田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

さすがに聴かせてくれた!北部方面音楽隊

2024-02-04 17:09:16 | ステージ & エンターテイメント
 さすがに北海道内の吹奏楽界の雄「北部方面音楽隊」である。確かな技術とキレの良いサウンドは随一と云っても過言ではないだろう。この日も硬軟織り交ぜて素晴らしい演奏の数々を楽しませてもらった。
     
 昨日(2月3日)午後、札幌コンサートホールKitaraにおいて「陸上自衛隊 北部方面音楽隊」第91回の定期演奏会が開催された。参加を希望したところ幸いに当選し友人たち3人と共に鑑賞することができた。
 自衛隊の音楽隊は完全なヒエラルキー(階級)社会である。ちょっと調べたところ、全国の最高峰に位置するのが「中央音楽隊」である。その下に全国を5分割した「方面音楽隊」がある。その一つが今回聴いた「北部方面音楽隊」である。
 その「方面音楽隊」の下に、「師団・旅団の音楽隊」である。こちらは全国に15音楽隊があり、北海道には真駒内(第11)、東千歳(第7)、旭川(第2)、帯広(第5)と四つの音楽隊がある。したがって先日聴いた「第11音楽隊」は、「北部方面音楽隊」の下位に属する音楽隊ということになる。
 したがって「北部方面音楽隊」の楽団員(隊員)は、相当なレベルで選抜されたメンバーということが言えそうである。
 
 さて、いつものようにこの日演奏された楽曲を羅列すると…、
【第1部】
◇渡口公康/行進曲「勇気の旗を掲げて」(2024年度 全日本吹奏楽コンクール課題曲)
◇A.アルチュニアン/トランペット協奏曲
◇J.スウェアリンジェン/ロマネスク
◇B.アッベルモント/ブリュッセル・レクイエム
【第2部】
◇P.スパーク/ウィーンエンド・イン・ニューヨーク
◇久石譲/吹奏楽のための交響的ファンタジー「ハウルの動く城」
◇ G.M.シェーンベルク/ミュージカル「レ・ミゼラブル」より
【アンコール】
◇高階哲夫/時計台の鐘
◇須磨洋朔/大空 ~ J.P.スーザ/由緒ある砲兵中隊
というラインナップだったが、いずれの曲もレベルの高さを感じさせてくれる演奏だった。その中で私が印象的に感じたのは、まず1曲目の今年の全日本吹奏楽コンクールの課題曲である「勇気の旗を掲げて」という曲だった。MCを担当した方が、「実は楽譜が今朝届いたばかりで、それから楽団員が練習した」と話されたが、それが真実だとしたら素晴らしすぎる演奏だった。MCの方は「聴衆の皆さんの中に高校の吹奏楽部の方がいらっしゃるかもしれませんが、参考になれば幸いです」と話されたが、相当の自信がなければ言えないセリフである。彼らの自負心が言わせた言葉だろう。曲自体はオーソドックスな行進曲と思えたが、ピッコロが重要な役割を果たす楽曲である。コンクールに出場する団体は、ピッコロの名手探しが今年の最初の課題かもしれない。
そしてもう一曲。第2部の最初の曲「ウィーンエンド・イン・ニューヨーク」である。全体がジャズっぽい曲調で、ニューヨークの夜の街を彷彿とさせるような曲であるが、曲の特徴を捉えた見事な演奏だった。団員が自衛隊音楽隊の正装を纏っていることに違和感を感ずるほどだった。
さて、私は第11音楽隊の演奏の感想として「ちょっと固かったかも?」と記し、今回もそのことを多少気にしたのだが、そうしたことは感じられなかった。
                   
 音楽隊長(指揮)の蓑毛勝熊氏の指揮もリラックスしていて、団員の演奏にもどこか余裕を感じさせる演奏ぶりを感じさせてくれた。
「北部方面音楽隊」の演奏は人気があり、抽選制のため毎回というわけにはいかないかもしれないが、機会あるごとにこれからも楽しみたい演奏会である。