萩尾望都氏が「ポーの一族」の新作を40年ぶりに描くと言うので、 「月刊flowers7月号」を本屋で予約をしました。予約を入れて本を買うなどと、最近ではめったにというかほとんどない事でしたので、その気合の入れようが分かっていただけると思います。
普段は少女コミック雑誌に、すでに見向きもしなくなった世代の方々が、この「ポーの一族」のみで、この雑誌を手に入れようとするのは予想できることなので、私も絶対に逃したくないと思いました。
発売日の28日に書店に受け取りに行くと、予約棚にはまだ同じように予約されたこの雑誌が数冊置いてありました。
私は心の中で思ってしまいました。
― 見知らぬあなた ! あなた様は「ポー」のお仲間ですね。
って。
月刊flowers(フラワーズ) 2016年 07 月号 [雑誌] | |
小学館 | |
小学館 |
この表紙になっているエドガーが予告でも見た彼だと思うのですが、私はそれを見た時にちょっと不安にもなり、ある種の覚悟をもってこの雑誌のページをめくりました。
40年の歳月が作者の絵のタッチを変える事は当然の事ですし、それゆえに名作を世に送り出し続ける事が出来たとも言えるでしょう。
ところが読み手である私たちの中にある「ポーの一族」の世界では、あのエドガーとアランが彼らなのですよね。
絶対にギャップを感じるに違いないと思いました。
正直な事を言ってしまうと、一回目に読んだ時にはやはりそのギャップが埋まらず、物語がすんなりと頭に入ってきませんでした(理解能力の低下かも知れませんが。)。
特にアランが、私的にはショックレベル。彼は私をこの世界に引きずり込んだ大事な人なのです。かつては彼の孤独に満ちた見開かれた目を借りて、エドガーたちを見ていたように思うのです。少女時代には、何度も同じようなアランの目が描きたくて練習したことなどを思い出しました。
だけど間を空けて読み直しました。
するとすでに私の脳が、彼らをエドガーとアランだと認識したのか、今度はすんなりと物語を受け入れたのでした。
1944年のエドガーとアラン。
戦時下のイギリスでドイツから来た少女とどのような物語を紡ぐのかー。
明言された言葉がないものの、このドイツから来た少女の父親はユダヤ人なのだろうか、それとも・・・・。
ドイツから来た少女、ブランカとエドガーが心を通わせたところで今回は終わり。
次回は冬だそうです。
期待出来ます。
エドガーとアランに再会できて、本当に嬉しい !!!
「わたし、待っていたんだから。」
ああ、なんかリデルになったようなセリフですね。
ところで「月刊flowers7月号」には、『萩尾望都と山岸亮子のプレミアム対談』も載っています。
こちらも読みごたえ十分でした。
今、「重版出来」と言うドラマに嵌っているので、萩尾氏がネームを編集者に見せた事がないと言う一言は印象深かかったし、今回の連載の反応も気にしている事も萩尾氏らしいなと思いました。
この雑誌の残りの90%は、私にとっては本当は無用なページとも言えるのだけれど、そんなゲスイ事は言わないで、少しずつですがちゃんと前頁を読みたいと思います。