ワンコインで上質の音楽を楽しめるなんて!?私は迷わず参加を決めたが、「マ・コルド・ダルク」のピアノディオ、札響チェロ奏者の小野木遼さんのチェロソロともに上質の音を十分に楽しめた夜だった。
昨夜(11月8日)夜、札幌時計台ホールにてマ・コルド・ダルク「時計台ワンコインコンサート Vol.3」が開催された足を運んだ。
ワンコインコンサートは「クラシック音楽の普及・発展のため、低料金でふらっと立ち寄れるようなコンサートを開きたい」というマ・コルド・ダルクのお二が発想し、企画されたコンサートだと聞いている。
「マ・コルド・ダルク」のお二人とは、岩見沢市出身の岩田真由美さんと仙台市出身の山川充さんが、フランス・ベルギーで共に6年間研鑽に励んだことが縁で2023年に結成されたピアノディオだそうだ。
この夜はさらにゲストとして、岩田さんと東京芸術大学で同級生だった札響のチェロ奏者である小野木遼さんが趣旨に賛同してステージに登場し、さらにステージを盛り上げてくれた。
この夜、演奏された曲目は…、
《ピアノ連弾/マ・コルド・ダルク(岩田真由美 & 山川充)
◇バッハ/羊は安らかに草を喰み BWV208
◇バッハ/主よ、人の望みの喜びよ BWV147
◇ヴォルフガング・リーム/いつくかの短いワルツより 1.17.16.7.6.18.19番
(休 憩)
《チェロ独奏/小野木遼 (伴奏/岩田真由美)》
◇バッハ/無伴奏チェロ組曲 第1番 ト長調 BW V1007
1.前奏曲2.アルマンド3.クーラント4.サラバンド5.メヌエット6.ジーグ
◇ブラームス/歌曲より メロディーのように 作品105-1
森に覆われた山の上から 作品57-1
愛の歌 作品71-5
〈アンコール〉
◇コルサコフ/熊蜂の飛行
これだけの奏者、内容でワンコイン(500円)とは、贅沢の極みである。「マ・コルド・ダルク」、「小野木遼」それぞれ単独のコンサートでも、最低3,000~3,500円が現在の相場ではないだろうか?私のようにクラシックに疎い者が入門的に聴かせてもらうには最適なコンサートである。正直に吐露すれば私はこの夜クラシックのピアノディオを初めて聴いたと思う。その私にはイマイチピアノディオの良さを感得できなかったのが正直なところだ。唯一、バッハの「主よ、人の望みの喜びよ」は聴いたことのある旋律だったのでピアノソロとの違いを感じ取れたが…。
私はむしろこの夜は、ゲストであった小野木氏のチェロの柔らかな音にどこか安らぎのようなものを憶えたひと時だった。
いずれにしても「マ・コルド・ダルク」のお二人の志には感謝したい。機会があればまた参加したいと強く思った。