(静岡県熱海市)
私からすると、温泉が湧く街というよりは、廃墟を生む街という印象がある。初めて訪れたのは21世紀になったばかりの頃。以降、遺跡のような光景が増え続けている。渚町の増築雑居ビルや、広大な空き地となっている玉乃井本館跡も変わらずときが経過している。和田浜の長らくシートが掛けられていた海浜ホテルや松濤本館跡も一昨年解体されたが、背後の斜面を通る国道135号線の法面が崩れる恐れがあるため、崖側の躯体のみが残された異様な姿となった。海浜ホテルからウオミサキホテルを挟んで南側の市営八幡山住宅は、糸川周辺や海岸等にあったバラックや熱海大火で焼け出された人等が移り住んだ、昭和35年(1960)に築造されたRC造4階の集合住宅であるが、不法転貸や耐震構造問題、立ち退き要求訴訟等諸問題により閉鎖されたままとなっている。
(八幡山住宅)
(松濤本館跡)
(海浜ホテル跡)
(玉乃井本館跡)
(熱海グランドホテル跡)