春生まれで春が好きだったのに、花粉症で外出がつらいこのごろ。いつの間にか、この季節は籠って本を楽しむことが増えた・・といって縄文の合間であるが。
もともと、私は少年時代から理科系で科学好きだったので、この季節は理科系の人(今の職業というより理科系出身者や理科系の思考に長けている方か)の書いたものを読むとイキイキしてくる。
最近心に残った本としては、魂の問題を追った本「精神の考古学」(中沢新一著 新潮社 2024)に感動した。仏教だけでなく三位一体の神のキリスト教も理解されたうえで語られており勉強になった。縄文を語る上でも大事な本だと感じた。
また、ギリシャの沈没船での謎の歯車で作られた機械を追った「アンティキティラ 古代ギリシャのコンピュータ」(ジョー・マーチャント著 木村博江翻訳 文芸春秋 2009)は天体と宗教や生活に大事な暦に関する、2000前のギリシャの信じられない知見。さらに、沈没船からの機械を100年くらいかけて解明しようとする人間の真実にむけられる飽くなき好奇心に深く感動した。
そして「脳と魂」(養老孟司、玄侑宗久共著 ちくま文庫 2009)。コロナ前の本ではあるが話題が新鮮で、科学がまだ解明できていない記憶の問題や、宗教体験をシステム的にかたる面白さには驚いた。また、DNAが分かればすべては解明できるというよう な考え方の問題も指摘されていて、科学万能主義の限界や宗教の存在意義についても考えさせられた。
さらに、まだ読み進めている段階なのだが、「おいしさの人類史」(ジョン・マッケイド著 中里京子訳 河出書房新社 2016)は五感と人、さらに生命体を考える上で欠くことができない知見を与えてくれるようである。5億年前のカンブリア紀の三葉虫の化石の中で、ミミズ状の動物を捕食する化石の発見から話が始まるのはすばらしい。ちょうど帝京大学の総合博物館で企画展「ホネホネワンダーランド」で恐竜の骨やアウストラドピテクスの頭骨など夥しい骨を見てきたこともあり、興味津々である。
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3/10 五感と縄文時代
この記事は「生き甲斐の心理学」ーCULLカリタスカウンセリングの理論 ユースフルライフ研究所主宰 植村高雄著 監修2008年第3版 を参考にしています。
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「縄文小説 森と海と月 ~五千年前の祖先の愛と魂~」
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森裕行