物理と数学:老人のつぶやき

物理とか数学とかに関した、気ままな話題とか日常の生活で思ったことや感じたこと、自分がおもしろく思ったことを綴る。

代数学の歴史

2015-09-03 11:19:34 | 数学
オランダの数学者ファン・デア・ヴェルデンの『代数学の歴史』(現代数学社)を一度見てみたいと思っていた。昨日、名古屋大学の T さんに会ったあとで、E 大学の図書館で同書の四元数のところを読んでみた。

読んでみた限りでは私が小著『四元数の発見』(海鳴社)に書いたよりも意義深いことは書かれてはいなかった。ひょっとして『代数学の歴史』の中には私の考えもしなかったことが書かれているのではないかと恐れていた。

同書では文献は私よりも多くの文献を渉猟しているとは思うが、私のほうがより突っ込んだ考察をしているのではあるまいか。

これは私は四元数にのみ焦点をあてているが、ファン・デア・ヴェルデンはもっと広い領域を取り扱っているのだから当然ともいえる。

四元数 a の2乗 a^{2}が-1になるような a の値が無限にあるということだって、私が四元数について書き始めたころには日本語のwikipediaには詳しい説明はなかったと思うが、私が昨年の10月に『四元数の発見』を発行した後で、wikipediaを検索してみたら、そこには詳しい、私の書いたことと同じ程度の説明がある。

これはどちらが先だとかいうことではなく、そういう認識が時期を同じくして出てきたということである。

確かに、私も他の人たちの業績の上に立って『四元数の発見』を書いたことは事実である。だが、インターネットで結果しか与えられていなかった事項について導出のしかたを含めた十分な説明を述べたつもりである。そこらあたりが実際に私が本を書くときに苦労したところなのだが。


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