■衝撃の秋田山口建設中止
河野防衛大臣からの突然と云えた衝撃のイージスアショア秋田山口建設中止発言から一晩が経ちました。
イージスアショア建設突然の中止、昨日の突然の発表には驚きました。NHK報道によれば、自民党は本日合同会議を開いたとのことで、その席上で安全保障調査会長を務める小野寺元防衛大臣は、ブースターはコントロールできるとの説明を防衛省より受けていた事を発言し、驚きを隠せない様子であったようです。しかし、ミサイル防衛、現実問題大丈夫か。
まや型ミサイル護衛艦、4隻を増強しミサイル防衛に充てるべきではないか。イージスアショアは日本本土への北朝鮮核攻撃を阻止する手段としてイージス艦のイージスミサイル防衛システムが挙げられるのですが、イージス艦には艦隊防空という主任務があり、乗組員の疲労もある為に延々洋上に置く事は出来ず、そのための交替や整備容易な陸上型でした。
イージスアショアの建設費用。しかし、イージス艦よりも優位とされたイージスアショアは当初、THAAD高高度終末迎撃ミサイルと比較した際に一基当たり650億円という見積が示されていましたが、実際には2基で6000億円を超える費用を要する事が2018年7月23日付報道により示されています。一説には6600億円に達するという見積もある程です。
はぐろ。まや型護衛艦2番艦として建造が進むイージス艦はぐろ建造費は1730億円です、6000億円以上というイージスアショア建設費は、まや型4隻を建造した場合で6920億円、実際には設計図等まや型2隻の建造に必要な費用を量産効果で差し引く事が出来ますのでもう少し低く抑えられるのですが、明らかに複数イージス艦を建造した方が合理的といえる。
ミサイル防衛専従部隊として新造イージス艦4隻を第9護衛隊を自衛艦隊直轄として舞鶴基地に配置、現在の護衛隊群護衛隊は8個編成で、シーレーン防衛やプレゼンスオペレーションといった任務がある中からイージス艦をミサイル防衛へ差し引いている事が艦隊に負担を掛けているのです、それならば専従のイージス艦だけの護衛隊を新編すればよい。
イージス艦で高雄型重巡洋艦の高雄と妙高型重巡洋艦の那智、巡洋戦艦として設計された金剛型戦艦の榛名と比叡、この名前が空席ですので、揃えられる、勿論こんな妙な考えから提案しているものではありません。イージスアショアは建設費用が上記の通り不確定要素が多く、更に建設費が拡大する懸念もある、しかし、まや型ならば建造実績がある、と。
LMSSR。イージスアショアは海上自衛隊で採用実績のあるSPY-1系統の延長線であるSPY-6ではなく、ロッキードマーティン社製LMSSRを、日本製アンテナ素子を多用しており国内への景気刺激作用等があるとして採用していますが、LMSSRそのものの開発費用に不透明な部分があり、ここが価格高騰を呼ぶ可能性も否定できません。完成していない。
BADGEシステム。完成していないシステムを安価であり国内へ波及効果がるとして導入しようとし大失敗した事例には1962年の航空自衛隊防空管制システムの事例があります。この際にはヒューズ社の開発中の新システムとアメリカ空軍の戦域用システム延長線上にあったGE社製等が提案されましたが、開発関与する事で費用を抑えられる案を選定します。
ヒューズ社が提案したTAWCSシステム、アメリカ海軍の艦隊防空システムを陸上防空方に転用する改良型を東芝と三菱電機と共に開発を進めましたが、共同開発の情報共有への齟齬から思うように開発が進まず、結局130億円という見積、これは当時最新のF-104戦闘機30機分に相当、この費用は最終的に253億円に達しGEの完成品より遥かに高額となっています。
LMSSRが第二のBADGEシステムとなる恐れはないのだろうか、そもそもイージスアショアの導入は海上自衛隊が長年構築し信頼性を高めたイージスミサイル防衛システムの運用にあるのだから、ここに敢えて技術的冒険を行う必要は無く、そもそも当初見積もりは既存イージス艦の建造費からイージスシステム以外を差し引いたもの、LMSSRは想定外だ。
89式装甲戦闘車を1060両取得できる。イージスアショアは陸上配備型であり、その運用は陸上自衛隊が実施する事となっています、その予算も陸上自衛隊割当でしょうが当初見積もりよりも高騰した金額は実に5300億円に達し、これは89式装甲戦闘車に単純換算するならば1060両分に相当します、96式装輪装甲車ならば5580両という想像できない数である。
普通科連隊は師団と旅団隷下の総数が38個ですので、イージスアショアの当初見積もりよりも高騰した金額だけでも、89式装甲戦闘車の調達に回したならば、各普通科連隊に28両、2個中隊を装甲戦闘車で充足できる事を示しまして、これならば戦車削減後の機動打撃も万全と云え、安易に“見積もりが甘かった”という表現で許されるものではありません。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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河野防衛大臣からの突然と云えた衝撃のイージスアショア秋田山口建設中止発言から一晩が経ちました。
イージスアショア建設突然の中止、昨日の突然の発表には驚きました。NHK報道によれば、自民党は本日合同会議を開いたとのことで、その席上で安全保障調査会長を務める小野寺元防衛大臣は、ブースターはコントロールできるとの説明を防衛省より受けていた事を発言し、驚きを隠せない様子であったようです。しかし、ミサイル防衛、現実問題大丈夫か。
まや型ミサイル護衛艦、4隻を増強しミサイル防衛に充てるべきではないか。イージスアショアは日本本土への北朝鮮核攻撃を阻止する手段としてイージス艦のイージスミサイル防衛システムが挙げられるのですが、イージス艦には艦隊防空という主任務があり、乗組員の疲労もある為に延々洋上に置く事は出来ず、そのための交替や整備容易な陸上型でした。
イージスアショアの建設費用。しかし、イージス艦よりも優位とされたイージスアショアは当初、THAAD高高度終末迎撃ミサイルと比較した際に一基当たり650億円という見積が示されていましたが、実際には2基で6000億円を超える費用を要する事が2018年7月23日付報道により示されています。一説には6600億円に達するという見積もある程です。
はぐろ。まや型護衛艦2番艦として建造が進むイージス艦はぐろ建造費は1730億円です、6000億円以上というイージスアショア建設費は、まや型4隻を建造した場合で6920億円、実際には設計図等まや型2隻の建造に必要な費用を量産効果で差し引く事が出来ますのでもう少し低く抑えられるのですが、明らかに複数イージス艦を建造した方が合理的といえる。
ミサイル防衛専従部隊として新造イージス艦4隻を第9護衛隊を自衛艦隊直轄として舞鶴基地に配置、現在の護衛隊群護衛隊は8個編成で、シーレーン防衛やプレゼンスオペレーションといった任務がある中からイージス艦をミサイル防衛へ差し引いている事が艦隊に負担を掛けているのです、それならば専従のイージス艦だけの護衛隊を新編すればよい。
イージス艦で高雄型重巡洋艦の高雄と妙高型重巡洋艦の那智、巡洋戦艦として設計された金剛型戦艦の榛名と比叡、この名前が空席ですので、揃えられる、勿論こんな妙な考えから提案しているものではありません。イージスアショアは建設費用が上記の通り不確定要素が多く、更に建設費が拡大する懸念もある、しかし、まや型ならば建造実績がある、と。
LMSSR。イージスアショアは海上自衛隊で採用実績のあるSPY-1系統の延長線であるSPY-6ではなく、ロッキードマーティン社製LMSSRを、日本製アンテナ素子を多用しており国内への景気刺激作用等があるとして採用していますが、LMSSRそのものの開発費用に不透明な部分があり、ここが価格高騰を呼ぶ可能性も否定できません。完成していない。
BADGEシステム。完成していないシステムを安価であり国内へ波及効果がるとして導入しようとし大失敗した事例には1962年の航空自衛隊防空管制システムの事例があります。この際にはヒューズ社の開発中の新システムとアメリカ空軍の戦域用システム延長線上にあったGE社製等が提案されましたが、開発関与する事で費用を抑えられる案を選定します。
ヒューズ社が提案したTAWCSシステム、アメリカ海軍の艦隊防空システムを陸上防空方に転用する改良型を東芝と三菱電機と共に開発を進めましたが、共同開発の情報共有への齟齬から思うように開発が進まず、結局130億円という見積、これは当時最新のF-104戦闘機30機分に相当、この費用は最終的に253億円に達しGEの完成品より遥かに高額となっています。
LMSSRが第二のBADGEシステムとなる恐れはないのだろうか、そもそもイージスアショアの導入は海上自衛隊が長年構築し信頼性を高めたイージスミサイル防衛システムの運用にあるのだから、ここに敢えて技術的冒険を行う必要は無く、そもそも当初見積もりは既存イージス艦の建造費からイージスシステム以外を差し引いたもの、LMSSRは想定外だ。
89式装甲戦闘車を1060両取得できる。イージスアショアは陸上配備型であり、その運用は陸上自衛隊が実施する事となっています、その予算も陸上自衛隊割当でしょうが当初見積もりよりも高騰した金額は実に5300億円に達し、これは89式装甲戦闘車に単純換算するならば1060両分に相当します、96式装輪装甲車ならば5580両という想像できない数である。
普通科連隊は師団と旅団隷下の総数が38個ですので、イージスアショアの当初見積もりよりも高騰した金額だけでも、89式装甲戦闘車の調達に回したならば、各普通科連隊に28両、2個中隊を装甲戦闘車で充足できる事を示しまして、これならば戦車削減後の機動打撃も万全と云え、安易に“見積もりが甘かった”という表現で許されるものではありません。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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