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私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

道北の旅を振り返る №4 北海道遺産「稚内北防波堤ドーム」

2022-07-08 13:17:23 | 北海道遺産関連

 稚内はその昔(太平洋戦争以前)、南樺太が日本領土だったころに樺太(サハリン)と北海道(稚内)を結ぶ航路の北海道側の始発港だった。その始発港に造られたのがギリシア建築を思い起こさせるという「稚内北防波堤ドーム」である。

     

 実は、私は5年前にこのドームのすぐ傍まで行っていながら、その存在を知らなかったために見逃したという失態を演じていた。というのも2017年の6月に利尻山登山に向かうとき、車を「稚内道の駅」駐車場に停めてフェリーに乗ったのだが、その駐車場というのがこのドームから歩いて5分もしないとこにあることを知らなかったのだ。

 今回、私はその「稚内道の駅」駐車場で車中泊をするために車を停め、その足で「稚内北防波堤ドーム」に向かった。

 すると歩いて数分もしないのに、その威容が目に入ってきた。

 この防波堤は昭和6(1931)年から5年間かけて建設されたそうだが、その形状が単なる防波堤ではなくドーム状になっていることから「稚内北防波堤ドーム」と名付けられたという。ドームの高さは約14m、長さ427mでその形容が古代ギリシア建築を彷彿とさせるところが注目されたようだが、なるほどいわゆるエンタシス状のコンクリート柱が70本並んでいる様は壮観である。私はせっかくの機会だったのでありとあらゆる方向から写真を撮った。

 それではそれらの写真の全てを若干のコメントを交えながら紹介することにします。

     

     ※ 「稚内北防波堤ドーム」全体を眺めたところです。このドームの柱が70本だということです。

     

      ※ コンクリート製の円柱は上部にかけて徐々に細くなるエンタシス状の柱なのが特徴です。

     

     ※ ドームの長さが427mとなると向こう端が確認できないほどです。

      

      ※ ドームの中央付近に写真のような「稚泊航路記念碑」が建てられていました。

     

     ※ ドームの背後がどうなっているのかと、見ようとしたのですが…。

     

     ※ これ以上は無理でした。写真のように海が背後に迫っているのが分かります。

     

     ※ 柱を手前から順にみてください。途中から柱にヒビが入っているが確認できると思います。     

     

     ※ 近づいてみると、ご覧のように海水の影響でしょうか?全体にヒビが入っています。

     

     ※ ヒビが入り老朽化した柱は修繕工事が施されていました。

     

     ※ ドーム前の岸壁には海上保安庁の巡視船が係留されていました。

     

     ※ こちらは稚内駅構内にあった現在の鉄路の最終地点を表す表示です。

     

     ※ 後ろの建物はJR稚内駅です。隣の道の駅とは繋がった構造になっていて、昔の鉄路が今より延びていたことを表す図です。

     

     ※ 鉄路の向こうを見てください。さらに鉄路は伸び防波堤ドームまで延びていたことを表しています。

 「稚内北防波堤ドーム」は、その特異な形容と共に日本最北の地に立地しているということから多くの人々から関心を寄せられている。防波堤は樺太への始発点という役割を終えた後、戦後は利尻・礼文行きのフェリー乗り場として利用されていたようであるが、現在はその役割も終え、単なるモニュメントとなっている。しかし、85年あまりの歴史を有して今や稚内市にとってはなくてはならない市のシンボルとなっているようだ。

 

◇稚内公園

 稚内公園は稚内港のあるところの平地から、いきなり立ち上がるように稚内市街地を一望できるような高台(ここがすでに宗谷丘陵の周氷河地形の一部である)に公園が展開している。案内では、その高台のもっとも高い地点に「稚内市開基百年記念塔」が建っていて、その展望台からは「周氷河地形」を見ることができるというので訪れることにした。ところが当日は生憎の海霧が発生して、まったく見通しが利かなく、記念塔の頂上部などは霧の中に隠れてしまうという残念な天候となり諦めざるを得なかった。

 しかし、稚内が樺太との交通の要衝にあったことや、寒冷の地だったという特異な街ということもあって、公園内には稚内ならではの記念碑などが数多く点在していた。それらを一応チェックしてきたので、それらを写真と共にお伝えしたい。

     

     ※ 「稚内公園」の丘の途中まで上った時に、「稚内北防波堤ドーム」の全体像を写すことができました。

     

     ※ 同じくドームの全体像ですが、霧のためにクリアな映像とはなりませんでした。

【稚内市開基百年記念塔】

     

     ※ 稚内公園の最上部、海抜170mのところに建つ高さ80mの「稚内市開基百年記念塔」は先端の方が海霧のために霞んでいました。(下の写真も)

           

    

【南極観測樺太犬訓練記念碑】

      

 

【測量の碑】

      

 

【樺太犬供養塔】

      

 

【望郷の樺太】碑

      

 

【樺太島民慰霊碑(氷雪の門)】

 かつて日本領土だった樺太で亡くなった日本人のための慰霊碑として彫刻家・本郷新の手によって製作された碑である。映画「氷雪の門」が全国的な評判を呼んだことも人々の記憶に残っている。

      

 

【九人の乙女の碑】

 1945年8月20日、樺太真岡へのソ連軍侵攻に際して、真岡郵便電信局で連絡業務に当たっていた電話交換手の女性12人のうち9人が青酸カリを飲んで自決した事件の犠牲者を傷み建立された記念碑である。

     



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2 コメント

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Unknown (フナさん)
2022-07-08 22:13:23
初任の頃、2年間過ごした青春の足跡が埋まっている地。当時は米軍基地もあり、児童2000人超の学校に勤めていました。隔世の感じがします。写真を懐かしく見ていました。
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フナさんへ (田舎おじさん)
2022-07-10 22:03:53
 コメントありがとうございます。
 フナさんの初任地が稚内とは知りませんでした。
 この日の天候が海霧に覆われていたのですが、やはり稚内は霧が出る日が多いのでしょうか?
 駆け足の稚内でしたが、意図をもった旅で収穫も多い旅となりました。
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