田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

青春って、すごく密なので…

2022-12-26 12:42:03 | その他

 今年の夏の甲子園大会優勝校の仙台育英高校の野球部監督の須江航氏が優勝インタビューで語った有名な言葉である。須江監督ばかりでなく、高校野球の監督像が変わりつつあることをこのところ感ずる。須江監督の言葉と共に、私自身の生き方も考えてみたい…。

 いよいよ今年も年の暮れが迫ってきた。拙ブログでは年末は恒例として私自身の一年間を振り返る「私的に22を振り返る」シリーズを明日から5日間予定している。しがって実質的な投稿は本日が最後となる。そこでいつもとは趣向を変えて、多少意見文的投稿を試みたいと思う。以下の拙文をお読みいただければ幸いである。

 高校野球に並々ならぬ関心があったと自負する私だが、このところは他分野にも関心が向きがちで、今夏の甲子園大会もそれほど観ることはなく、決勝戦も観戦していなかったことから須江監督の言葉をライブで聞くことができなかった。

 先週の金曜日(23日)、お昼のTV番組「ひるおび」で今年一年を振り返る特集で須江監督のことを取り上げていた。番組で須江監督は今年の漢字に “続” という漢字を挙げていたが、同時に須江監督の人となりについて特集していた。

 そこでまずは今年の新語・流行語大賞の選考委員特別賞を受賞した「青春って、すごく密なので…」と発した経緯を追ってみることにした。甲子園大会の優勝監督インタビューで、インタビュアーから試合経過や戦術についての質問に答えた後、次のような質問があった。

   

   ※ 今夏の甲子園大会で優勝し、インタビューに答える須江航監督です。

 「今年の3年生は入学した時から、新型コロナウィルスの感染に翻弄されてきました。それを乗り越えての優勝。3年生にどんな言葉をかけたいですか」という質問に対して、須江監督が答えた内容が次のとおりである。

 「入学どころか、たぶんおそらく中学校の卒業式もちゃんとできなくて。高校生活っていうのは、僕たち大人が過ごしてきた高校生活とは全く違うんです。青春って、すごく密なので。でもそういうことは全部ダメだ、ダメだと言われて、活動してもどこかでストップがかかって、どこかでいつも止まってしまうような苦しい中で。でも本当にあきらめないでやってくれたことで、でもそれをやらせてくれたのは僕たちだけじゃなくて、全国の高校生のみんなが本当にやってくれて。例えば、今日の下関国際さんもそうですけど、大阪桐蔭さんとか、そういう目標になるチームがあったから、どんなときでも、あきらめない暗い中でも走っていけたので。本当に、すべての高校生の努力のたまものが、ただただ最後、僕たちがここに立ったというだけなので、ぜひ全国の高校生に拍手してもらえたらなと思います。」

   

   ※ 今夏の甲子園大会で東北に初めて優勝をもたらした仙台育英高校が優勝した瞬間です。

 ここで須江監督が話した「青春って、すごく密なので…」という言葉であるが、これはたまたまコロナウィルスの感染が世の人たちを悩ませ、“密” を避けようという世相とリンクしたことが反響を呼んだと私は推測する。須江監督が言った “密” という言葉は、 “濃い” という言葉に置き換えても良いのかな?と思う。つまり高校生の年代というのは人生の中でも最も成長する “濃い” 時間を過ごし、人間としての基礎を形成する世代なのだと言いたかったのだと私は推測する。その “濃い” 時間をあれもダメ、これもダメと言われながらも、そこを逞しく乗り越えてきた高校球児を讃えてほしいと須江監督はインタビューを通して全国に伝えたかったのだと私は解釈した。

 須江監督の他の語録も拝見したが、須江氏は高校野球の監督である前に高校教師として生徒に心から寄り添いながら歩まれている方だと推測した。言い換えると、須江氏は高校野球をツールとして高校生を育てていると…。2019年夏、令和の怪物佐々木郎希投手を擁する大船渡高校の国母監督は、岩手県大会の決勝戦で佐々木投手を登板させずに甲子園出場を逃したことが大きな話題となったが、私は須江監督にも、国母監督と同種のものを感じてしまうのだ。高校野球の監督像は変わりつつあると…。もちろんその考えに同意できないと考える方も多いとは思われるが、さて高校野球監督像は今後どうなっていくのだろうか?

          

          ※ 大船渡高校野球部の国母監督です。

 さて、ここからであるが “密” な時代は青春時代だけなのか?という私の疑問である。老年真っ只中の私であるが、老年もまた “密” = “濃い” 日々を送りたいと考えている。そう志向することが何より日々を楽しく、健康に過ごしていくための極意だと考えるからである…。