今年もまた高校生33名が奏でるマンドリンの調べを堪能した。技術的には未熟なところも垣間見えるが、高校生が繊細な楽器マンドリンに取り組むという姿勢に私はエールを贈りたいと思った。
9月23日(月・祝)午後、かでるホールで第34回月寒高校マンドリン部定期演奏会が開催されると知って駆け付けた。同校マンドリン部の定期演奏会を聴くのは昨年に引き続いてである。そのため昨年と同じタイトルにしたのだが末尾に2024と入れることにした。
※ 月寒高校マンドリン部全34名による演奏風景です。
高校生のマンドリン部というと珍しい存在である。月寒高校は北海道において唯一マンドリン部を設置して活動しているクラブと聞いている。高校年代というと、ブラスバンドとか、電気的に増幅された大音量で演奏することを好む高校生が多い中、繊細な音を追求するという姿勢に拍手を贈りたいと思う。
そうした姿勢に共感を覚える人も多いようだ。この日も前年同様キャパ521名のかでるホールの約8割は埋められていたように思われる。
※ 「やはり」といおうか、女性部員が目立ちますね。
この日演奏された曲目は以下のとおりである。
《第1部 オリジナル曲ステージ》
◇津田甫/札幌月寒高等学校校歌
◇中崎智大/夜空への回想曲Ⅰ~冬空の帰り道~
◇森安浩司/最後のダンス~アヴィニョンに眠る君へ
◇武藤理恵/華・Japanesque
《第2部 ポピュラー音楽ステージ》
◇藤原聡/P.ノーダクト
◇星野源/SUN
◇Vaundy/怪獣の花唄
◇弦哲也/天城越え
◇武藤理恵/コバルトブルーの奇跡~旅立つ君へ~ (卒業演奏)
※ アンコール曲 米津玄師/カイト
演奏された曲の大半は私には初耳の曲ばかりであった。だから演奏の巧拙を評することは私にはできない。しかし、高校生たちは懸命に楽譜を追っていることが伝わってきた。おそらく大半の生徒は高校に入ってから初めて手にした楽器だったのではないだろうか?だからベテランの奏者たちと比較するのは酷である。
ただ、ちょっと気になった部分もあったのは事実である。それは若者らしい溌溂さのようなものをもっと感じたかったなぁ、という思いである。楽譜を懸命に追うあまり、やや硬くなっていたのでは、という感じが私には伝わってきた。いいじゃないか!多少躓いても…、若者らしく 音を奏でる楽しさを前面に出して、音楽を心から楽しんでいる表情を私は感じたいんだよ!
※ 3年生部員6名による卒業演奏の様子です。
最後の3年生部員6人で演奏した「コバルトブルーの奇跡~旅立つ君へ~」の演奏後のキャプテンの挨拶が感動を呼んだ。3年生部員は例年に比べて少ない人数だった。その少ない人数で部をリードすることが大変だったようだ。その大変だった日々が蘇ったのだろう。涙で用意していた挨拶ができなくなるハプニングに会場は感動に包まれた。一度しかない高校生時代を、勉学と部活動の両立に苦闘した日々が偲ばれ、多くの人たちの涙を誘った瞬間だった。
※ 感動を呼んだ3年生キャプテンの挨拶の様子です。
また来年の感動をいただきに月寒高校マンドリン部定期演奏会に足を運びたいと思った。
※ この種のコンサートとしては珍しく写真撮影が許された。そのうち数枚を掲載することにした。