田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

札幌市の都市緑地めぐり⑦ 石山緑地

2020-06-17 16:28:46 | 札幌市の公園・緑地・緑道

 特異な形状をもった「石山緑地」は、訪れた者が異空間に誘い込まれたような錯覚に陥る。特にネガティブマウンドと称する「石の広場」はまるでヨーロッパの古代遺跡に迷い込んだようにさえ感ずる。石山緑地は、間違いなく札幌市を代表する公園と言って良いだろう。

   

   ※ 「石山緑地」を代表するネガティブマウンド(野外ステージ)です。

      118,810㎡(ドーム2個分強)

   

 「石山緑地」の場所を説明するのは難しい。これまで何度も行ったことのある私でも今回訪れた時には迷ってしまったほどである。ここでは札幌市南区の石山地区にあるとだけ説明しておこう。

 「石山緑地」の指定は1993年と比較的早くから指定されている都市緑地である。辺り一帯は「札幌軟石」が産出された場所で、明治年間から昭和初期にかけて盛んに発掘された跡である。緑地は中央に道路が走り、大きく北と南のブロックに分かれる。(緑地マップ参照のこと)異空間に誘い込まれたような錯覚に陥るのは南ブロックの方である。

 南ブロックは、札幌軟石の石切り場跡に5人の彫刻家たちが札幌軟石を活用した彫刻やさまざまなテーマの広場を形成した緑地である。

   

 「石山緑地」と刻まれた園名板(石)のところから中に入ると、「芝生広場」、「水の広場」と続く。水の広場には「スパイラルスプリング」という大きな彫刻があり、夏は水が通っているのだが、コロナ禍ということもあり水は通されていなかった。

   

   ※ 緑地に入った直後にあった「手つなぎ石」と題する彫刻です。

   

   ※ 通常はこのスパイラルスプリングの塔の上から水が溢れ出しているのですが…。

   

   ※ そうしたその水がこのスパイラルな水路に流れ込むはずなのですが…。

 続いて、沈黙の森、オブジェ「赤い空の箱」の前を通り「石の広場」に出る。ここに「ネガティブマウンド」と称する野外ステージがある。札幌軟石を用いて円形状に階段席を設けたところなどは中世ヨーロッパの野外劇場を彷彿とさせる。また広場の背景は切り出されずに残った札幌軟石が広場を覆うように見上げるほどの崖状に聳え立っている。

   

  ※ 南ブロックはこうした切り出されずに残った札幌軟石があちこちに顔を出しています。

   

   ※ 東屋風の建物も他とはちょっと違った雰囲気です。

   

   ※ 東屋風の中にあったテーブルです。これは札幌軟石ではないように思われますが…。

   

   ※ 灰色一色の空間の中で、まったく異色、異質なオブジェが目を惹きます。

   

   ※ 「石山緑地」のシンボル、ネガティブマウンドです。高いところから撮るとなおその素晴らしさが伝わるのですが…。

   

 最奥部は「彫刻広場」と称されたところだが、そこにあった彫刻は直線状の同じような形のものばかりでやや期待を削がれた思いがしたのは残念だった。

   

   ※ 彫刻広場です。私が見逃していることも考えられますが、ちょっと寂しい。

   

   ※ この背景が異空間的雰囲気を醸し出しています。

 さらに一帯に配されたベンチなどもオリジナルな形状のベンチが目を引いた。

   

   ※ 緑地内に配されたベンチも磨きこまれた石が鎮座していました。

   

   ※ 緑地内の街灯の基部にも石が嵌め込まれて…。

 続いて北ブロックであるが、こちらはこれまで訪れた緑地と大同小異という感じで、ゲートボール場、テニスコート、コンビネーション遊具などが配された都市公園風の造りとなっていた。

   

 ※ 早くに公園化されたところにはこうした使われなくなったゲートボール場が目立ちます。

   

   ※ テニスコートは崖下にあり、崖のところに札幌軟石の切り出し跡が…。

    

   ※ 子どもたちのためのコンビネーション遊具も備えられて…。 

 「石山緑地」の特に南ブロックは、これまでの私の緑地観を覆すほどのものだった。その土地の特徴を最大限に生かし、異空間とも思える緑地を創り出したことは一札幌市民としても誇らしい思いだ。札幌の歴史を、そして産業を伝える公園として広くPRして良い緑地だと感じた。

   

   ※ 北ブロックにはこのような森の中を散策する通路もありました。

   

   ※ 北ブロックで唯一、南ブロックとの共通点となるモニュメント(?)がありました。

                  


札幌市の都市緑地めぐり⑥ 小金湯さくらの森緑地

2020-06-16 15:47:40 | 札幌市の公園・緑地・緑道

 文字通り「さくらの森」づくりを目ざしている緑地である。目ざしているというように桜の名所となるにはまだまだ時間が必要である。しかし、緑地全体は気持ちの良いほど整備され、人々が寛ぐには絶好の緑地である。

   

   ※ 緑地内にはこうしたさくらの幼木が等間隔に植えられていました。

 小金湯さくらの森緑地    123,567㎡(ドーム約2.5個分)

   

   ※ さくらの森案内図です。図の左側が定山渓に向かう国道です。

 「小金湯さくらの森緑地」は、札幌市内から定山渓を目ざし国道を走っていると、小金湯という小さな温泉場があるが、そちらとは道路の反対側に広がる緑地である。

   

   ※ 国道のすぐ横に立派な園名石が鎮座していました。

 緑地のビジターセンターにあった資料によると、以前は札幌市の農業センターがあったところだという。平成7年に農業センターが移転となり跡地活用が話題となった際に商工会議所などから「桜の名所づくり」が提唱され、現在に至っているという。

   

   ※ 駐車場も最近できた施設として広々と取られていました。

   

 ※ ビジターセンターです。内部は休憩室とトイレ、事務所(ふだんは不在?)などがありました。

 緑地は国道から小高い丘に向かって長方形の形で広がっていた。訪れたのがさくらの花の季節ではなかったので、さくらの幼木が緑地の中にたくさん植わっていた。資料によると11種、約900本の桜の木が植樹されているという。緑地として指定されたのが2016年で、それから植樹が始まったということなので植わっている木々はまだまだ小さかった。私は2年前のさくらの花の季節に訪れたことがあったが、まださくらの花を愛でるという段階ではなく、おそらく見頃を迎えるにはまだ少し時間が必要に思われる。

   

   ※ 幼木の下部が覆われているのはシカの食害から免れるためでしょうか?(低すぎる?)

   

   ※ こちらもまだまだ幼木ですね。この辺りの芝生はイマイチですが全体は素晴らしい!

   

   ※ このようにさくらの種についての説明板も完備していました。

 さくらの木より驚かされることがあった。それはさくらの木の周りである。芝生がびっしりと敷き詰められ、それがきれいに刈り揃えられて、とても気持ちの良い空間となっているのだ。これだとさくらの花を愛でることはできなくとも、天気の良い日などはピクニック気分で寛げる素晴らしい空間となっていた。

   

   ※ ビジターセンターからさくらの森の中央を一直線に散策路が伸びていました。

   

   ※ その散策路の最終地点にはなぜか愛の鐘(?)が…。

   

   ※ 中央の散策路を反対にビジターセンター方向に撮ってみました。

 緑地内に植樹された木の葉の剪定をしていた女性の方に聞いてみた。すると常時緑地内の維持管理に従事する方が5~6名いるとのことだった。それだから芝生もきれいに管理されるはずだ。そう話している横を自動芝刈り機に乗った男性作業員が通り過ぎて行った。

   

   ※ このように専任でさくらの森を維持管理する方々が5~6人いるとのことでした。

 緑地の奥の丘の上には立派な東屋風の休憩所があり、さらに奥には近くの八剣山も望める展望台も備えられていた。

   

   ※ 森の奥の方にもこのような東屋風の休憩所が…。

   

   ※ さくらの森の最奥部にあった展望台です。

   

 ※ その展望台からは八剣山の特異な姿と、田植えを終えたばかりの水田が目に入りました。

 多種多様なさくらの花を市民が愛でられるようになるには、しばらくの時間が必要だが、現在でも十分に市民の憩いの広場として楽しむことができる「小金湯さくらの森緑地」だと思われた。

 

 


札幌市の都市緑地めぐり⑤ 荒井山緑地

2020-06-14 19:12:11 | 札幌市の公園・緑地・緑道

 緑地の入口に「関係者以外の車両の進入を禁止します」とあった。「えーっ!?市民には解放されていない緑地なの?」と思ったが、冷静に読むと車両の進入禁止である。私は車をそこに置き、そこから自分の足で荒井山緑地を巡った。

   

   ※ 荒井山緑地を象徴する一枚として、丸太階段を登る途中で撮影しました。

 荒井山緑地    88,281㎡(ドーム約1.5個分)

  

 「荒井山緑地」は少年少女向けのスキージャンプ台「荒井山シャンツェ」があるところとして知られている。場所は岩倉山小学校の隣、岩倉山ジャンプ競技場に向かう途中にあるのだが、私は傍を通ったことはあるものの辺りを巡ってみたことはなかった。

 幹線道路から荒井山緑地を目指す引き込み線に入って直ぐのところに、リード文に示すような看板があり、ゲート閉められていた。一瞬戸惑ったが、そこに車を置き、歩いて緑地内を巡ることにした。

   

   ※ この表示に最初は度肝を抜かれました。

 最初に「荒井山シャンツェ」に向かった。舗装道路をえっちらおっちら上った。車で行けたら楽なのだが…。しばらく行くと荒井山シャンツェの管理棟が建っていた。そしてその横には二つのジャンプ台が並んでいた。ミディアムヒル(K点55m、ヒルサイズ62m)とスモールヒル(K点25m、ヒルサイズ25m)だそうだ。二つのジャンプ台共に夏季も使用できるような設備が整ったジャンプ台だった。

   

   ※ このような急な舗装路をえっちらおっちら上りました。

   

   ※ その先にあったのがジャンプ台の管理棟(?)でした。「立入禁止」看板が!

   

   ※ この写真一枚撮るだけの間、ちっょと失礼しました。

 荒井山緑地は緑地マップでもお分かりのように緑地の真ん中にジャンプ台があるだけで、他は何にもない。しかし、子細に見ると別方向に「丸太階段」、「休憩所」とある。私は一度坂を下り、入口の所まで戻って、ジャンプ台とは反対方向を目指した。

 この丸太階段がきつかった。ぐいぐいと高度を増していく。たちまち向かい側に見える岩倉山小学校の校舎が眼下に見えるようになった。

   

   ※ 丸太階段とその横には舗装の坂道も…。私は舗装路を登りました。

   

   ※ 上る途中で見た二つのジャンプ台です。

 途中には「荒井山展望台」があり、そこからは眼下の大倉山小学校、そして遠くには札幌市街地を見渡すことができた。

   

   ※ 荒井山はもともとは市民スキー場だったのですね。

   

   ※ 「荒井山展望台」から見た光景です。

 坂はまだまだ続いた。そしてマップにある休憩所に着いた。休憩所といってもベンチがあるわけでなく、ただのちょっとした広場といった感じである。当初はベンチもあったのかもしれないが、利用者が多いとはとても思えず、朽ち果ててしまったのかもしれない。ただ「大倉山競技場」と書かれた案内板がポツンと立っていた。その方向には確かに森林の中へ向かう細い道が続いていたが、とても踏み込む勇気は持てなかった。「札幌50峰」の一つである荒井山を登られた函館市在住のsakagさんによると、その先に荒井山の山頂標識があるとのことだったが…。

   

   ※ さらに丸太階段は続きました。写真の印象よりずっーと急な坂でした。

   

  ※ 着いた休憩所というところです。大倉山競技場は写真のようなやぶ漕ぎのようです。

 「荒井山緑地」を訪れてみて、緑地が完全に荒井山シャンツェのためにだけに存在しているような印象をおぼえた。ジャンプ場関係者にとっては望ましい形なのだとは思われるが、いかにももったいない思いがした。ジャンプ台の下部の方にマップでは薄く通路のようなものが見えるが、実際には深い雑草に覆われたままだった。ここらあたりを整備して市民向けの散策路を造成するなどすることで有効利用を図っては?と思うのだが…。ただ、二つのジャンプ台のためだけにドーム1.5個分を占有するのはどうなのだろう?緑地の目的そのものからは逸脱はしていないのだが…。

   

 ※ 「荒井山緑地」の下部はごらんのような状況で、とても散策できる環境ではありません。

 そう思いながら緑地を後にしようとしたら、入口で女子中高生のグループに出会った。聞くとジャンプのトレーニングに訪れた、ということだった。未来のオリンピック選手?


札幌市の都市緑地めぐり④ 天神山緑地

2020-06-12 18:31:18 | 札幌市の公園・緑地・緑道

 「天神山緑地」は、ある意味で都市緑地の典型的な姿を具現している緑地なのかもしれない。緑深い小さな山には展望広場あり、芝生広場あり、遊戯広場ありとさまざまな設備が整えられているうえ、文化を醸成するための施設、地域の歴史を伝える碑が立てられているなど、満載の緑地である。

   

   ※ 緑濃い散策路が印象的な「天神山緑地」です。

 天神山緑地    64,178㎡(ドーム約1個分)

   

   ※ 天神山緑地のマップです。緑地に囲まれた白い部分は民有地のようです。その中に「天神藤」があります。

 「天神山緑地」は、地下鉄「南平岸駅」から徒歩で15分程度で行くことのできる都市の真ん中にある小さな天神山(標高89m)全体が緑地として指定されているところである。

   

   ※ 立派な園名板(石)が鎮座していました。

 緑地全体は緑がしっかりと保存され、大きな木々に囲まれた中に散策路が張り巡らされている。(緑地マップを参照のこと)

 天神山緑地を特徴づけるのは「天神山国際ハウス」だった。“だった”と記したのは、天神山国際ハウスは国際交流が目的で訪れた外国人が調査・研究・会議などのために宿泊する施設として建てられたのだが利用者減に伴い2008年に閉館となった。その後、同施設の再活用のため国内外のアーティストの活動場所として「さっぽろ天神山アートスタジオ」として2014年にリニューアルオープンしている。国際ハウスだった時代の名残として近くには小さな日本庭園がある。

   

   ※ 「さっぽろ天神山アートスタジオ」(元天神山国際ハウス)の建物です。

   

   ※ 元天神山国際ハウスの傍にある小ぶりの日本庭園です。(下の写真も)

   

 さて、肝心の緑地としての施設だが、国道453号線沿いの駐車場のところから緑地に入ると、大きな木々に囲まれた中に、展望広場、芝生広場、遊戯広場、自由広場(ゲートボール場)などが点在しており、市民が寛ぐ場所として絶好のシチュエーションではないだろうか。

   

   ※ わずかに高くなった展望広場から市内を見渡せます。 

   

   ※ 子どもの遊具を備えた遊戯広場です。

   

   ※ 今やプレーする人が稀なゲートボール場(自由広場)です。

 さらに緑地の一角には「平岸開基120年記念碑」「久保栄文学碑」「平岸林檎記念歌碑(石川啄木)」など、地域の歴史を伝える石碑が立てられている。ちなみに久保栄は平岸の林檎園を題材とした「林檎園日記」を著したことを顕彰されたのだろう。また、石川啄木は「石狩の都の外の君が家林檎の花の散りてやあらむ」という歌を詠んだというが、歌そのものは恋人のことを詠んだ歌なのだが、平岸の林檎のある風景を詠んだことで記念歌碑として採用されたのだと思われる。

        

         ※ 「平岸開基120年記念碑」です。

   

   ※ 久保栄文学碑です。「林檎園日記」と読めます。

   

   ※ 「平岸林檎園記念歌碑」です。歌の部分は経年劣化で読めませんでした。

 また、「天神山緑地」の敷地には入っていないが、緑地に囲まれるようにして「天神藤」という藤園がある。当初は個人の藤園だったようだが、2016年に札幌市に寄贈され現在は札幌市が管理している。今年はコロナ禍のために入園はできなかったようだが、私は2年前の満開時に訪れた経験がある。それは見事な藤色の花が藤棚から溢れんばかりに垂れ下がっている光景に目が癒された経験がある。

   

   ※ 「天神藤」が札幌市の管理下になったことを示しています。

   

   ※ コロナ禍のため入園不可でしたが、望遠で藤棚を撮りました。

 「天神山緑地」は面積がドーム約1個分強と比較的小さな緑地だが、近隣住民が憩うには十分な機能が揃っている。はたしてこの「天神山緑地」が理想的な緑地なのかどうかはまだ判断できないが、リード文でも記したようにある意味で典型的な緑地の一つなのではないか、と今のところ思ってはいるのだが…。

   

   ※ 「天神山緑地」の一角です。

   

   ※ 各所にベンチや東屋、水飲み場などが配置されていました。


札幌市の都市緑地めぐり③ 中の川緑地

2020-06-11 17:06:12 | 札幌市の公園・緑地・緑道

 長~い、長~い「中の川緑地」だった。「中の川緑地」は新川に合流する河口から上流に向かう堤防上を散策路として整備された約4キロにわたる長~く、細~く伸びる緑地だった。

   

   ※ 「中の川緑地」の一つの風景だが、川側は写真のように枡の中で樹を育成していた。

 中の川緑地   126,001㎡(ドーム約2.5個分)

   

 「中の川」は、私が緑道めぐりで訪れた「西野緑道」の山中に端を発し、札幌市の西区、手稲区を横切り、「新川」に合流する所謂「新川水系」に属する2級河川だそうだ。

   

   ※ 中の川(手前)が新川(向こう側)に合流するところです。

 緑地は新川と合流する地点から、上流に約4キロほどの両岸が緑地として指定されているようだ。(正確な情報ではないが)

 私は往路は左岸を、復路は右岸を歩こうと計画したが、JR鉄橋を越すところが左岸の場合大回りしなくてはならなかったため、一部を右岸に移って鉄橋や車道橋(「虎杖橋」と「追分橋」)の下を潜る通路を通ったために、往路が完全に左岸だけとはならなかった。

   

   ※ 「虎杖橋」、「JR鉄橋」、「追分橋」が三本並行で走っているところです。

   

   ※ その三本の橋の下を潜るために橋脚の下へ降りる階段です。

   

   ※ 三本の橋の下を一気に潜って通過するトンネルです。

 私は新川との合流地点から上流に向けて「中の川」左岸のウォーキングを開始した。するととても目立ったのが、すれ違う人の多さだった。老若男女思い思いに散策、あるいはウォーキングに励んでいる人が多かった。周りが住宅地に囲まれている証拠の一つかもしれないが、緑地が住民によく利用されていることがうかがわれた。

    

   ※ 何人もの方に花の名を伺ったのですが、どの方も知らなかった。緑地で目立った。

 そしてもう一つ目立ったのが「人道橋」の多さだった。私が歩いた約4キロの間に実に5つもの「人道橋」が架かっていた。もともと札幌市の市街地を縦断する「中の川」だから橋そのものは当然多くなる。数えてみると「車道橋」は8つ架かっていた。車道橋は当然人も渡ることができるので、両岸の人たちは合計13の橋で結ばれていることになる。この「人道橋」の多さは、緑地造成の際に両岸の人たちが一帯となることを願って造成されたのではないかと私は想像した。

 ちなみに、記録として5つの「人道橋」の橋の名を記しておくことにする。①「ゆたか橋」、②「のぞみ公園橋」、③「望の橋」、④「日時計橋」、⑤「宮富橋」の5つである。ユニークだったのは「日時計橋」である。橋の中央に棒状のものが立ててあり、底面には時刻が刻まれていて時刻が分かるようになっていた。この日はやや薄日だったが、私が通過した午後3時ころには、確かに3時の方向を影が差していた。

   

   ※ 人道橋1号「ゆたか橋」です。

   

   ※ 「のぞみ公園橋」です。

   

   ※ 「望の橋」です。

   

   ※ 「日時計橋」です。

   

   ※ 「日時計橋」の中央に設えられた日時計です。影は3時を差している?

   

   ※ 「宮富橋」です。

 驚いたのは先に示した「緑地マップ」には掲載されていない2つの「車道橋」が存在したことだった。一つは「共栄橋」のすぐ近くにあった「新発寒稲積橋」、そしてもう一つは「追分橋」、鉄道橋と平行して造られた「虎杖橋(いたどりばし)である。「中の川緑地」の告知年が1995年だから、その後になって交通量の多くなり新たな橋が造成されたのだろうか?(調べたところ「新発寒稲積橋」は2015年に、「虎杖橋」は2010年竣工となっていた)

   

   ※ 「虎杖橋」と共に緑地告知年の1995年以降に建設された「新発寒稲積橋」です。

 緑地の施設としては、堤防上であるから大きな造成物は特になく、東屋とベンチが適度に配置されているだけだった。

   

   ※ このような東屋が緑地の各所に立てられていました。

   

   ※ 普通のベンチのほかに、このようなも樹木枡を利用したベンチもありました。

   

  ※ 緑地内の散策路は全てではありませんが、こうしたレンガ色に舗装された通路でした。

 最近、体力の衰えを自覚している私にとっては長い長い往復約8キロのウォーキングだった。(まだまだ長い「新川緑地」が待っているのだが…)

   

   ※ 国道5号線が通る「追分橋」の上はさすがに交通量が多いですね。

   

  ※ 折り返し点となった「上富丘橋」です。これより上流には散策路がありませんでした。


札幌市の都市緑地めぐり② 曙西緑地

2020-06-10 16:50:32 | 札幌市の公園・緑地・緑道

 「曙西緑地」は、手稲工業団地に隣接する住宅街にある緑地で、小さいながら子どもたちのスポーツ施設やパークゴルフ場など、緑の中に人々が憩える施設が整っているように見えたのだが…。

  西    51,047㎡(ドーム1個分)

  

 JR函館線「稲穂駅」にほど近い住宅街の一角に「曙西緑地」は存在していた。そこは「山口緑地」からもそれほど離れていないところに位置していた。

   

   ※ 立派な園名板(石)が設置されていたのだが…。

 「曙西緑地」は緑地マップでもお分かりのように、バスケットリング、サッカーゴール、パークゴルフコース、芝生広場と、それほど広い面積ではないものの、地域の人たちが憩うことのできる施設がそれなりに整えられた緑地だと見えた。

 ところが!訪れた日が日曜日(6月7日)だったにも関わらず、緑地には人影がなかった。その理由が緑地を巡ってみてなんとなく分かったような気がした。

   

   ※ 球技、そのほか多用途に使用できる多目的広場です。

 私は緑地の西側から東側に向けて探索した。まず広場の一角にバスケットリングが二つあった。しかし、リングが横に並んで設えてあるため、ゲームをすることはできないようだ。サッカーゴールも同じように同じ向きに二つが並んでいるためゲーム用としては使えない。広場には残念ながらかなり草丈の高い雑草が生い茂っていた。

   

※ サッカーゴールというよりはハンドボールゴールですが、片面に2個据え付けているのは?

   

   ※ バスケットリングも遠くに見えますが、その前の雑草が気になりました。

   

   ※ 広場にはこのような素敵なベンチがあつこちに配置されていました。

   

   ※ 多目的広場とパークゴルフコースの間にあった芝生広場のテーブル&ベンチです。

 私は広場と木々が繁っている間に設けられた散策路(?)東に向かって歩いた。レンガが敷き詰められた散策路は、地域住民の方々が散歩するには相応しい散策路のように思えた。

   

   ※ 緑地に一角に真っすぐ伸びた散策路がありました。散歩コースに絶好?

   

 緑地の東側には「パークゴルフコース」があった。9ホールという小さなパークゴルフコースだったが、ここがまた最近使われた形跡がなかった。それはコロナ禍のために今春使われなかったというだけではなく、明らかにここ数年は使われていないように見えた。

   

   ※ どうも使われた形跡が見当たらないパークゴルフコース跡です。

   

 というように緑地全体がなんとなく寂れた感じが否めなかった。設置されたのは1991年だという。(当初は、ゲートボールコートが8面も造られていたようだ)私が訪れた時はたまたま地域の人たちが利用していなかっただけで、ふだんは利用されていればよいのだが、どうもそうは思えなかった。その要因は…。

 まず、バスケットボールやサッカーゴールが設置されていても、ゲームができないとなると子どもたちには物足りなく映ったのではないだろうか?また、パークゴルフコースもわずか9ホールだけというのも、熱心に取り組む人には物足りなさを感じさせたのではないか?(近くに「山口緑地」の広大なコースもあることだし…)

 というように、利用する住民の方々の立場からすると、どうも中途半端で、物足りないという思いになったのでは?と想像する。

 せっかくの貴重な緑地である。有効活用のために住民の方々と行政が知恵を出し合い、リニューアルすることを考えてはどうなのだろうか?と思えた「曙西緑地」だった。


札幌市の都市緑地めぐり① 山口緑地

2020-06-09 18:34:47 | 札幌市の公園・緑地・緑道

 「山口緑地」は、かつてのごみ処理場を緑で覆った緑地だった。小高い丘状の広大な土地に子どもや家族が寛げるエリアと、パークゴルフ場が併設されている緑地だった。また、一角には「バッタ塚」もある。

     444,280㎡(ドーム約9個分)

 「山口緑地」は札幌市の西端、小樽市との境界に近く、しかも石狩湾も望める海の近くに立地していた。その昔は札幌市のごみ処理場だったところだという。そこを埋め立てて広大な緑地にする目的で造成されたそうだ。ゴミ処理場跡だけに住宅地からかなり離れたところにあるが、駐車場は完備されていた。

   

   ※ 公園検索システムの中で、唯一(?)緑地への行き方のマップが掲載されていました。

 緑地は二つの「パークゴルフ場」と子どもや家族が憩う「西エリア」からなっていた。

   

   ※ 「山口緑地」の標識とケートです。夜間は閉鎖されるようです。

 私はまず「西エリア」を訪れた。そこには広大な緑が広がっていた。傍らには立派な管理棟が建っていて、入口で「山口緑地案内図」を入手した。その案内図をもとに「西エリア」の外周を廻ってみることにした。外周は完全舗装され、子どもたちが自転車やスケートボードなどを楽しむことができるようになっていた。外周のところどころ(3ヵ所)には「望みの丘」という展望施設があり、遠くを遠望できた。つまり「山口緑地」は小高い丘のような状態となっていた。外周を廻っていて気づいたのが至るところに防風ネットが張り巡らされていたことだ。中を確認すると、たくさんの木々が植樹されていた。ネットが張り巡らされていたのは、石狩湾が近いことから相当に風が激しく吹き寄せるのだろう。育成中の木々を厳しい風から護るためと考えられる。エリア全体はまだ木々が目立つとはいえない。近い将来、エリア全体は大きな木々に囲まれた緑地となるのだろう。

   

   ※ 西エリア(上方)とパークゴルフ東コース(下方)の案内図です。

   

   ※ 西エリアの片隅に建っていた管理事務所です。

   

   ※ 「望みの丘」と称する展望施設です。

   

   ※ 小樽方面を望む「望みの丘」の施設です。

   

   ※ こうしてローラースケートやスケートボードを楽しむ子どもたちがいました。

   

   ※ 西エリア全体で、このような防風ネットが目立ちました。

   

   ※ 防風ネットの内部では、このように若木が育成されていました。

 外周の内部には円形の広い中央ローンが広がっていた。何もない芝生広場は多目的にさまざまな活用方法があると思われる。訪れた日は日曜日だったこともあり、家族連れが簡易テントなどを立てて楽しんでいた。

   

   ※ 西エリアの中心には広大な芝生広場(中央ローン)が広がっていました。

   

   ※ 中央ローンでは、簡易テントで陽射しを避けながら楽しむ家族がいしまた。

 一角には滑り台やネットツリーなどが備えられた「子どもの遊び場」があった。住宅街からちょっと遠いのは玉に瑕だが、家族連れにとっては健康的に一日を過ごせる絶好の設備と言えるかもしれない。

   

   ※ 「子どもの遊び場」の滑り台などの施設です。

   

※ 同じく遊び場のネットツリーです。青いところは水ではなく、ペンキが塗られていました。

 続いて隣接する「パークゴルフ場 東コース」を訪れた。立派なクラブハウスを備えた5コース、45ホールの大きなパークゴルフ場である。コロナ禍でしばらく閉鎖されていて、再開後まもなくだったが待ちかねていた方々がたくさん楽しまれているようだった。

   

   ※ パークゴルフ場のクラブハウスです。

   

   ※ 整備が行き届いたパークゴルフ場の一角です。

 次に私は「西エリア」や「パークゴルフ場」からは少し離れた「手稲山口バッタ塚」を訪れた。ここは昭和10年代、北海道に大発生したバッタの駆除のため、卵や幼体を畝状にうめた塚跡として有名である。昭和53年には札幌市指定史跡に指定されている。厳しかった北海道開拓の状況を私たちに伝えてくれる貴重な史跡である。

   

   ※ 「手稲山口バッタ塚」の石標です。

   

   ※ バッタ塚ですが、微かに畝状になっているのがおわかりでしょうか?

 「山口緑地」のことで今一つ分からないのは、上記に訪れたところとは離れたところに「山口緑地パークゴルフ場 西コース」があることである。どうやらこの地区にあったもう一つのごみ処理場跡も一体として「山口緑地」と称したのではないかと思われる。その離れた「西コース」へ行ってみようと車を走らせたのだが、交通量の多い国道337号線から脇道に入るところが分からずに、結局「西コース」を訪れることを諦めたしまった。資料によると「西コース」は3コース27ホールということで、「東コース」よりはやや小規模のようだ。しかし、近接してパークゴルフ場が二つもあるということはパークゴルフ人気衰えず、といったところだろうか?

 初めて訪れた札幌の緑地だったが、これからいろいろな緑地を訪れることによって緑地のイメージができてくることと思われる。楽しみながら緑地めぐりを続けたい。

 


札幌市の都市緑地めぐりを始めるにあたって

2020-06-07 17:53:44 | 札幌市の公園・緑地・緑道

 札幌市の緑道めぐりに続いて、都市緑地めぐりをそーっと始めて見ることにした。札幌市の公園検索システムによると、札幌市で登録されている都市緑地は126件にのぼる。これら全てを巡るのは現実的でない。そこで私が考えたのは?

 まず「都市緑地」とは何ぞや?ということである。あまり難しくは考えたくないが、「都市緑地法」という法律がある。そこでは概略次のように説明されている。「都市緑地法は、都市において緑地を保全するとともに緑化を推進することにより良好な都市環境の形成を図り、健康で文化的な都市生活の確保に寄与することを目的として制定されました」とある。

   

   ※ 「山口緑地」の広大な中央ローンです。

 素人の勝手な解釈であるが、「都市公園法」というのが昭和31年に制定されたのに続き、「都市緑地法」はそれより17年遅れて昭和48年に制定されている。昭和40年代というと日本は戦後荒廃から立ち直り、経済が右肩上がりの状態が続き、都市の乱開発が進みだしたころと認識する。そうした乱開発から都市の環境を守り、可能な限り緑を残そうとした立法だったのではないかと推測するのだが…。

 それはともかくとして、札幌市の126の緑地は大小さまざまであることが分かった。最も広大なものは「豊平川緑地」で1,237,932㎡、反対に最も狭隘なものは「平岡しらかば緑地」で僅か314㎡である。そこで私はとりあえず面積50,000㎡以上の緑地を拾い上げた。するとちょうど20件の緑地を選定することができた。この20件の緑地をまず巡ろうと…。

   

   ※ 「曙西緑地」の通路の部分です。

 ところで面積50,000㎡というとどれ位の広さか?素人にはなかなかその大きさ掴みづらい。そんなときよく引き合いに出されるのが「東京ドーム何個分?」という例えである。そこで東京ドームの建築面積をみると46,755㎡と分かった。ちなみに札幌ドームの建築面積は55,226㎡である。私はこの二つのドームの外周を歩いたことがある。すると、東京ドームの方は敷地ギリギリにドームが建設されていることが分かった。一方、札幌ドームはドームの部分の外側にも建設物が多少広がっていた。この違いが建築面積の違いとなっているのでは?と思われた。そうしたこともあり、まったくアバウトでドーム一個分を50,000㎡として緑地の大きさのだいたいを掴む目安としたい。

   

   ※ 長~い、長~い「中の川緑地」の散策路です。

 今日(7日)、私は「山口緑地」(444,280㎡)、「曙西緑地」(51,047㎡)、「中の川緑地」(126,001㎡)の三つを巡ってきた。山口緑地はドーム約9個分、曙西緑地はドーム約1個分、中の川緑地はドーム約2.5個分ということになる。

 明日から順に実際の緑地の様子をレポすることにしたい。

 

 


札幌市の緑道めぐりを終えて

2020-06-03 16:58:43 | 札幌市の公園・緑地・緑道

 この度、札幌市の公園検索システムに掲載されている7つの緑道を集中的にめぐって歩いた。そのことを拙ブログでレポしてきたが、その中で感ずることが多々あった。そのことについて、もう一度振り返ってみたい。

 「緑道」の定義については一度紹介したが、再掲すると「交通建物など特定の用途によって占有されない空地を空地のまま存続させることを目的に確保した土地を『緑地』と称し、その『緑地』の中で<人の歩行や自転車の通行を主体とした緑地帯>のことを『緑道』と称する」となっている。

 札幌市の公園検索システムによると、「緑道」はわずか7ヵ所なのだが、「都市緑地」と称するところは大小含めると実に126ヵ所にも及ぶ。(その中に緑道は含まれない)

 こう見てくると「緑道」というのは特別な存在のようにも見えてくるのだが、実際に巡ってみたところ、それはレポしたように実態は様々で一括りにはできないのではと私の眼には映った。

 その一つは、規模の大小である。最も長かった「あいの里緑道」は約4kmもあったかと思えば、「エルム緑道」「里塚緑が丘緑道」はわずか200m内外しかなかった。「人の歩行や自転車の通行を主体とした緑地帯」ということから言えば「エルム緑道」も「里塚緑が丘緑道」も「緑道」に違いはないが、緑道を歩いて健康づくりに寄与するというイメージを抱いていた私からすると少々の違和感が残ったのだが…。

   

   ※ 見事に整備が行き届いた「西野緑道」の歩行路の一角です。

 次にその整備状況である。このことについて「緑道めぐり」の中でも言及していたが、「緑道によってずいぶん差があるなぁ」というのが率直な感想だった。特に私が以前には地域住民にとって理想的なウォーキングコースだと思っていた「あいの里緑道」は雑草が目立ち、住民の皆さんの利用度もそれほどではないのでは、と思わされたことだ。一方で「西野緑道」は木々の間の芝生もきれいに管理され、地域住民も積極的に利用しているように感じられた。同じ緑道で、この差は何なのだろうか?管理する区が違うからだろうか?それとも周辺住民の自治意識の違いだろうか?

   

   ※ 歩行路の両側に雑草が目立ったのが残念だった「あいの里緑道」です。

 続いての疑問は、緑道と名前は付いていないものの、市内には素晴らしい緑の道が他にもたくさんあるように思えるのだ。例えば、私の住居のすぐ近くに通称「ミニ大通」と称する大木が生い茂る歩行路がある。正式名は「札幌圏都市計画街路・北四条歩行者専用道路」と称するようだが、ここなど立派な「緑道」である。また、北区にある「屯田防風林」と呼ばれる歩行路も素晴らしいウォーキングコースである。これなども「緑道」の一つにならないのだろうか?市内にはまだまだ「緑道」と呼ぶに相応しい歩行路があるような気がする。それらも公園検索システムの中に抱合することによって緑豊かな札幌のイメージがより浸透するのではないだろうか?

      

      ※ 通称「ミニ大通」と称されている歩行路です。

      

      ※ 「屯田防風林」の一角です。

 一方で、公園検索システムには登録されていない「緑道」と称する路もあるようである。例えば中央区の「札幌桑園停車場緑道線」とか、北区の「あいの里駅前緑道」「あいの里せせらぎ緑道」等々…。これらは登録されている7ヵ所の「緑道」との違いはどこなのだろうか?

         

         ※ 「桑園停車場緑道線」と呼ばれる歩行路です。

      

      ※ 「あいの里せせらぎ緑道」の一角です。

 いろいろと疑問が沸いた「札幌市の緑道めぐり」だが、こうして振り返る作業をしていたら、「緑地めぐりもいいなぁ」という思いが芽生えてきた。まさか札幌市内の都市緑地と称するところ126ヵ所全てを巡るなどということは現実的ではない。なんらかの方途を考えてみたいと思い始めている…。

 ※ 後半の写真4枚はウェブ上から拝借したものです。

 


札幌市の緑道めぐり⑦ あいの里緑道

2020-06-01 17:10:24 | 札幌市の公園・緑地・緑道

 私にとって「あいの里緑道」は三度目の訪問だった。2012年9月以来8年ぶりの再々訪問だった。「あいの里緑道」は私にとって憧れにも似た素晴らしい緑道という印象だったのだが、今回久しぶりに訪れてみてその印象が崩れてしまったのが残念だった…。

   

   ※ 一見素晴らしい緑道に見えるのですが、木々の下の雑草が気になります。

あいの里緑道

   

 ※ 「あいの里緑道」は他の緑道と比べ長いのでマップが5枚に分かれて用意されていました。

 これはあくまで私の想像であるが、「あいの里緑道」は次のような経緯で造成されたと考えられる。「あいの里緑道」がある「あいの里地区」は1980年代に都市・住宅整備公団が「あいの里ニュータウン」として計画的に開発された地域と聞いている。「あいの里緑道」はその「あいの里ニュータウン」を取り囲むようにして緑道が造成されている。つまりニュータウンの造成と軌を一にして計画的に緑道が造成されたと想像できるのである。

 だから、過去に訪れた時には地域住民にとって理想的な散策路と私の眼には映ったのである。緑道は通路全体にレンガが敷き詰められ、適度に休憩用の東屋やベンチが配されていて、緑が住宅街を取り囲むように造成されていた。

 私はこの日(5月31日)もまた気持ちよく緑道をウォーキングできるものと期待してJR大学都市線に乗車し、拓北駅で下車した。拓北駅からはちょっと複雑であるが拓北小学校の脇を通り、「あいの里緑道」の東端にあたる始発点に向かった。

 始発点は民家の脇にひっそりとあった。残念だったのは、マップには始発点を示す園名板があるとなっていたが、それが見当たらなかった。あるいは私の見落としなのかもしれないが…。

   

   ※ 「あいの里緑道」の東端の入り口です。園名板があると良いですね。

 住宅の裏庭を通るようにして伸びる緑道のウォーキングが始まった。なんだか以前に比べると足元の雑草が目立つような気がした。周りに立つ木々の根元も雑草が目立った。あまり地域住民に利用されていないのかな?との思いが頭をかすめた。他の緑道と比べて距離がずーっと長い(約4キロ?)緑道を黙々と歩を進めた。日曜日なのに行き交う人に全く出会わない。というより、緑道の横に歩道があったのだが、朝の散歩を楽しむ人たちはそちらを歩いているではないか!「あゝ、やっぱり雑草が生い茂る緑道を避けているのかな?」と思われた。

   

   ※ 緑道が始まって間もなくの様子です。

   

   ※ 片や林で、片や畑地といったところを行くところもありました。

   

   ※ それぞれの緑道が途切れるたびに園名板がありました。始発点にもほしかった。

 但し、「あいの里緑道」の名誉のためにも断っておかねばならないのは、コースの後半になると(6号緑地)犬の散歩やウォーキング、マラソンに取り組む人などに出会うこともあったことに触れておきたい。

   

   ※ ベンチが適度に配されているのですが、どうしても雑草に目が行きます。

   

   ※ ショックだったのは、地域住民の方が緑道の傍の歩道を歩いていたことでした。 

   

  ※ 緑道を境に内部は住宅街、外部は水田や畑地というように分かれている所もありました。

 「あいの里緑道」の一つの特徴は、1号緑地、2号緑地というように、交差する道路によって寸断されるごとに塊りとして6つに分けて名称を付けていることである。私が地域の人たちに出会うことができたのは、教育大の敷地の後背地に設けられた6号緑地でのことだった。

   

   ※ こうなるとベンチも使われた形跡がありません。

   

   ※ コース上にはこうした立派な休憩用の東屋も何か所もありました。

   

   ※ 「あいの里緑道」の北端の終着点(始発点)です。トンネウス沼の傍です。

 8年ぶりに訪れた「あいの里緑道」は、雑草が目立ち整備が行き届いていない印象を受けた。残念であるが、地域住民の利用も決して多くはないように感じた。

 昨日レポした「西野緑道」との違いは何がその原因なのだろうか?行政の力の入れ方?それとも地域住民の自治意識の違い?

 今回、わずか7ヵ所の札幌市の緑道めぐりをしてみて、いろいろにことを考えさせられる良い機会だった。そのあたりについて少し整理して考えてみたいと思う。

 

鯉が恋の争奪戦?

 「あいの里緑道」の北端、私にとってはゴールとなった地点には現在廃校となった拓北高校の校舎とその校舎の前には「トンネウス沼」という河川から切り離された沼がある。アジアイトトンボという希少種の生息地として有名だということだが、その沼の淵を歩いていた時、沼面から時ならぬ大きな水音が何度も聞こえてきた。沼面を見ると、大きな鯉がお腹を見せてのた打ち回っている。どうやら恋の争奪戦を展開していたようだ。沼のいたるところで大きな水音を出しながら壮絶な戦いを展開していたので、“これは面白い!”と思いレポすることにした。

   

   ※ 廃校になった拓北高校の校舎と、その前にたたずむトンネウス沼です。

   

   ※ その沼では、鯉たちの壮絶なバトルが展開されていました。