しかし、漏洩した情報は"性能要求事項"であり、射程や速度などが含まれているとも考えられます。
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高速滑空弾。聞き慣れない単語ではありますが、これは従来のミサイル、ジェットエンジンやロケットエンジン、ラムジェットエンジンに依存するミサイルは、巡航速度、特に低空領域では空気抵抗や酸素濃度などから速度に限界があるのに対し、高速滑空弾は一旦高高度まで上昇した後に滑空することで極超音速で目標に到達する、新世代の装備のひとつ。
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高速滑空弾、運用は一旦高高度に上昇しつつ一定以上の高高度に達した時点で降下を開始し徐々に極超音速へ加速、目標地域へ到達します。形状は先端部分が滑空に適したサーフボードや円ぴ乃至スプーンのような弾頭部分を有するものとなるでしょう。任務は地域制圧であり、装甲車両を狙う自己鍛造弾や海岸堡等広域を制圧するHE弾頭等が考えられる。
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島嶼防衛用高速滑空弾、と表現しますと、本州を護らないのか、と批判されるかもしれませんが、沖縄本島に配備し沖縄県全域を、もしくは九州へ配備し南西諸島を防衛する、という運用が考えられるものです。この種の任務には軍団支援用のロケット弾等が適当でもありますが、速度の低いロケット弾は迎撃される可能性があり新装備が開発されるもよう。
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北海道防衛用高速滑空弾、もう一つ、これは穿った見方といえるかもしれませんが、沖縄県を防衛する装備であれば従来の地対艦誘導弾では射程不充分となりますが、敢えて島嶼部と明記している背景には、広大な南西諸島を想定したもので北海道配備は想定していない、500kmですと北海道から沿海州まで届くため、こうした配慮もあるのでしょうか。
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短距離弾道弾を開発。攻撃的な装備は憲法上自省する我が国に在ってですが、広大な南西諸島全域に守備隊を配置する事は簡単ではありません、するとどうしても射程の大きな装備が必要となりまして、短距離弾道弾の開発を研究している、という報道は過去に在りました。この種の装備は珍しくは無く、隣国の韓国が装備している玄武2などがあります。
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短距離弾道弾、これは産経新聞が2013年6月26日に産経新聞が"陸自に短距離弾道弾-沖縄配備で尖閣防衛-防衛対抗へ盛り込みへ"として報じたものです。さすがに弾道ミサイルはないだろう、と思ってはみたものですが、南西諸島防衛を念頭とする場合、既に開発されている地対艦誘導弾などは北海道防衛用であり、広い南西諸島を護るに射程が足りません。
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88式地対艦誘導弾と12式地対艦誘導弾、陸上自衛隊が装備する地対艦誘導弾はこの二種類です。88式地対艦誘導弾が射程百数十km、概ね180km程度の射程と理解されていまして、12式地対艦誘導弾は200km前後と理解されています、が、広大な南西諸島を考えた場合は複数の島嶼部へ配備する必要があり、またこの射程では各島で相互の連携も出来ません。
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12式地対艦誘導弾については、その任務変容に比較して射程が抑えられているとの観点から射程の延伸型も研究されており、この射程の不充分という点には将来転機が在るのかもしれませんが、島嶼防衛用高速滑空弾は対艦誘導弾ではなく島嶼部に上陸した敵を想定するものであり、MLRS多連装ロケットシステムのような水際撃破を想定した装備といえる。
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射程についてですが、産経新聞報道に際して、短距離弾道弾にかんする運用としまして、沖縄本島へ配備し、南西諸島全域を防衛する用途であり、しかし周辺国への脅威を及ぼさないとの配慮から射程は500km程度に抑える、という報道もあり、この高速滑空弾についてもこの射程500kmというものが一つの射程への基準となっている可能性もあるでしょう。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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新しい防衛計画の大綱に基づき自衛隊へ島嶼防衛用高速滑空弾を二個大隊編成するべく新装備の開発が進められています。
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島嶼防衛用高速滑空弾、先日、三菱電機への大規模サイバー攻撃の際に漏洩したとされる情報のなかに自衛隊へ開発中の新装備に関する情報が含まれているとの報道があり、この聞き慣れない新装備の開発に関して話題となりました。現在陸上自衛隊には沿岸防衛用に地対艦誘導弾が配備されていますが島嶼防衛用高速滑空弾はこれを補完するものです。
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地対空ミサイルの技術は日進月歩で発達しています。例えばペトリオットミサイルPAC-3であれば准中距離弾道弾のような落下速度マッハ10規模のミサイルであっても迎撃が可能です。そしてこの種の技術は相互的であり、相手にも相応の迎撃手段があると考えるべきでしょう。こうした迎撃手段を伴い、敵が我が国土へ侵攻した場合を想定せねばならない。
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三菱電機へのサイバー攻撃、まず、重要なことですが今回漏洩した情報について、先ず三菱電機はこの島嶼防衛用高速滑空弾の主契約企業ではなく、また防衛省も今回漏洩した情報は秘密保護法にもとづく特定秘密ではなく、注意情報であるとされています。しかし、漏洩した情報は"性能要求事項"であり、射程や速度などが含まれているとも考えられます。
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高速滑空弾。聞き慣れない単語ではありますが、これは従来のミサイル、ジェットエンジンやロケットエンジン、ラムジェットエンジンに依存するミサイルは、巡航速度、特に低空領域では空気抵抗や酸素濃度などから速度に限界があるのに対し、高速滑空弾は一旦高高度まで上昇した後に滑空することで極超音速で目標に到達する、新世代の装備のひとつ。
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高速滑空弾、運用は一旦高高度に上昇しつつ一定以上の高高度に達した時点で降下を開始し徐々に極超音速へ加速、目標地域へ到達します。形状は先端部分が滑空に適したサーフボードや円ぴ乃至スプーンのような弾頭部分を有するものとなるでしょう。任務は地域制圧であり、装甲車両を狙う自己鍛造弾や海岸堡等広域を制圧するHE弾頭等が考えられる。
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島嶼防衛用高速滑空弾、と表現しますと、本州を護らないのか、と批判されるかもしれませんが、沖縄本島に配備し沖縄県全域を、もしくは九州へ配備し南西諸島を防衛する、という運用が考えられるものです。この種の任務には軍団支援用のロケット弾等が適当でもありますが、速度の低いロケット弾は迎撃される可能性があり新装備が開発されるもよう。
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北海道防衛用高速滑空弾、もう一つ、これは穿った見方といえるかもしれませんが、沖縄県を防衛する装備であれば従来の地対艦誘導弾では射程不充分となりますが、敢えて島嶼部と明記している背景には、広大な南西諸島を想定したもので北海道配備は想定していない、500kmですと北海道から沿海州まで届くため、こうした配慮もあるのでしょうか。
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短距離弾道弾を開発。攻撃的な装備は憲法上自省する我が国に在ってですが、広大な南西諸島全域に守備隊を配置する事は簡単ではありません、するとどうしても射程の大きな装備が必要となりまして、短距離弾道弾の開発を研究している、という報道は過去に在りました。この種の装備は珍しくは無く、隣国の韓国が装備している玄武2などがあります。
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短距離弾道弾、これは産経新聞が2013年6月26日に産経新聞が"陸自に短距離弾道弾-沖縄配備で尖閣防衛-防衛対抗へ盛り込みへ"として報じたものです。さすがに弾道ミサイルはないだろう、と思ってはみたものですが、南西諸島防衛を念頭とする場合、既に開発されている地対艦誘導弾などは北海道防衛用であり、広い南西諸島を護るに射程が足りません。
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88式地対艦誘導弾と12式地対艦誘導弾、陸上自衛隊が装備する地対艦誘導弾はこの二種類です。88式地対艦誘導弾が射程百数十km、概ね180km程度の射程と理解されていまして、12式地対艦誘導弾は200km前後と理解されています、が、広大な南西諸島を考えた場合は複数の島嶼部へ配備する必要があり、またこの射程では各島で相互の連携も出来ません。
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12式地対艦誘導弾については、その任務変容に比較して射程が抑えられているとの観点から射程の延伸型も研究されており、この射程の不充分という点には将来転機が在るのかもしれませんが、島嶼防衛用高速滑空弾は対艦誘導弾ではなく島嶼部に上陸した敵を想定するものであり、MLRS多連装ロケットシステムのような水際撃破を想定した装備といえる。
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射程についてですが、産経新聞報道に際して、短距離弾道弾にかんする運用としまして、沖縄本島へ配備し、南西諸島全域を防衛する用途であり、しかし周辺国への脅威を及ぼさないとの配慮から射程は500km程度に抑える、という報道もあり、この高速滑空弾についてもこの射程500kmというものが一つの射程への基準となっている可能性もあるでしょう。
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