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私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

北海道論 Part Ⅲ 北海道再生そのキーワード

2006-09-11 19:48:33 | 札幌学 & ほっかいどう学
 完全に荷が勝ちすぎた今回のテーマです。
 各界、各層が語る北海道論にはそれぞれ重みがあります。それについて私が論ずるなどと発想したこと自体が身分不相応、失礼千万なことでした。恥ずかしいかぎりです。
 しかし、始めたからにはそれなりの閉じ方をしなければなりません。
 そこで、Part Ⅲでは今回のテーマのきっかけとなった北海道新聞に掲載された8名の方々の「私の北海道論」で語られたキーワードを私の視点から整理してみようと思います。次回Part Ⅳでは、私的な北海道論、地域論を述べてこのテーマを閉じたいと思います。

 「私の北海道論」では、どの方も北海道のおかれている自然的、社会的条件が本州各県に比べて厳しいこと(デメリット)を意識した発言をしていることです。
 北海道の自然的、社会的なデメリットについて整理してみると、
 ① 冬の寒さが厳しい(生産コスト、生活コストがかかる)
 ② 雪が物流の阻害要因となっている。
 ③ 中央から遠方にある。
 ④ 面積に比し人口が少ない。(人口密度が小さい)
⑤ 経営規模の小さい企業が多い。
 ⑥ 歴史が浅く、国の支援、助成に頼ってきた側面がある。
などの点について各氏は言葉として発していないものもありますが、一様に述べているように思います。
 
 さて、そうしたデメリットを前提として、各氏はどのような提言をし、北海道を叱咤激励しているのでしょうか。これもキーワードとして列挙してみます。
 ① 志を高く持て! 本気になれ!
② 国の支援や補助金をあてにするな!
 ③ 北海道の自然環境は有力な資源である。(寒暖の差も作物栽培には優位)
④ ハンディを逆手に!(切迫感が新発想を生む)
 ⑤ 外からの視線、声から学べ!
⑥ 厳しい経営環境に立ち向かう強固な意志を持て!

総じて各氏が指摘していることは、「北海道人はまだまだ甘い!」ということでしょうか。自然が厳しいから、人口が少ないから、中央から遠いから、といろいろ並べ立て中央(政府)に頼っていた部分が大きかったのではないか、と各氏は指摘します。
 しかし、いくら嘆いても条件は変わらない、財政逼迫の中で中央からの支援もあてにできない。こうした状況に私たち北海道人はもっと危機感、切迫感を抱くことが必要なのだと感じます。
 特集の第3回に登場した柿沼氏は「切迫感から新発想が生まれる」と言っています。「必要は発明の母」という諺もありますが、厳しい条件を克服するために、私たち庶民レベルでも自らの周りに工夫改善できることはないのか、という視点に立つことが必要なのだと思います。そうした一人一人の思いが、行動が、やがて北海道全体の土壌や風土となっていくのではないでしょうか。
 私たちの身近で成果をあげた旭山動物園の工夫・努力を次に繋げていく意欲や意志をもちたいものです。
 特集の第6回に登場した熊本県小国町長の宮崎市は、条件の厳しさを逆手にとって見事な町づくりを進めています。道内にも雪を資源として活用しようとする試みや雪国のハンディをものともせず全国三連覇に挑んだ駒大苫小牧高の例があります。
 ハンディをバネとして、厳しさを逆手にとって、条件に恵まれている本州の各県に伍して、躍進する北海道を一人一人が夢に描き、本気になってそのことを追求することが、今私たちに求められているのだと思います。(ふ~っ、疲れました~)