flow Trip -archive-

「漂い紀行 振り返り版」…私の過去の踏査ノートから… 言い伝えに秘められた歴史を訪ねて

医王寺廃寺

2015-11-02 00:00:00 | ほとけのいおり

(愛知県宝飯郡小坂井町篠束字郷中・西宮 1991年1月20日)
 大宝元年(701)文武天皇が病気になった際、陰陽師が「三河国勝岳山に仙人あり(三河国に隣接する美濃国恵那郡上村勝岳山大船寺:岐阜県恵那市上矢作町大船神社前身のことか)、この仙人が加持祈祷致さば即平癒せん」と言った。そこで勅使を勝岳山に遣わし、渡津郷に至り篠束に泊した。その夜、夢でお告げがあり、無事勝岳山に到達することができ、仙人に加持を願った。その後天皇は病気が治り、天皇はこの地に薬師如来を祀る伽藍を建て、天牛山医王寺を開山した。然し、延暦年間(782-806)火災により焼失したが、間もなく桓武天皇により再建され、弘法大師作の仏像を安置したという。その後、長寛年間(1163-65)に再び火災となり、旧医王寺は廃寺となった。現在の医王寺は、宝暦十年(1761)曹洞宗として再興したものである。境内には塔の心礎が残り、付近からは奈良時代の布目瓦も出土している。

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