道立近代美術館の特別展「トリック × イリュージョン!」展の開会に合わせて、出品者の一人である須田悦弘氏が自らの作品について語った。氏はインスタレーション作品といわれる手法で数々の不思議な作品を提示しているようだ。
本日(4月22日)から6月11日までの会期で北海道立近代美術館では特別展「トリック × イリュージョン!」展が始まった。その開会に合わせて本日午前、同館講堂において出品者である須田悦弘氏によるアーティストトークがあり、参加して須田氏のお話に耳を傾けた。
※ 講師を務めた須田悦弘氏です。
須田氏は前述したようにインスタレーション作品といわれる手法で数々の作品を世に出している芸術家である。インスタレーションとは、ごく簡単に言うと「展示作品を含めて全体を作品とし、見ている観客がその『場』にいて体験できる芸術作品のこと」を指すそうだ。
須田氏の場合は、本物と見紛うほどの精緻な花や草を木彫でつくり、それらを思いがけない場所に設置して、空間全体をインスタレーション作品とする手法で作品を産み出している。
※ 草など生えてこないような床から雑草が芽を出した図です。
具体的には、けっして草などが生えてこないような床に本物まがいの草があたかも植えられているような図を提示したり、江戸時代の日本画でスズメの絵が描かれている作品では、スズメの目線の先に米粒を配したり、瀬戸内海の直島に造られた美術館の壁から雑草が伸びているような図を描いたり、と一種の「面白がり精神」のようなものを私は感じたのだが…。須田氏はさらに、トリックとは「悪だくみ」、「だまし」とも受け取られると話された。
※ 上部は江戸時代の作品です。その中、右側の2羽のスズメの目線の先に米粒を配した作品です。
しかし、須田氏はそうした思いではなく、既成の概念を壊すことでそこにあたらしい価値を産み出そうとしていると言っているのではないかと私は受け止めた。
さて、本展で須田氏はどのような作品を出展しているのだろうか?興味深いが、私は特別展を実際に鑑賞するのはもう少し先に延ばそうと思っている。というもの、私には美術を鑑賞するという基本的な素養に欠けていると自己分析している。幸い、地の利を生かして道立近代美術館で開催される関連イベントには参加しやすい条件下にある。
※ 空中に花が浮かんでいる図ですね。
今回のアーティストトーク、そして5月に入って行われる予定の同館学芸員による「見どころトーク」などを拝聴した上で、ある程度理解を深めたうえで特別展に足を運ぼうと思っている。その際にはまた私なりの感想をレポートしようと思う。
※ 掲載した写真は全てウェブ上から拝借しました。