田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

札幌国際情報高校吹奏楽部 Dancing & Playing

2021-08-10 22:19:49 | ステージ & エンターテイメント

 Dancing & Playing…、通称「ダンプレ」と呼ばれているが、ダンスをしながら演奏するというスタイルである。札幌国際情報高校吹奏楽部のダンプレはつとに有名であるが、今夕彼らの定期演奏会があり楽しんできた。

      

 今夕(8月10日)、札幌文化芸術劇場hitaruにおいて、札幌国際情報高校吹奏楽部の第26回定期演奏会があった。同校のダンプレをこれまで3回ほど聴いている(見ている)が、それは何かの催しでのゲスト出演のような形での演奏ばかりであった。今回初めて彼らの定期演奏会を聴く機会を得た。

 彼らは高校の吹奏楽界においては特異な存在である。普通の高校吹奏楽部というとコンテストの出場を目指して練習を積み重ねているところがほとんどである。ところが札幌国際情報高校吹奏楽部は本日配布されたプログラムでも宣言しているが「競わない吹奏楽」を謳っている。そこには「私たちは、活動のモチベーションをコンテストに求めません。毎日、わくわくしているから」と胸を張っている。

 このダンプレという演奏スタイルは、同部の顧問を務める小出學教諭が発案した方法らしい。このスタイルが高校生の心を捉えたようだ。同部は1~3年生まででなんと142名の部員を抱える大所帯である。普通の高校であれば大編成の吹奏楽部を三つも抱えているようなものである。

   

 彼らの演奏を聴いて見ていて感ずる大きな特長は、なんといっても彼ら自身が一番演奏を楽しんでいることである。それを聴いて見ている聴衆たちもまた楽しんでいる。だから同部に対しての演奏依頼が殺到するらしい。プログラムによると年間平均60公演を実施しているという。今夕もキャパ2,302名のhitaruの場内は4階席まで開放し、ざっと見積もったところ2,000人弱の入場者があったのではないか。

 そんな彼らの今夕の演奏会も若さが躍動し、迫力満点のステージだった。コンテスト志向の吹奏楽部であればクラック中心のプログラムになるのであろうが、クラシックは「アルルの女」を含めて2曲ほどで、他はノリの良いアメリカンポップスやJポップの曲が中心だった。さらなる特徴は曲によって部員が歌まで歌い出す構成なのだ。若い高校生がこれでのらないはずがない。総勢142名が紡ぐ大音量と若さ弾けるダンスがステージ一杯に繰り広げられた。楽器演奏の技量的なこと私にはまったく分からないが、聴いていて破綻するところなど全くなく技量的にも相当なレベルにあると思われる。

        

        ※ 写真は会場のhitaruの客席を見たところです。

 今夕のステージでは、ただ演奏するだけではなく聴衆を楽しませようとする仕掛けがたくさんちりばめられていた。司会の生徒が最後に「これからも笑顔とエールを届けたい」と語っていた。

 札幌情報高校吹奏楽部が高校の吹奏楽界において、どのように見られ評価されているのか知る由もないが、これからも彼らのポリシーを貫いて音楽の楽しさを多くの人たちに届けてほしいと思った楽しい定期演奏会だった。

※ 写真は全て札幌国際情報高校吹奏楽部のHPから拝借したものです。