パイプオルガンの幅広い可能性を感じさせてくれたコンサートだった。特に今回は高音の響きが印象的、効果的に私には聴こえてきた。昼休みのひと時、パイプオルガンの音色の良さに浸った。
12月1日(木)の昼休み、「北一条教会昼休みコンサート」の秋季シリーズの最後、第189回のコンサートが開催され、参加した。
今回は教会のオルガニストとして活躍されている工藤羊子さんによるオルガンコンサートだった。パイプオルガンというと、札幌では札幌コンサートホールkitaraのパイプオルガンが最大のものと思われる。私はこれまで何度か聴いたことがあるのだが、あまりにも大きなパイプが並んだオルガンのために低音の音が強調され過ぎているように聴こえてしまい、今一つ親しめない思いでいた。今回は近所であり、無料のコンサートということもあり出かけてみた。例によって演奏された曲を紹介しようと思うが、今回はフランスのクリスマスにちなんだ曲の特集ということだった。
◇ N.ルベーグ/クロッシュ(鐘)
◇ M.コレット/歌おうノエルを大きな声で
◇ M.コレット/プロヴァンスのノエル
◇ G-B.バルバストル/イエスがクリスマスにお生まれになった時
◇ A.ギルマン/偉大な神~目が覚めたら牧者のところに行こう
◇ A.ギルマン/ヨセフは良き妻をめとられた
◇ A.ギルマン/急げ忠実な羊飼いたち、祝福の時が来た
◇ M.コレット/カリヨン(鐘)
私にとってはどの曲も始めて聴く曲ばかりだったが、全体的な印象として北一条教会のパイプオルガンは私のサイズ感とぴったりだったようだ。つまり大きくもなく、小さくもなく、といった感じだった。特に高音の響きが心地よかった。
※ 私にとっては、この北一条教会のパイプオルガンのサイズ感がちょうど合っていたように思われました。
曲としては、最初の「クロッシュ」と「カリヨン」が鐘の音としては対照的だったことが良く分かった。クロッシュは教会の鐘の中でも小さな鐘だという。反対にカリヨンはそれなりの大きさの鐘ということになろうか。それらの違いを見事に弾き分けてくれたように思われた。特に「クロッシュ」における小さな鐘の音色が印象的だった。
また、4曲目の「イエスがクリスマスにお生まれになった時」は、華やかな装飾音、多彩な音色、変化にとんだ曲の流れ、どれ一つとってもパイプオルガンの可能性を十分に引き出した一曲と思えた。
わずかな時間のコンサートだったが、期待以上に楽しめたコンサートだった。
「北一条教会昼休みコンサート」は冬の間は休んで、来春また4月から再開するという。楽しみに待ちたいコンサートのひとつである。