それはもう “圧巻!” と形容する以外に言葉が見つからなかった。少しオーバーな表現をすれば、公園のある突悄山(とつしょうざん)の丘全体が紫色に染め尽くされているような光景だった…。
昨日、浦臼神社の花園に満足した私たちは札幌に戻るべく車を走らせた。しかし、私は新聞で見た「男山自然公園のカタクリを一度見てみたい!」という思いが断ち切れなかった。車中でそのことを話すと、妻は「ここまで来たのだから行ってみたら?」と背中を押してくれた。そこで車をUターンさせて旭川へと向かった。結局、この予定変更で一日がかりのドライブとなってしまったのだが…。
浦臼から約1時間半かかって旭川市の郊外、「男山自然公園」に着いた。
この公園は、公園名にもあるとおり、旭川市の醸造会社「男山酒造」が所有する公園である。会社が公園を整備し、毎年春になるとカタクリの名所として市民に開放していたそうだ。しかし、コロナ禍にあり会社の経営も大変なことから、公園の整備も行き届かず閉園を検討したというが、有志によるクラウドファンディングによって整備費の目途も立ち、今年も市民に開放されることになった、と新聞で知った。
比布町との境界の比布トンネルの手前から案内に導かれて到着した「男山自然公園」のエントランスは、公共の公園のように整備されたエントランスとは言い難かったが、手作り感が感じられるものだった。
小さな看板や、手作りの案内に導かれて公園内に入ると、そこはもうカタクリ一色が咲き誇る世界だった。浦臼神社のときと同様、エゾエンゴサクの青色も見えるが、圧倒的にカタクリの紫色が辺りを支配していた。私たちは一周800メートルという散策路を巡って歩いたが、どこまで行っても紫色が支配する世界だった。それは丘全体が紫色に染まっていると云えるほどで、その規模は浦臼神社の比ではなかった。何せその規模は北海道一と云われるくらい大きなものだった。その広大な公園を維持管理するのは大変なことだと思われた。おそらく雑草を除去したり、クマザサなどの進出を阻んだりするために多大な労力を必要とするのではと思われた。公園内で気になったのがバイケイソウの存在だった。バイケイソウがかなりの勢いで進出しているようだ。
素晴らしいカタクリの世界を堪能させてもらった私たちは、「男山自然公園」がこれからも存続されることを願い、些少の募金をさせてもらって公園を後にした。
私たちの感動を伝えるべく写真の方は、残念ながら技術が稚拙なうえに、また機材が十分でないために、その素晴らしさが伝わらないのが残念だが、その雰囲気だけは写真から汲み取っていただければ幸いである。
※ カタクリの向こうにクマザサが繁茂しています。
※ 樹間からは大雪の山々が遠望できました。
※ 写真のように遊歩道が整備され、カタクリを護っていました。